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【 貪吏を疾む(にくむ)也 その3 AIの時代 】 [中国]

【 貪吏を疾む(にくむ)也 その3 AIの時代 】

 

清廉潔白な官吏が公平・公正に業務を遂行しようとすれば、一切の感情抜きで、機械的に作業を進めるしかありません。機械的に・・といっても、お役人の作業はそんなに単純ではない訳ですが、許認可業務、あるいは何らかの判断を伴う業務については、極力機械的な(つまり感情の入らない)作業を目指すべきです。

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なぜなら、お役所の仕事では、許認可業務や判断業務こそが、汚職・賄賂の温床になる訳で、一切の私情を捨て、誰かに便宜を図るという発想を捨てる必要があるからです。

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いろいろな要素を数値化して、合計し、その大小で優劣を決めたり、合否を判定するという業務を人々は普通にこなしています。特に公平さと厳密さが求められる作業が対象で、具体的には入学試験の答案の採点と合否判定などの作業が対象になります。 それらは既にコンピューターの領域ですが、これからは、さらに複雑で数値化が困難な領域で、コンピューターの判断を求めることになりそうです。

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その道具としては、古典的なものではファジイ推論などがありますが、より複雑な事象に対応するには、最新のAIが必要になります。

現代のAIは、人間の思考過程を相当程度なぞってシミュレーションすることが可能だそうです。それどころか、人間より深く考察できることは将棋の対局を見ても明らかです。それなら、人間の判断業務をAIに委ねてもいいのではないか?と思います。

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賄賂を貰わず、身内をえこひいきせず、訴える者の肌の色や美醜によって評価を変えず、公平に判断する者が公務員の職にあれば、中国の社会はずっとましになります。いや、中国だけでなく日本でもそうかも知れません。AIこそ公務員、特に高級官僚に向いています。

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学校の入学試験にコネは通じなくなり、裁判も公明正大になります。

実際、三権分立が確立していない中国や韓国では、裁判官は法律よりも為政者の顔色を見て判決を下します。法治国家ではなく人治国家ですが、AIを裁判官にすれば、信頼できる判決が下されます。

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いや、三権分立が確立した国でも、メリットがあります。法律の素人の素朴な思いを尊重するために、日本や米国では、裁判員や陪審員を大勢並べていますが、素人であるがゆえの問題もあります。ここでもAIを判事にすることで、専門的な判断が可能になり、ずっとましになります。

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カレル・チャペックがSFを書いた頃は、ロボットが請け負うのは、過酷な肉体労働でした。しかし現代、本当にロボットまたはAIが真価を発揮するのは、知的労働です。その目的は、人間をその労働から解放することではなく、サービスを受ける人間が、よりよいサービスを受けることです。

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まずは、汚職追放をスローガンとする習近平皇帝陛下が率いる、中国の官僚と言うか(昔風に言えば)ノーメンクラツーラ達を全てAIにすべきでしょう。習近平以外は全てAI・・になれば、政敵によって、その座を追われることもありません。

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聞くならく、中国のAI研究は素晴らしいスピードで進んでいるそうです。本当ですかね?

http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20151016-OYT8T50057.html

AIが官僚になれば、ますます中国共産党の無謬性は確実なものになるでしょう。

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でもあまりに優秀過ぎて、習近平より賢い事もばれてしまうでしょうね。

http://www.asahi.com/articles/ASK8344W5K83UHBI00H.html

http://blog.livedoor.jp/zzcj/archives/51944833.html

 

21世紀のAIが「王様の耳はロバの耳」とプリントアウトするのが目に浮かびます。

いや、中国の場合は、「国家主席の頭は、くまのプーさんの頭」かな?


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【 貪吏を疾む(にくむ)也 その2 百年河清を待つ 】 [中国]

【 貪吏を疾む(にくむ)也 その2 百年河清を待つ 】

 

日本の場合、公務員に求められるのは公僕の精神つまり全体への奉仕者という姿勢です。そして民間企業のサラリーマンが利潤の追求を命題とするのに対して、公務員は全体の公平の実現を目指します。その理想のためなら、民間より少ない俸給でも頑張る・・・かどうかは分かりませんが、その志はOKです。

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一方、中国の公務員は全く違います。民主主義国家ではないこの国では、表向きはともかく、公務員は人民・庶民への奉仕者ではないのです。では何に忠誠を尽くすのか?それは共産党に対してです。4000年の昔、皇帝に対して忠誠を尽くした役人と何ら違いはありません。常に上の存在に気を遣い、礼を尽くして、敬えというのは儒教の思想です。儒教は、民主主義や法の下の平等や公平さとは無縁の思想です。階級と序列を明確にし、上に対してはへりくだり、下に対しては尊大にふるまってよいのです。

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そして中国の公務員は、自分と身内のために仕事をします。それが当然であり、何が悪いのか?となります。その昔、難しい科挙の試験に合格し、晴れて進士になった官僚は、立身出世、つまり今風に言えば自己実現を目指しました。その自己実現とは、より大きな権力を持ち、私腹を肥やし、自分の家族・親戚にも富と権力を与え、さらには自分を育ててくれた故郷の一族郎党にも物理的に恩返しすることです。

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日本では、身内の公務員試験に便宜を図った市長が逮捕されましたが、中国の人が聞いても理解できないでしょう。なぜなら中国ではそれが当たり前だからです。

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司馬遷の史記に項羽の言葉として「富貴にして故郷に帰らざるは、繍を衣て(着て)夜行くがごとし」が登場します。

有名な言葉でご存知の方も多いでしょうが、おおまかな意味を申せば、「せっかく出世したのなら、里帰りして故郷の皆に自慢しなければつまらない。せっかく(自慢できる)きれいな絹の服を着たのに、夜に出歩いたのでは誰も見てくれないのと同じでもったいない」

ということで「自慢できることがあるなら見せびらかして自慢しなきゃ」という発想です。

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中国の古典に登場する言葉の中で、最も下品で私の嫌いな言葉ですが、敢えて項羽にそう言わせたということは、司馬遷は項羽を相当軽蔑していたのだな・・と思わせます。

見せびらかして何が悪いとか、自慢しなきゃ詰まらないというのは、司馬遷の時代でも、尊敬される考え方ではなかったはずです。

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しかし、中国で出世した役人が故郷に帰るのには、自慢以外にも理由があります。地元への利益誘導は当然であると同時にエリート官僚の義務でもあったからです。

以前のブログでもご紹介しましたが、破天荒という言葉は、地元出身のエリートが故郷に恩恵をもたらすという意味です。

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昔の中国では郷党の期待を担った秀才が見事科挙に合格してエリート官僚になれば、地元に莫大な恩恵がもたらされます。逆に秀才が長く輩出しなければ、その地方はひどくさびれます。中国ではその状態を「天荒」と呼びました。だから久々に秀才が現れ、科挙に合格して進士になれば、地元は大喜びしたのです。そして莫大な恩恵がもたらされました。その有様を「破天荒」と呼んだのです。

