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【 ツキノワグマをどうするか? 】 [雑学]

【 ツキノワグマをどうするか? 】

秋田県など東北地方で、ツキノワグマに遭遇した人が亡くなったり、大怪我をするという痛ましい事件というか事故が続出しています。毎年、クマによる事件・事故はありますが、今年は特に多いようです。これはどうしてか?

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例年、ツキノワグマが多く目撃されるのは、冬眠前の晩秋の頃です。冬眠に備えて、栄養を取らなければならないのに、ドングリなどが不作だと、仕方なしに人里に下りてきて、畑の作物を狙ったりするのですが、そこで目撃されます。

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しかし、今の時期は、クマは山にいて、特にメスグマは子育てに忙しいはずです。それなのに、人とクマが出くわすのは、人間の方が、タケノコ取りや山菜取りの為に、山間(やまあい)に入りこむからです。 そういうと、まるでクマの領分に入り込む人間が悪いようですが、そうではありません。 人には山に立ち入る権利があります。

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ケニアのセレンゲッティじゃあるまいし、東北地方の山間部にクマのためのサンクチュアリを設ける訳にはいきません。 それにしても、どうして最近多くの人が山に入るのか?と言えば、一種の山菜ブームが背景にありそうです。 昔から山菜はおいしい食べ物として珍重されてきましたが、最近「道の駅」などで、簡単に販売でき、現金収入を得られるのが年金生活者たちには魅力なのです。

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そういう風に議論を展開すると、「では道の駅がクマによる災害事故の原因なのか?」とか、「日本の年金制度が貧弱であることが、原因なのか?」と議論が飛躍してしまいます。時々、こういうトンチンカンな結論に導いてしまうのが、オヒョウの欠点でして、ブログだけでなく、会社の会議でもミスリードすることがあります(反省)。

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人間側の事情はともかく、クマの被害を何とか無くさなくてはなりません。少なくとも、人が怪我をしたり亡くなるという事態はなんとしても防がなくてはなりません。

そこで私が考えるとは、棲息するクマの全数管理の実施です。これは絶滅危惧種のような希少な動物に取られている調査方法ですが、本州にいるツキノワグマ全数を一度捕らえ、一頭一頭に小型のGPS発信器を取り付けて、どのクマがどこにいるのかを、把握できるようにするのです。

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昔からビーコン信号を発信して、居所の方角を知らせる発信器はありました。 よく研究者が八木アンテナを回しながら、発信器を取り付けた個体を追いかける場面がTV番組などにありましたが、これは旧式の方法です。 現代なら、GPSで正確な位置情報を得ると同時に体温や心拍数、呼吸数などを、人工衛星経由で送信できます。つまりテレメーター管理が可能なのです。 本州でツキノワグマを見つけ次第、麻酔銃で眠らせ、発信器を取り付ける作業を一斉に行えばいいのです。そして毎年春先に子熊が生まれれば、新たに発信器の取り付けを行うのです。

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ちょうど奈良のシカの角の切り落としが秋の風物詩になったように、春先の子熊の捕獲と発信器の取り付けが風物詩になるぐらい徹底すれば、やがて全個体が把握できます。 そうすれば、常時、クマの居所がモニターされるので、人間の方に警報を鳴らして、危険地帯から離れるように促せばいいのです。

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そうしなければ、やがて人々はツキノワグマの駆除・射殺の方法でしかこの問題を解決できなくなります。そうすれば、そう遠くない将来、ツキノワグマは絶滅します。かつて九州でツキノワグマが絶滅したみたいに・・・。

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ツキノワグマよりはるかに凶暴なホッキョクグマの通り道になっているカナダの町の話をTVで見たことがあります。カナダのハドソン湾に面したその町では季節になるとクマに怯える生活が待っています。またある町では、ホッキョクグマを捕獲して、町から遠く離れた地点まで運んで、そこで開放するそうです。 ホッキョクグマは地球温暖化の影響もあって、絶滅が危惧される種だからです。

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日本でその方法を取ろうにも、狭い日本ではるか遠隔地まで運んで開放するなんてことは難しい訳です。隣の県や県境で開放する・・という訳にもなかなか行きません。だから、一度、発信器(自動巻き)を取り付けた個体については、捕獲せず、自由に行動させ、人間側が退避するしかないのです。

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そして面白い・・というと不謹慎ですが、クマも個体によって、その凶暴さが違うみたいです。一度、人を襲い、人間を食べ物だと考えたクマは論外で射殺するしかありませんが、なかには、人を襲わない無害なクマもいるそうです。

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実は、私の次男が通う仙台の大学にはクマが出ます。特に理学部の物理学科の校舎の付近に出没するそうで、大学では有名な存在だそうです。 なんでも、大学院に残って、一所懸命研究したけれども、結局博士号がとれなかった気の毒な研究者だったか、希望したのに大学院に進めなかった学生の魂が、ツキノワグマになって、大学のキャンパスをさまよっているのだとか・・。 そう考えると、クマがいじらしく思えます。

大学当局は、いろいろ調査した結果、目撃例が多く、人と多く接触しているが、向こうが逃げ出し、人を襲ったり危害を加える様子はないことから、これは無害で安全なクマであると判断し、駆除しない方針にしたのだとか・・。でも学生は怖いでしょうね。

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私が大学の当局者だったら、GPS発信器を取り付ける第一号にして、そのクマの青葉山界隈の行動を常時監視すると同時に大学の学生たちにも情報を提供して両者の安全を図るのですが。 案外、学生よりクマの方よほど熱心に学校に通っていたりして・・・。

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話を本題に戻しますが、これ以上クマの被害が増えれば、やがてクマを見つけ次第射殺するという事態になります。 野生の猛獣と人が上手に共存する知恵を、日本列島に住む我々は持っていないからです。

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そして予想されるのは、繰り返しになりますが、本州でのツキノワグマの絶滅です。 これも繰り返しになりますが、既に九州ではツキノワグマは絶滅したのです。

おっと、失礼、1頭だけ残っていました。 あの熊本のクマモンがいました。


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