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【 転失気 について考える その2 】 [医学]

【 転失気 について考える その2 】

 

看護師は「気分はどうですか?」と尋ね、「そうですか。ガスは出ませんか。後半は体内に吸収されやすいガスにしましたので、やがて吸収され、張りは解消するかも知れません」とのことです。 

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ガスによって吸収度合いが違うのは、体液への溶解度の差なのか、気体分子の粘膜の透過率の差なのか・・ちょっと気になります。ではこの場合のガスの吸収はヘンリー則に則るのかラウール則に則るのか・・・と、その昔学んだ化学を思い出します。

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製鉄所にいた頃、溶鋼の水素の吸収についてヘンリー則を適用して計算したら、東北大の院を出た新人スタッフに「違いますよ。ヘンリーの法則ではなく、この場合はジーベルツの法則を適用します。オヒョウさんは金属学を専攻した訳でもないのに知ったかぶりをしないでください」とたしなめられました。苦い記憶ですが、インテリにやり込められて、なんだか寅さんになった気持ちでした。

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それにしても、腸の吸収が効率的なら、これを有効活用できないものか?とおなかを撫でながら考えます。通常は経口投与されている薬でも、経腸投与することで、メリットが出るのではないか? 例えば硫酸アトロピンを座薬にできないか?

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私は呉の座禅道場の会話を思い出します。座禅道場では、眼科の専門医のお二人に、散瞳剤であるアトロピンの作用機序について、少し教わりました。アトロピンは眼科では主に点眼薬か軟膏だそうです。

しかしムスカリン受容体に拮抗する薬として考えた場合、アトロピンは眼科だけの薬ではありません。有機リン系の毒薬(サリン等)の解毒剤になりますし、消化器官の痙攣や運動亢進や消化液の分泌過多の抑制にも使われます。それらの場合は、注射か経口投与だそうです。 それならアトロピンを経腸投与する方法もあるのではないか?腸で吸収されれば、作用は迅速に現れるだろうし、必要最小限の量で済むなら副作用も限定的だ・・。 妄想は続きます。

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じっとしていると、荒唐無稽なことばかり考えてしまうのは私の悪いくせです。そしてもうひとつの悪い癖は、専門家(特に医師)に対して、つい知ったかぶりで、知識をひけらかしてしまうところです。そう言えば、くだんの広島の眼科の先生方にも、いろいろな話をぶつけて、ご迷惑をかけてしまったなぁ。大いに反省しなくては・・・・。

しかし、それにしても医師に対して雑学をひけらかすというのは、潜在的に何らかの対抗意識を持っているからなのかなぁ? それとも一般的にインテリに対する反発やコンプレックスがあるのかなぁ。そうすると、これはフーテンの寅さんと同じです。寅さんが恋敵の医者に言った「てめぇ、さしずめインテリだな?」というセリフを思い出します。やれやれ、私は、検査中はゾウになった気分でしたが、検査を終えた後は、トラさんになった気分です。

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そこまで考えたところで、私のお尻から、一発、おなら、もとい転失気がでました。雷鳴というほどの大音量ではありませんが。 私はその瞬間、誹風柳多留のもう一つの川柳を思い出しました。 

「屁をひれど、おかしくもなし 独り者」

どうやら私には俳句よりも川柳の方が向いているかも知れません。

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あ、ところで余談ですが、私の大腸検査の結果は問題なく、健康体でした。素人の私が観てもきれいなおなかの中でした。

実際、オヒョウくらい、腹黒さと無縁の男はいないのです。


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