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だから、単純に型破りなとか常識を超えた・・という意味で「破天荒」というのは違います。

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話は脱線しましたが、今の中国の政治家にも地方による閥があるようです。有名なところでは江沢民一派が率いる上海閥で国政にも大きな影響を及ぼしています。あれだけ大きな国だから地方閥があっても仕方ない・・とも思いますが、実際には中国よりはるかに小さな現代の韓国でも、地方による派閥があります。大統領を輩出した地方は恵まれ、大統領を出さない地方は冷遇されます。民主化以前は、地方間の争いで虐殺事件があったりしました。

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地方による派閥、地元への利益誘導、我田引水あるいは我田引鉄(鉄道誘致)も一種の腐敗であり、習近平としては排除したいに違いありません。しかし、彼がそれを言うと、「単に目の上のタンコブである上海閥と重慶閥を排除したいだけさ」と勘繰られるのがつらいところです。

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それにしても、中国4000年の歴史において、権力者の横暴と官吏の不正・腐敗は宿阿のごとき存在で、一度も正されたことがありません。まさに「百年河清を待つ」です。

そして、貪官汚吏を憎む漢詩は大昔からあります。有名なところでは白居易が書いた白氏文集にある詩です。「黒潭の龍」には、無責任な役人が龍を神様としてあがめることを庶民に強要する話が登場します。その結果、庶民は苦しめられ、お供え物になる豚はとんだ災難であり、お供え物をちょろまかすことができるキツネは、いい思いをする・・というもので、役人の勝手で無責任な命令が、多くの人を理不尽な目に合わせるという政治風刺です。無論、お供え物をちょろまかすキツネと役人はグルです。

http://home.att.ne.jp/wave/ayumi/etcetc/Et_hak02.htm

白氏文集には、政治批判や社会風刺の詩がこれ以外にもありますが、唐の時代でよかった。 今の中国は、子供が「くまのプーさん」の絵本を持っていただけで、牢屋に入れられる言論弾圧国家ですから、白居易などたちまち逮捕されたに違いありません。

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習近平が本当に腐敗を撲滅したいと考えているかどうかは不明ですが、今の中国で公務員の腐敗をなくすことは重要です。今後も経済発展を続け、信用される国家にするためには不可欠です。

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これも、昔のブログに書いたことですが、メキシコの例が参考になります。

かつてメキシコはその経済規模(当時は国民総生産つまりGNPと言いました)が日本に近い存在でした。1964年の東京オリンピックの後は、1968年のメキシコオリンピックでしたが、その頃は肩を並べていました。しかし、日本はその後も高度成長がしばらく続き、経済大国に発展しましたがメキシコはそうではありませんでした。産油国として地下資源に恵まれたにも関わらず・・です。どうしてそうなったか?その違いの理由は何か?

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M井物産のSさんは、少し考えて、「それは汚職の少ない国と汚職の多い国の違いでしょう。諸悪の根源はあれですよ」と遠くに見えるPEMEX本社の巨大なビルを指差しました。 当時(たぶん今も)メキシコは腐敗の国であり、それが経済成長にもブレーキをかけているのです。腐敗した国は中進国(または先進国の手前)までは行けても、先進国にはなれません。

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もし、習近平が、経済成長が鈍化しつつある中国で、さらに成長を続けて先進国になるためには、腐敗の撲滅が必要と考えているなら、それは慧眼と言うべきでしょう。

しかし、現実にはそれは難しい。

 

ではどうすべきか? それについては次号で私の提案を申し上げます。


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【 貪吏を疾む(にくむ)也 その1 】 [中国]

【 貪吏を疾む(にくむ)也 その1 】

 

「中国共産党の核心」いう名前の皇帝に就いた習近平国家主席をTVで見ていて思います。彼は自分を毛沢東と同格のカリスマにしたいようですが、これまでの彼の実績とは何か?あるいは、彼は何をしたがっているのか? 今回はそこを考えてみます。

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マスコミ報道によれば、彼が特に拘っているのは、人民解放軍の近代化と強化、そして官僚の腐敗の撲滅つまり綱紀粛正です。今回はその内の後者について考えます。

彼の「官僚の腐敗を撲滅する」というキャンペーンに反対する人はいません。反対の余地が無い正論です。しかし、その実現を危ぶむ人と、習近平のキャンペーンは単に政敵を潰すための口実に過ぎない・・と考える人は沢山います。

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なぜなら、中国の高級官僚で腐敗していない人はいないと思われるからです。前の首相だった温家宝は一家で8,000億円もの蓄財をして、それを海外に置いています。それは米国のマスコミによって暴露されましたが、もちろん中国では報道されません。あのパナマ文書で明らかになったタックスヘイブンに財産を置いている資産家の中には習近平その人もいます。

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どうでもいいけれど、このスキャンダルが中国で報道されないのは仕方ないとして、日本でもほとんど報道されませんね。

重慶市のトップだった薄熙来も、腐敗が理由で失脚しましたが、重慶市の共産党の書記だった頃は、黒社会のヤクザと戦い彼らを懲らしめた英雄だったそうです。ちょうど遠山の金さんか、鬼平犯科帳の長谷川平蔵のような正義の味方だったのに、叩けば埃がでました。彼を失脚させた方も腐敗しているのは同じですが、権力闘争となれば、相手の腐敗だけをヤリ玉に上げます。それはともかく彼の逮捕でがっかりした重慶市民がたくさんいることを私は知っています。

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そして高級官僚だけではありません。下位の公務員も立派に腐敗しています。

私が昆山で暮らしていた頃、外国人が住めるマンションは、1,2軒しかありませんでした。市の公安当局によって、日本人が居住していいマンションが指定されていたのです。それほど高級という訳ではありませんが、洋式のトイレ、エレベーター、インターネット、完全冷暖房で、衛星放送で海外のTVが見られる高層マンションは限られていたのも事実です。そのマンションで暮らしたのですが、私の部屋の家主は、一介の巡査でした。彼は私の部屋以外にも複数の部屋を持っていて外国人に貸していました。その家賃収入は警察官の俸給をはるかに上回っていたはずです。

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どうして彼がそんな不動産を所有できたか? それは警察官の役得があったからです。

露天商などの営業許可の発行、交通違反のもみ消し、黒社会への情報提供等、賄賂の材料はどこにでもあります。ひどい話ですが飲酒運転で死亡事故を起こしても、賄賂を警察に納めれば、翌日からまた車を運転できる社会です。

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話は脱線しますが、警官が腐敗しているのは中国だけではありません。米国ではパトロール中の警官がレストランで飲食してもお金を払わないことも多いのです。メキシコでは警官だけには道を訊いてはいけない・・と言われました。ベトナムの警官も賄賂を貰います。

