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【 超高齢者の怪しげな消息 その2 】 [雑学]

【 超高齢者の怪しげな消息 その2 】 

高齢者が、常に周囲の人たちとつながりをもち、地域の一員として見守られながら、最後を迎えるというのは大事な事で、政治の課題あるいは福祉の課題といえます。

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しかし、家族を持つべきか否か、ひとりでいたいかどうか・・というのは別の話で、優れて個人的な問題です。 周囲が干渉すべき問題ではありません。

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実はオヒョウの周辺の50代以上の方には、自らの選択として、単身の生活を選んだ人がたくさんいます。このブログに登場する人物にも50代の独身者が大勢います。

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某女医さんは、「いわゆる適齢期の頃、博士論文の研究と専門分野を学ぶのに忙しくて、結婚する暇が無かった」と語ります。 博士論文どころか、まともな論文を一編も書かず、結婚だけはして、馬齢を重ねているオヒョウとしては返答に困ります。しかし彼女に限らず、このブログに登場する独身の皆さんは、家庭はなくても、それに代わる貴重な何かを持っています。地域社会または仕事の世界での濃密な人間関係と存在感、または人生の拠り所となる生涯の仕事や専門知識といったものです。

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だから、将来、晩年を迎えたとしても彼ら彼女らが寂しさを感じる必要はありません。それに対して、行政がいらぬお節介をするのは、ちょっと変です。政府は、50歳以上の未婚者を、生涯非婚者とか生涯未婚者と呼んで、その増加をゆゆしき問題としているようですが、余計な事です。

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非婚だとか未婚だとか既婚だという区別が、意味を持たない時代がもうじきやってきます。 行政は生涯未婚率(非婚率)の増加と出生率の低下をリンクして考えているようですが、両者の相関は薄くなっていくでしょう。

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昔、パリのKさんに電話した時、秘書嬢がお休みなので「彼女はどうしたのです?」と尋ねると、出産休暇に入ったとの事。「え?彼女はマドモアゼルだったはずでは?」 「何を言っているのですか。オヒョウさん。今は独身だって子供を産んで育てる時代ですよ。日本だって、いずれそうなりますよ・・・」

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繰り返しますが、結婚するかしないかは、政府が干渉する事ではありません。 かつて日本の農村社会では、盆踊りなどが一種の集団見合の機会となり、また世話好きの人たちが、独身者に配偶者の候補を斡旋してくれました。今でも見合い結婚は合理的なシステムとして存在します。

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その結果、非婚率は低く抑えられましたが、これは本人達を幸福にするためのシステムではありません。 家を守り、農地を守り、お墓を守るための跡取りを残す事が至上命題であった儒教社会の名残です。

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今、若い人が結婚する事と、家や農地を守る事、さらに少子化を防ぐ事は、別の問題と考えるべきです。新潟の山間地では、若い人が結婚しても農業は継がず、耕作放棄地は増加する一方です。

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それと同様に、独居老人増加の問題は、生涯非婚(未婚)の問題とは分けて考えるべきで、医療や犯罪防止の観点から、行政はアプローチすべきです。

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具体的には、プライバシー保護の観点から、取り組みに限界がある、今の民生委員の権限を大幅に強化し、警察と同じ様に家に入れる様にすべきです。同時にボランティア精神に頼っている民生委員への報酬を増やすべきでしょう。

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プライバシーの保護や、個人情報の管理はどうするのだ?という問題もありますが、多少制限するしかありません。現在の独居老人や孤独死の問題を憂うる人達は「昔はこんなことは無かった。昔はもっと良かった」という下降史観の持ち主です。それなら昔は今ほどプライバシーを尊重していなかったから、それでもいいではないですか・・・と言うしかありません。

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かくいうオヒョウの老後はどうか?といえば、見当もつきません。でも、多分、孤独ではないでしょう。 友人がことごとく世を去ってしまう100歳以上の年齢まで生きている可能性もないでしょうし。

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ただ、矛盾しているようですが、この世を去る時は、人に知られずに死にたい・・という気持ちもあります。 誰も最後を看取らず「そう言えば最近、『笑うオヒョウ』は更新されないねぇ」などと言って、そのうちに忘れられ、やがて野ざらしになる事に憧れる時もあるのです。

種田山頭火や尾崎放哉の本を読んだ後などですが。


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