英国の警官は潔癖で有名なので、ロンドンにいた頃、秘書嬢にそれを言うと、顔をしかめて、「ロンドンの警察が潔癖ですって? とんでもない!」と否定されました。

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警察が本当に信用できるのは、日本とシンガポールぐらいかな? いや日本も微妙だ。

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警察官だけではありません。電力会社の人も同じでした。今はかなり改善されましたが、華中地域で電力不足が深刻だったころ、供電局の配電係の人は接待漬けになっていました。電力不足のために突然停電になったりすると工場が止まってしまいます。なんとか我が社の工場だけは、停電対象から外してください・・・と接待と賄賂攻勢です。ロレックスを腕にはめた供電局の担当者は昆山の高級レストラン全てで接待を受け、ある高級店に案内すると、「ああ、またここですか」と言い、高級ワインを飲んでは、「やはり国産よりもフランス製ですね」とつぶやきました。

電力不足の夏が終わり、少し涼しくなると、今度は月餅を配ります。もちろん、月餅の菓子折りの下には別のものが入っていて、「来年の夏もよろしく」となります。

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一つ間違うと、贈賄で捕まるかも知れない、この仕事は中国人幹部に任されていました。もし問題が露見しても日本人に罪が及ばないようにということと、機微にふれるデリケートなやり取りは日本人には無理だったからです。

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これらが悪いことであるのは論を待ちません。しかし、ある種の汚職や賄賂で社会が円滑に回っていたのも事実です。今、綱紀粛正を求める中国社会では贈答用の高級品が全く売れなくなり、景気は悪化し、官僚は李下に冠を正すまいと何も決定しなくなったために、公共事業の停滞が問題化しているそうです。

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話をもとに戻します。中国では、腐敗した役人を貪吏と言いますが、詳しく言えば「貪官汚吏」です。貪官は、強欲でさもしい高級官僚、汚吏は腐敗し賄賂を受け取る小役人です。マンション経営に余念のない巡査などは後者かも知れません。

この上から下までの腐敗の原因は何なのか?

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直接の理由は官僚の志の低さですが、その根底には儒教文化があるのではないか?と私は考えます。 それについては次号で申し上げます。


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【 偽りの燻蒸処理(フューミゲーション) 】 [中国]

【 偽りの燻蒸処理(フューミゲーション) 】

 

日本にヒアリが上陸したということで、マスコミが大きく報道しています。これは確かに困ったことですが、しかし報道の内容をみると本質から少しずれている気もします。

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私がヒアリ(Fire Ant)の存在を聞いたのは、ヒューストンです。もう20年も前のことです。ゴルフ場で「アリに気を付けて!」と言われました。「このあたりにはFire Antがいるから、刺されたら大変ですよ」と言われ、初めて獰悪な毒虫の存在を知りました。

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私が有害昆虫の知識を得たのは、子供の頃に読んだ梅谷先生と安富先生の共著「毒虫の話」ですが、それにはヒアリは載っていませんでした。

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784832601222

まさか、そのヒアリが日本に上陸するとは・・。

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ヒアリの原産地は中南米だそうですが、今や全世界に広がっています。しかし、日本で見つかったヒアリは、中国の華南地方から到着したコンテナにくっついてきた事が明らかになっています。そこでマスコミは中国から危険な昆虫が渡来したというストーリーで報道しています。本当は南米原産なのに、「悪いものは中国から来る」というストーリーの方がセンセーショナルであり、そのストーリーでまとめたかったのでしょう。

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しかし、考えてみればアメリカでは20年以上も前から棲息していたアリが日本にはいなかったのです。それが突然、中国から侵入した・・という事実には何か裏がありそうです。何か中国の南部の港には特別な事情があるのではないか?

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これも今から10年以上前ですが、上海の港の埠頭で日本に出荷するコンテナの確認をしていた時です。同行した中国人女性のスタッフに突然肘を掴まれ「オヒョウさん、下がってください」と強く言われました。「これから燻蒸処理(fumigation)をするので、コンテナの近くにいては危険です」。普段は優しくニコニコしている趙さんがその時だけは厳しい表情でした。

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燻蒸処理は、輸出入の際、防疫のために木製の輪木やパレット、コンテナの内張りのベニヤ板などに行うバルサンジェットみたいな殺虫処理です。日本は中国から輸入するコンテナに燻蒸処理を求めています。対抗上、中国も日本からの輸入物資には燻蒸処理を求めていますが、燻蒸処理がもっぱら意味を持つのは、中国から日本への輸出です。なぜなら有害生物も、熱帯や亜熱帯を持つ中国の方が多いと考えられるからです。

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日本に到着した、積荷の木材パレットには「燻蒸処理済み」という焼き印が押されていますが、なかには、時間が経ってその焼き印がかなり薄れたものがあります。燻蒸処理後時間がたっていれば、効力は薄れており、果たしてどこまで信用できるのか?と不安になりますし、中国のパレットの場合、焼き印があっても真面目に燻蒸処理をしたか、怪しい場合もあります。実際処理をせずに、「燻蒸処理済み」という焼き印だけ押したものも多くありました。

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そして大事なのは、パレットだけでなくコンテナ全体を燻蒸処理しているか否かです。私が立ち会った例は、日系企業の現地工場から日本の親会社への出荷で、まじめにコンテナごとの燻蒸処理をおこなっていましたが、周囲にあった日本向けの他のコンテナは燻蒸処理をする気配はありませんでした。

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中国の輸出業者は「燻蒸処理済み」の焼き印を押したパレットを使うだけで、コンテナ全体は燻蒸処理をしていないのではないか?これは大きな問題です。有害昆虫は木の中に巣くっている場合もありますが、そうでない場合もあります。木材だけを処理するのではなく、コンテナ内の空間全体を処理しなければ不完全だと言えます。

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どうやら、最近になって急に外来有害昆虫が中国から到着しだしたのは、偶然ではなく、中国側の港湾の管理手法に問題があるように思えてなりません。ヒアリは最も獰悪ですが、バラ科の樹木に莫大な損害をもたらすクビアカツヤカミキリムシも大問題です。この害虫の蔓延で日本のサクラ、モモ、ウメなどが全滅する可能性があります。この虫も中国からの渡来で、幼虫が木材の中に潜んで運ばれてきたものと思われます。ちなみに日本のソメイヨシノはちょうど種の交代期で、新しいサクラの種に置き換わるらしいですが、この凶悪なカミキリムシが影響を与える可能性があります。

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ではどうするべきか?

コンテナ全体を大きなビニールテントで覆い、そこに窒素ガスを流して、コンテナ内の虫を全て酸欠死に追い込むのが適当でしょう。 殺虫剤に比べて環境負荷も小さく、後の有毒の化学品が残らないのがメリットです。ただし、殺虫剤に比べて時間がかかりますから、必要なコンテナヤードの面積は広くなります。

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日本へコンテナを輸出する各港にこれを配って、コンテナごとの燻蒸処理をしっかり実施してもらいます。同時に、中国政府を通じて、各港に、日本向けコンテナの燻蒸処理を徹底するよう申し入れる必要があります。場合によっては日本から担当官を派遣して監督させてもいいです。 中国政府は、内政干渉だとか非関税障壁だのと言って嫌がるでしょうし、中国が不衛生で害虫の輸出国だとされる不名誉にも抵抗を示すでしょう。

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しかし事態は深刻で、時間的な余裕もありません。「今、ここで食い止めて欲しい。日本の立場を了解して欲しい」。と言うべきでしょう。

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これに対して中国政府は反論するでしょう。

「ヒアリは中国原産ではなく、我々も外来種のヒアリで被害を受けている。中国を加害者扱いし、日本のヒアリが全て中国から来たように言われるのは迷惑だ。実は我々も日本から侵入してきた外来性の悪者に手を焼いている。それは民主主義の思想で、インターネットを規制したり、民主化指導者を逮捕拘禁したり、いろいろ駆除に力を入れているが、蔓延しつつある。共産党にとってはヒアリよりも民主化の流れの方がよほど厄介で、恐ろしい存在だ。 日本政府には責任を取ってほしいものだ」

習近平なら、そんなことを言うかも知れません。


【 Klein選手と小日本について考える その2 】 [中国]

【 Klein選手と小日本について考える その2 】

 

物理学には、有名なKlein-Nishinaの公式があります。日本の仁科芳雄博士と、スェーデン人の物理学者Klein博士の共同研究です。この方程式は光子と電子の散乱断面積を規定するもので、量子論を導入して、古典論の散乱の式では説明できなかった誤差を解消したものだそうです。具体的な内容については私より、現役で物理を学んでいる私の次男の方が詳しそうです。(私がこれ以上話すとぼろが出ます)。

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この式を発表した時、仁科芳雄博士はドイツのマックスプランク研究所にいましたが、誰も共同研究とは思わず、仁科博士の単独の成果だと思ったそうです。それは日本人の仁科博士が小柄で、まさにクライン仁科だったからです。つまり、愛着を込めて誰かが言った、愛称「小柄な仁科博士」の意味のKlein-Nishinaが、そのまま方程式の名前になったと錯覚されたのです。Klein博士こそいい面の皮です。

(ちなみにこの逸話は朝永振一郎博士の随筆に登場します)。

どうやら、ドイツでは、Kleinには失礼で侮辱的な意味は無いようです。

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では翻って、中国ではどうか?私は西安で大規模な反日デモに遭遇したことがあります。彼らはそれぞれにスローガンを叫びながら通りを行進していきましたが、日本については必ず“小日本”(シャオリーベン)と“小”(シャオ)を付けて呼んでいました。

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そこには、日本への侮蔑と日本を小馬鹿にしたい思いがあります。

(中国に比べて)国土も狭く、人口も少なく、歴史も浅く、大文明を興したこともなく、世界に覇を唱えた訳でもない日本を、「小さきもの」として、中国人としては優越感を持って扱いたい気持ちがうかがえます。

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しかし、私はそこで首をかしげます。 果たして 小(シャオ)という枕詞は侮蔑の意味だけなのだろうか? 

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私は、“小日本”と叫ぶデモ隊の中に、実は日本に親近感を持っている人も混じっているのではないか?と考えました。 中国は昔と違い、海外の情報がふんだんに入ってきます。 政府のプロパガンダや荒唐無稽な抗日ドラマで描かれる日本とは違う現実の日本を知る人も増えているはずです。日本に来る中国人も増えています。

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“小”(シャオ)にはいろいろな意味がありますが、可愛いもの、いじらしいものに対して“小”(シャオ)を付けることがあります。

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愛らしい我が子や、ペットに“小”を付けて呼んでもいいですし、年下のものを可愛がる時にも用います。 例えば職場に、二人の楊さんがいたとします。年長の方の楊さんには、尊敬を込めて老楊(ラオヤン)と呼びます。若い方の楊さんには親しみを込めて小楊(シャオヤン)と呼ぶことがあります。 若干の優越感はあるかも知れませんが、そこには相手を侮辱する悪意はありません。

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隣国である日本に対して、愛着を込めて“小日本”と呼ぶこともあるのではないか?

確かに近代化にいち早く成功したのは日本です。早く豊かになったのも日本で、現時点で、国民の民度も日本の方が高いかも知れません。しかし国土の広さや人口を比べれば、日本の方が“小”なのは事実ですし、“小日本”と呼ばれて、それに目くじらを立てるのもナンセンスかも知れません。

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ドイツ語のKleinに悪い意味が無いように、中国語の“小”も必ずしも悪い意味だけではないでしょう。 日本と中国が本当に仲良くなり、親近感と愛情のみで、日本が“小日本”と呼ばれる日が来ることを期待します。

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では、小の反対の大はどうでしょうか? 中国では“偉大なる”という意味で「大」を付けることはあるそうですが、自分から大を名乗ることはあまり無いようです。

THAAD配備の問題を巡って、中国と韓国の関係がぎくしゃくした時、韓国を揶揄する中国人の発言がネット上にありました。 (多分、大韓民国を指して)、「自分から国名に大を付ける国は、実はたいてい小さい国なのさ」と語っています。 大英帝国も対象になるかも知れません。そしてこれは国名だけではないでしょう。人に対してもそうなのかも知れないと思います。

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ここで自分の事に戻りますが、私自身は、この巨体、そして60歳を超えた年齢ですが、誰も、“大”を付けて呼んではくれません。 当たり前ながら、“大”は人格の問題であり、物理的な身体の大きさや年齢とは必ずしも関係しないからです。

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そして勿論、私自身は、親しみを持たれる存在でもないので、誰もKlein-Halibutとも小オヒョウとは呼んでくれないでしょう。例え、Klein博士とノーベル賞級の発見をしても、私の単独研究とは思われないはずです。 まあ、その可能性は全くありませんが。


【 孟嘗君を探して 】 [中国]

【 孟嘗君を探して 】

中国の戦国策には、いろいろなエピソードが登場しますが、その中で人気があるのは、孟嘗君のエピソードです。そこに登場する彼の才能とは、数多くの「食客」を抱えたことです。何らかの特殊技能を持つものの、それが何の役に立つのやら? という人物ばかりを抱えていました。 しかし、普段は遊んでいる彼らが、一旦緩急あり・・という非常事態になった時、大活躍して主人を窮地から救うのです。

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最も有名なのは「鶏鳴の故事」で、鶏の声をまねるのがうまい、江戸屋猫八みたいな「食各」がいたお陰で、夜は開かない関谷関の関所を通ることができたエピソードです。

余談ですが、最近の大学入試では、学力以外で、何か一芸に秀でた生徒を合格とするAO入試なんてものがありますが、鶏の声帯模写で合格となる大学はあるでしょうかね?

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しかし孟嘗君が凄いのは、その一発芸すら持たない、つまり“無芸大食”の輩を「食客」に抱えていたことです。 私が特に好きなのは、無芸大食の「食客」だった馮諼(日本語での発音は知りませんが、中国ではフェンと発音していましたの故事です。 

ご存知の方も多いでしょうが、彼のエピソードの粗筋を下記します。

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馮諼は仕事もしない居候なのですが、自分の待遇改善を主人の田文(孟嘗君)に訴えます。

彼は自分の長い剣を弾きながら、「長鋏よ帰らん乎。客を遇するに以って魚無し」と言います。つまり「剣よ、帰ろうではないか。ご飯のおかずに魚が無いではないか」と言います。田文がそれを認め、ご馳走を出すと、今度は「外出するのに馬車が無い」と言います。 田文が、これを認めて車を与えると、今度は家族を持つために家が欲しいと訴えます。

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周囲の人々は呆れますが、田文はこれをみとめます。馮諼はそこまでの厚遇を受けても、やはりゴロゴロしているばかりで、仕事をしません。やがて田文が、ある地域に貸し付けたお金を取り立てることになりました。馮諼は「自分が借金取りをする」と手を挙げます。馮諼は馬車を仕立てて借金取りに向かいますが、そこで借金が返せない者からは取立てをせず、借用証を燃やしてしまいます。借金を返してきた者からは受け取りますが、そのお金で酒盛りをし、一緒に使ってしまいました。

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手ぶらで帰ってきた馮諼に田文はさすがに呆れますが、馮諼は「借金を返せない者は実際にお金を持っていないのだから無い袖は振れない。無理に取り立てても恨みを買うだけで、何の得も無い」と答えます。

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やがて、政変が起こり、田文は命の危機にさらされます。都をすぐに脱出して安全な地元に帰らなければならないのですが、脱出するルートがありません。そこでかつて馮諼が借金の取り立てに行って、借金を帳消しにした村を通る事にします。村民は、もろ手を挙げて一行を歓迎し、田文は無事に安全地帯に帰りついた・・という訳です。

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この逸話では、将来を見越して智略を巡らした馮諼がヒーローのようですが、そうではありません。役に立つか分からない多くの食客を抱えた田文つまり孟嘗君の度量の深さがポイントです。 全篇を通して、描かれているのは孟嘗君を讃える内容です。

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実は孟嘗君だけではありません。中国の歴史には、多くの役に立たない「食客」を抱えて、自分の度量を示そうとした豪族が多くいました。 その目的は・・、自分の懐の深さを自慢する・・ということもありますが、つまらない者でも厚遇することで、有能な人材が集まるかも・・という期待です。有名な「隗より始めよ」という言葉もこれに由来します。

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中国だけではありません。日本にも普段は役立たずと思われていた人物が後で大活躍する話はたくさんあります。 「三年寝太郎」はその一つです。

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米国にも、同じような話はあります。 例えば、「あいまい理論」を応用したファジィ制御を確立したザデーはIBMの研究所では異端児で、役立たずと思われていたそうです。 既存の制御理論を追及するだけでは、彼の才能は発揮できなかったのですが、余裕のあるIBMは彼を雇い続け、そして彼は新理論を確立しました。

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翻って、現代の日本を眺めて思うのは、孟嘗君がいないことです。そして「食客」もいません。一見して無駄な人物を抱える事が許されない時代です。 1990年代以降、日本ではリストラという名前の馘首が流行りました。 特に重厚長大産業では、いかに多くの社員を減らすかが、経営者の才能であるかのように喧伝されてきました。

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そこで生き残るのは、その時点で与えられた仕事で、最大限の成果を挙げる人だけです。 しかし、それは将来の変化に柔軟に対応できる能力ではありません。 

実は、無駄飯食らいの「食客」の方が、柔軟性があり、変化に対応できるのですが・・その人材を抱える余裕が無いのです。

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日本は不況下で多くの「食客」を減らした結果、その後の失われた20年を招きました。三菱重工は、ビジネスジェット機MU300の開発に失敗した後、民間航空機の研究開発をリストラしました。 今、ジェット旅客機MRJの開発が難航するのは、そのためかも知れません。 民間機を研究する「食客」をずっと残しておけば、こんなことにならなかったも知れません。 鉄鋼でも革新的な技術が長らく登場しません。 無芸大食の「食客」をリストラしたせいかも知れません。

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今、経済成長や技術開発に勢いがある国は、若い労働人口が多く、人件費が安い国です。 多くの安い労働力の存在は、工業製品の安い製造コストを意味するだけではありません。 多くの「食客」を抱える能力も意味します。

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その観点で世界を眺めると、日本や韓国は難しい状況です。中国も今後、若い人口が急減しますし、優秀な人は海外へ去ってしまうので厳しい状況です。 有望なのはインドや世界中から人を集める米国ぐらいですが、その米国もトランプ大統領の時代になって将来が不透明です。

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私自身について言えば、以前は馮諼の立場で考えていました。 職場の不満、待遇の不満を感じた時、剣を弾いて、「長鋏よ帰らん乎」と言ってみたくなりました。今は微妙に違います。 どちらかと言うと田文(孟嘗君)の気持ちが分かります。

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もっとも、私自身は経営者ではないので、「食客」を抱える人の気持ちは分かりません。しかし仕事をするなら、孟嘗君の下で働きたい・・と思うのです。

私は、60歳で定年を迎えた後、新しい活躍の場を求めて転職を決めました。その際、転職先を選ぶにあたって、その会社の経営者に孟嘗君の雰囲気があるか否か・・を考えました。 自分自身は「食客」になるつもりはありませんし、長鋏も持っていませんが・・・。

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でも、他の人は言うでしょうね。 オヒョウは選ぶ側じゃなくて、選ばれる側じゃなかったのかね? 確かにそうかも知れません。

私の転職の話については、別稿 【人生はトライアウト】に書きたいと思います。


【 無人潜水艇奪取 その2 】 [中国]

【 無人潜水艇奪取 その2 】

 

昔、中国の漢級の原子力潜水艦が日本の領海を侵犯し、海上自衛隊に追いまくられたことがあります。 自衛隊はソノブイなどの探査装置を駆使して、一度も潜水艦を見失わず、一方、潜水艦は難しい海底地形を一度も間違わずに操艦して、日本の領海を脱出しました。 双方あっぱれな実力を示す機会となったのですが、その時、中国側の対応がちょっとした話題になりました。

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中国海軍は問題の海域に水上艦を派遣し、日本のP-3Cが投下した使い捨てのソノブイが沈む前に、せっせと回収して自国に持ち帰ったというのです。ソノブイの中身は海中探査用のソナーと無線通信装置です。それほど高度の機密が入っているものではありませんが、中国にとっては貴重な取得物であり、情報源だったのかも知れません。 この行為は厳密にはドロボウですが、日本側に回収の意図はなく、やがて沈む運命だったので、それを回収しても、文句は言えないですね・・・と元海上自衛官は苦笑いします。

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中国軍はいろいろなところでゴミを漁り、情報を集めています。 航空機の例を考えます。 

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実は歴史上ただ1回だけステルス戦闘機が撃墜されたことがあります。 コソボ紛争の際、米国のF-117が撃墜されたのですが、中国はその残骸を手に入れました。

また、オサマ・ビン・ラディンのパキスタンの屋敷を急襲し、彼を殺害した際、ステルス性能があるヘリコプターが1機不時着して放棄されましたが、この残骸も中国がちゃっかりと入手しています。 それによって、ステルスの技術を習得し、中国はステルス戦闘機J-20を開発したとされています。実際にはそのステルス性能(レーダーに映らない性能)には疑問符がつきますが、いずれにしても過去の米軍兵器の残骸をうまく活用して自分の武器開発に役立てています。

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その手の情報収集は、全ての国家が行っており、中国だけがそういう情報収集手段、(つまり、拾い物や、盗んだ品物から機密情報を漁る方法)をとっているではありません。 しかし、白昼どうどうと、明らかに他人の所有物である装置を横取りする・・という神経は、中国ならではかも知れません。

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そういう強引な行為を可能ならしめるのが、国家の実力だ・・と考えるなら、やはり厚顔無恥のそしりを免れません。 あるいは恥ずべきことと承知で、行っているのかも知れません。でも、あの無人潜水艇にそれほどの価値があるとも思えませんが・・・。

 

今年はやったTVドラマの名前 「逃げるは恥だが役に立つ」をもじって言えば、「拾うは恥だが役に立つ」というところでしょうか?

これを中国語で言えば、どうなるのかな?とくだらないことを考えます。

揀東西是害羞很多 可是有用 でしょうか?

それとも

偸盗東西是害羞很多 可是有用 でしょうか?


【 無人潜水艇奪取 その1 】 [中国]

【 無人潜水艇奪取 その1 】

どうにも理解に苦しむことがあります。いささか旧聞になりますが、なぜ、中国海軍は、公海で調査中だった米軍の無人潜水艇を横取りしたのか?

http://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%80%81%E7%84%A1%E4%BA%BA%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E6%A9%9F%E3%82%92%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%AB%E8%BF%94%E9%82%84%E3%80%81%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%81%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E9%9D%9E%E9%9B%A3%E3%81%AE%E8%AC%8E/ar-BBxqdfj#page=2

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不思議に思うのは以下の点です。

1 重大な軍事機密が、あの小型の潜水装置があるとは、考えにくいこと。

  多分、海の深さ、水温、流速、塩分濃度ぐらいを測定していたのでしょう。

無論、それらは潜水艦の行動には非常に重要な情報ですが、なにも米軍の

測定装置を奪わなくても自分で測定すればいいのです。

2. 誰の目にも国際法違反のドロボウ行為であることが明らかなこと。

  今回、奪取時のビデオ映像は公開されていませんが、まさに米軍の母艦が

回収しようとしたところに中国艦が割り込んできて、あっという間にさらっていったとのこと。

それは事実でしょう。なぜなら、中国当局はこの点について反論していません。

言い訳のできないドロボウ行為を白昼どうどうと行う神経が不可解です。

3. 米国の政権の変わり目の微妙な時を選んでなぜ、こんなセンセーショナルな

行動にでたのか? 米中関係を考えた場合、中国にとって最悪のタイミングです。

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特に問題なのは、3番目です。

米国は大統領交代の時期にあり、外交方針も大きく変わる可能性があります。米国との関係がギクシャクしているなら、それを機会に改善したいと思うのが当然でしょうし、少なくともトランプ次期大統領の方針が明確になるまで様子見・・というのが普通の考えでしょう。

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有能なビジネスマンとされるトランプ氏は、硬軟とりまぜた外交方針、アメとムチを使い分けた政策で、外交交渉に臨む可能性が大です。

中国が為替操作をしていると非難し、南シナ海での中国の暴挙を批判する一方で、新しい駐中国大使には習氏の老朋友をあてるという配慮もします。台湾の総統と電話会議して、「一つの中国論に縛られる必要はない」と喋る一方で、それは中国との外交交渉でのカードであることを匂わせています。 交渉を有利にするなら、親中か反中かを最初から明確にしない方がいいのです。

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そしてトランプ氏は僅差で大統領選挙に勝ったものの、米国民全体の支持と取り付けたとはとても言えない状況です。そういう時は、相手の出方を見るのが中国流です。外交方針が明確に見えてから、行動するなり、意見表明すればいいのです。

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然るに、今回は中国側が誰の目にも明らかな不法行為を行ったために、トランプは中国批判に回るしかありません。怒りまくった様子をネットに公開し、多くの米国民もそれを支持して団結し、トランプの支持率とともに対中国強行論者の支持率が上がります。

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ヒラリー・クリントンが当選していたら、中国のロビイングが奏功するかも知れませんが、トランプではそうはいきません。全く大事な時に余計なことをしてくれたものだ・・と北京の中国外交部は思ったに違いありません。 中国の報道官は、「落ちていたものを拾ったら、誰でも中身をあらためるではないか? これは当然のことをしただけだ」と説明しますが、そんな理屈が通るとは、彼女自身も思っていないでしょう。こんな無理筋の抗弁をせざるを得ないのは、後ろめたさを感じている証拠です。

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問題の無人潜水艇は、極短期間で米国に返還されました。 米国の反応が予想以上なので慌てて返すことにしたのは明らかですが、ほんの2日では分解して中のデータを解析することはできなかったでしょう。多分、露出した各種センサー類からどの情報を収集していたかを確認しただけでしょう。

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実はこの問題の本質は、潜水艇の情報ではなく、中国の人民解放軍の指揮系統がどうなっているかです。前述の通り、最悪のタイミングで暴挙に出た訳ですが、報道官の苦しい説明から察するに、政府の外交部や共産党の中央政治局は、潜水艇奪取の命令を出さず、その報告も事後報告だったのではないか?ということです。

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これこそが最大の問題であり、憂慮すべき事柄です。中国の人民解放軍は国軍ではなく共産党隷下の組織です。そのためかある種の独立性と発言力を持ちます。微妙なのは国家主席の交代時です。全ての権限を禅譲したはずなのに、前の為政者が人民解放軍の指揮権だけはなかなか手放さないということがあります。権力争いが生じた際、人民解放軍がキャスティングボードを握ることもあります。

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習国家主席も人民解放軍の指揮権を手にしてやっと権力を掌握した形になりました。その事は、逆説で言えば、共産党の中央政府が軍におもねる可能性もあるということです。それをうかがわせる事情があります。今中国のGDPの伸びは鈍化しつつあり、6%程度の安定成長に移行しつつありますが、軍事費の伸びは、それと乖離して10数%と、大きく突出しています。多分、軍のご機嫌をとらなければならないのです。 そういう状態が続くと、やがて軍隊が暴走する可能性があります。

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既に20世紀に世界はその悪夢を経験しています。日本で言えば、政府方針に反して、大陸での戦争を拡大した関東軍、統帥権の干犯という屁理屈で組閣を妨害した陸軍が存在しました。中国だって中華民国の時代、軍閥が割拠して統制がとれない状態が続きました。

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軍事政権がいけないのではありません。軍人が首班でもいいのです。問題は文官が内閣の首班だったり大統領の時に、配下の軍人達が勝手な行動を起こすことです。その場合、独断専行を行う軍人はしばしば全体を見渡せず近視眼的に行動するのです。

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それに加えて中国固有の問題があります。組織内の命令指揮系統が不明確だったり上意下達が徹底できないことがあるのです。かつて中越戦争で中国人民解放軍がベトナムに攻め込んだ際、勢力では圧倒的に優っていたのに敗北した理由は指揮系統がはっきりしていなかったためとも言われています。現場がかってなことをして、偶発的に紛争が始まり、大戦争に発展することを恐れます。盧溝橋事件もそのひとつか?

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指揮系統の乱れを危惧させる例としてレーダーロックオン事件があります。中国軍の艦艇や航空機が、自衛隊機に対してレーダーを照射しロックオンした事件は、最終的に誰が命令したか不明です。 現場の勝手な判断によるものかも知れません。国際慣行としてレーダーロックオンは明確な敵対行為であり、反撃の理由となることを、末端の将校や下士官が知らずに行った可能性があります。

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最近、宮古島の沖の上空を通過する中国軍機が自衛隊機に妨害弾を発射されて、迷惑したという抗議が中国外交部から来ましたが、これもロックオンに対して、自動的に(または手動で)フレアダミーを放出したものではないか?と言われています。

https://trafficnews.jp/post/61361/

(真相は藪の中ですが)。 フレアダミーは熱戦追尾型ミサイルの追撃をかわすために放出する花火ですが、もしそうなら、これも中国軍機が不用意にレーダーを照射したことに起因するもので、責任は無知な中国機の乗組員側にあることになります。

(中国は認めないでしょうが・・・)。

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そもそも、妨害弾・・とは何か? 多分フレアのことでしょうが、軍事用語に疎い外交部の報道官が軍から届いた連絡をよく理解しないまま、日本への抗議として発表しているのでしょう。 

日本と中国には、偶発的な衝突を避けるためのホットラインがまだありません。しかし、中国の場合、自国の政府と軍の意思疎通ができていないのなら、何をかいわんや・・というところです。

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しかし、今回の事件は中国海軍の現場の統制や意思疎通の問題ではない・・という意見もあります。 それについては次号で管見を申し上げます。


【 二松學舍への道 】 [中国]

【 二松學舍への道 】

先日、東京でSさん、Tさん、Oさんの3人と会食する機会がありました。イニシャルばかりでは、何もわかりませんが、SさんとTさんは先日呉に来られて、朝鮮通信使の記念館を観た後、一緒に痛飲した、あの中国語の達人です。

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この日は、彼らの後輩である、女性のOさんも同席しています。そしてまだ酔わない内から、Sさんが、漢詩を詠んで、紙に書き始めました。ブログに掲載せよとのお達しでもあり、以下にしたためます。

身在石庫門 身体は石庫門に在り

心思呉広坂 心は思う、呉、広、坂

回頭来千里 こうべを回らせれば千里を来たり

何日上西天 いつの日か、西天に上らん

その場にいなかった人には、なにやらわからない漢詩なので、無粋を承知で以下に解説します。

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身は××に在り・・というのはSさんの漢詩の常套句らしく、大抵はそこから始まって、心は別のところにある・・という形をとるそうです。

ちなみに、石庫門とは4人が集った神田のお店です。辛い中華料理を4人とも好きなのです。

心は思う呉、広、坂とは、中国の呉の国ではなく、広島県の呉線の沿線の街です。なぜか、一文字の街が多いのです。つまり先日の広島旅行を懐かしんでいるのです。思い返せば、長い旅をしたもので、数千里に及ぶ。いつの日かあの世に旅立つことになるだろう。という意味です。

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無粋を承知で言えば、仏教では西方浄土と言いますから、西天に上るとは天国に行くことを意味するようです。

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その詩を眺めたTさんは、なにやらブツブツとつぶやき、「ちゃんと韻を踏んでいる。大したものだ」「しかし平仄の方は分からない」と語ります。

現代中国語(普通語)の発音で読んで、ちゃんと韻を踏んでいるし、文脈も対になっているということで、漢詩としては上出来なのだそうです。

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Tさんは現代中国語を学ばれた訳だけれども、古典にもお詳しいようです。その点を疑問に思って尋ねると「いい漢詩は現代語の発音でも美しく響くのですよ」との説明です。 実はその点がひっかかるのです。

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中国語を知らない日本人が漢詩を作ろうとすると、押韻だの平仄だのという決まり事を逐一確認せねばなりません。本来の抒情叙景から離れて、一種の知的パズルをするようなものです。ちなみに私オヒョウは、林古渓先生の平仄辞典を使います。これは漢詩に登場する漢字を列挙し、それぞれについて、意味、発音、それに平音か仄音かを示した辞書です。

IMG_0882.JPG

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つまり、最初に出鱈目に・・というより日本語の書き下し文の感覚で漢字を並べてから、それぞれの漢字が、許される位置にあるかを確認して、規則から外れるなら、別の漢字を探す・・という手順を踏むのです。これにはパズルを解くような知的な面白さはありますが、本来の詩作とは遠い活動です。

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しかし、平仄の平音とはイントネーションが平な音であり、仄音とは起伏がある音です。それなら現代中国語の四声を知っている人には、ほとんど抵抗なく詩作できることになります。

「そうか、現代中国語を理解していれば漢詩も作れるのか!」

SさんもTさんも、敢えて現代中国語と古典(つまり漢文)を分けて考えるのはナンセンスと思っておられるようです。

「石川忠久先生が、現代中国語の発音で漢詩を読まれたCDがあるのですが、それは美しい発音でしたよ」・・とTさん。

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私は平仄辞典の他に、唐詩選や宋詩選から、名句を選んで収蔵した漢詩名句辞典も参考にします。鎌田正先生と米山寅太郎先生の辞書です。しかし、先人の作品から文句を流用するのでは、文法的には正しくても、オリジナリティに欠ける、継ぎはぎ作品になってしまいます。

 IMG_0883.JPG

だから漢詩を作るのは、私にはかなり敷居の高い作業になりますが、仕方ありません。

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Tさんの話は続きます。「人口に膾炙した『春眠暁を覚えず・・』だって、解釈の仕方で意味は変化します。日本人の解釈と中国人の解釈は違って当然です。日本人の新しい解釈では『春眠暁を覚えず』を、もう宮仕えを辞めて、自由人になった人の心境と理解します。『花落つること多少(いくばく)ぞ』だって、(多少)に疑問文の意味があるのを知ると知らないとでは解釈が異なります。現代中国語を知る中国人は、『多少』の意味を知っており、それに則って理解します」

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「うーむ、さすが東京外大の中国語科だ。中国の古典への理解も深くてらっしゃる」と感心すると、「いやー、僕らの時代は全く勉強しなかった。ストライキとピケとロックアウトだからね。大学では勉強できなかった。今言った知識は、今通っている二松學舍大学の社会人講座で習ったことさ」

そう言えば、TさんもSさんも現役を引退して悠悠自適の立場です。

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「二松學舍というと、九段下ですよね?」「いや、僕の場合は柏キャンパスだ」

唐突に私は、名脇役だった米倉斉加年を思い出しました。 コミカルな役からシリアスな役まで幅広くこなし、かつ画家としても一流だった米倉は、どの学校を卒業したのかな?と考えたことがあります。 彼は二松學舍大学の卒業でした。役者で絵描きで漢文の素養があったとは、まさにマルチタレントです。

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マルチタレントと言えば、和、英、漢の文化・文学に通暁していた夏目漱石こそ、マルチタレントの元祖ですが、漢学については大学予備門に入る前に二松學舍で学んでいます。 彼の教養の基礎はこの学校で身に着けていたのです。

・・・・・・

私はボンヤリと、「僕も本当に仕事をリタイヤしたら、二松學舍の社会人講座で漢詩を勉強したいな・・」と考えました。Tさんが実に羨ましく思えます。

若い頃から、仕事で行き詰ったり、嫌な思いをした時、一種の逃避として大学に帰りたい・・と思ったことがあります。今でもその思いに駆られることはありますし、改めて勉強しなおしたい事柄もあります。 でも、もはや私の知能では大学入試をパスするのは無理でしょう。 しかしリタイヤした後の社会人向けの講座ならなんとかなるかも知れません。 鹿島から通えるか・・どうかが問題ですが。

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一方、女性のOさんは漢詩に興味がないのか、会話に参加しません。彼女は大好きな台湾を旅行することを考えているみたいです。無論、SさんもTさんも台湾通です。

みんなで呉と瀬戸内海を旅行するという提案は、私が呉にいる間には実現しないようですが、台湾旅行の方は実現するかも知れません。

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LCCもありますから、台湾旅行も簡単で便利になりましたね。 次回はオヒョウさんも台湾に行かれてはどうですか?」

うーむ、台湾に行きたいのは、やまやまだけど、今度、私は勤務先と仕事の内容が変わりそうです。 新しい仕事に就けば、当面は死に物狂いで仕事に集中して覚えなければなりません。 とても、海外旅行に行く時間的・精神的な余裕はなさそうです。(金銭的な余裕もあまり自信がありません)。

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そして考えてみれば、私のリタイヤも相当先になりそうです。台湾も、二松學舍大学もかなり先の夢・・のようです。だから当分、私の漢詩は、下手くそなままになりそうです。


【 在陋巷酒家 下町の居酒屋にて 】 [中国]

【 在陋巷酒家 】

最近、お酒を飲むと、漢詩のまがい物を作りたくなります。以前は酔っぱらうと、無性に俳句を詠みたくなったのですが、少し趣味が変わりました。思いの丈を、17文字に濃縮する作業の煩わしさに、私の脳みそが堪えられなくなったのかも知れません。

しかし、俳句の場合、季語辞典がなくても、季語は普通に織り込めますが、漢詩の場合はそうはいきません。韻を踏むルールと平仄合わせには、必ず辞典が必要です。都内の古書店で求めたその平仄辞典を鹿島に置いてきた私は、漢詩のまがい物を作るしかありません。

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ところで、少し前の弊ブログ【 秋霖の瀬戸内海半日行 】

http://halibut.blog.so-net.ne.jp/で触れた、Fさんの海外赴任に合わせて、Sさん、Oさん、Tさんに集まってもらい、送別会を開こうと考えたのですが、どうも日程が合わないようです。 無論、責任は多忙な諸氏にある訳ではなく、月に一回しか上京しない私がネックになっている訳で、はなはだ責任を感じる次第です。こうなれば、Fさん抜きで、SさんTさんと、男たちだけで、酒盛りをするしかない・・と思います。

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そうなると、宴席の一興でFさんを送る漢詩を共同で作ることも難しいようです。

仕方ないので、再び酔った自分が挑戦します。あまり壮行の歌になっていませんが。

在陋巷酒家   下町の居酒屋にて

風渡天陋巷秋殺 風、天を渡りて、陋巷を秋殺す

酒家上銀漢無声 酒家の上、銀漢声無し

聞道君去玉山南 聞くならく、君去るや玉山の南

南溟始処北辰斜 南溟始まるところ、北辰斜めなるべし

明年重陽何処在 明年の重陽、いずこに在りや?

勧君登高楼望月 君に勧む、高楼に登りて月を望むことを

更努看寿老人星 更に努めて看るべしカノープスの星

在東都不能看此 東都にありては此れを見ること能わざればなり

くだらない自分の詩を解説するのも愚かですが、説明しないと意味不明な部分があるので以下に蛇足を記します。

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ご記憶の方もおられるかも知れませんが、以前の弊ブログ【布良(めら)星】

http://halibut.blog.so-net.ne.jp/2016-06-09-1

で南の星カノープスについて紹介いたしました。これは日本の本州では南の海岸で冬の季節にかろうじて見える極度に明るい一等星です。

日本では、水平線の高さにかろうじて見えるのだとしても、台湾の高雄では、もっと高い位置に見えます。ご承知の通り、北回帰線はちょうど台湾の中央付近を通過します。下記のブログでは1月の高雄でもカノープスが見えたとのことです。 へえ、そうなのか・・。

http://www.nandra.jp/2010/01/post-0565.html

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そこで、台湾に行ったことのない私は、シンガポールのことを考えました。

日本で水平線に見える星は、赤道直下のシンガポールでは、日本の緯度の分の高度で見えるはずです。

私は数日間シンガポールに滞在したことがあるのですが、見た記憶がありません。昼間、仕事で忙しく、夜は報告書作成で夜空を見る余裕もなかったのです。

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もし秋の重陽の節句の頃にカノープスが見られるとしても、カノープスの高度は低く、台湾でも高楼に上って見ることをお勧めすべきかも知れません。

そしてカノープスは中国では長寿の象徴で、おめでたい星です。一説には寿老人や福禄寿の象徴である星だとのこと。 しかし、それは大陸中国の感覚であり、台湾でどうかは分かりません。

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ああ、それにしても、比較するのも畏れ多いのですが、李白は酒に酔えば酔うほど、詩が心から湧き上がってきたとのことですが、私は酔ってもさっぱり詩作が進みません。妙な天体のことが気になったりします。

もっとも、李白だって水面に映る月を取ろうとして飛び込んで水死したとのことですから、彼も天体に興味を持っていたはずですが。


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