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【 とき347号への不満 】 [鉄道]

【 とき347号への不満 】

 オヒョウが時々、利用する電車に、上越新幹線 の下り電車とき347号があります。これは、夜20時12分に東京駅を出発し、越後湯沢に21時21分に到着する特急で、車両には、1階建ての200系を用いています。東京発車後、大宮に停るだけで、上野にも高崎にも停らない、最短時間の電車なのです。

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接続するはくたか26号も、十日町には停車せず、越後湯沢の次に停るのは直江津で22時16分です。つまり、直江津の人が利用するには最も都合のいい電車です。

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しかし東京駅での乗車の際いつも慌ただしい思いをするのが欠点です。 先日の話です。とき347号の乗車しようとホームに上がると、発車まで15分もあるのに、既に電車は入線していました。

しかし、寒風のふきすさぶホームで乗客は電車に入れずにいます。車内では清掃員が椅子の向きを変え、ゴミを回収し、椅子のカバーの交換を行っています。この電車は上り電車の折り返し運転なので、ホーム上でこの作業を行い、その間、乗客は入れないのです。

作業をよくみると、1車両あたり2人の作業員が清掃していますが、かなり年配の方らしく、作業はあまりテキパキという感じではありません。10分以上かかっています。

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寒い外では乗客が待っていますが、作業はゆっくりゆっくり進みます。

そしてようやく発車2分前になって、ドアが開き、清掃作業員が降りてきて点呼をします。その確認がとれてから、やっと乗客の乗車開始です。でも、もう発車まで90秒しかありません。

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ホームのアナウンスは、

「たいへん長らくお待たせしました」と言う一方で、

「発車までお時間がありませんので、順順に中にお進みください」と言います。

( さんざん寒い中を待たせておいて、今度は乗客に急げというのか?)

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さらに車内に入ると、

「発車まぎわの駆け込み乗車は大変危険ですので・・・」というアナウンスです。

(発車直前まで扉を開けなかったくせによく言うよ)。

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ドアが開くと同時に一斉に乗り込んだ乗客が、まだ完全に席につく前に電車は走りだしました。

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オヒョウは外で長時間待たされる事は問題ではないと思います。それは、乗客の勝手だからです。嫌なら待合室で待てばいいのです。しかし、お年寄りもいて、子供もいて、大きな荷物を持った人もいる乗客に対して、始発駅での乗車時間が90秒しかない・・というのはおかしな話であり、危険な話です。

(途中停車駅はまた別ですが)。

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200系の新幹線の普通車の場合、乗客定員は95人です。これは単通路の小型のジェット旅客機と同じ規模です。そして旅客機の場合は、非常脱出口も含めて出入口の半数を使って全員が90秒以内に脱出できることが安全性の条件になっています(いわゆる90秒ルール)。小型旅客機の脱出口は全部で6箇所ですから、その半分3箇所で100人が脱出するのに90秒以内という前提です。一方新幹線の出入口は、1車両あたり2箇所、それに対して95人で、こちらは荷物も持っています。

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東京駅の乗車時間1分半はちょっと無茶ではないか?ではどうしてこんな事になっているのか?そしてどうすればいいのか?

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一番の問題はホームの不足と各列車のホーム占有時間の不足です。東北・上越新幹線ホームは、東北、秋田、山形、上越、長野の5本の新幹線が始発・終着駅として使用します。 ホームが全く足りません。大宮=東京間のダイヤも完全に飽和状態ですが、ホーム不足はより深刻です。 更に東北新幹線は新青森まで延び、長野新幹線は北陸新幹線になります。ますます、ホームの混雑は激しくなります。

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鉄道事業で、価値を生産するのは、あくまでお客を乗せて走行している時間です。 さらに言えば、お客が乗車している時間のみが、価値を産む時間です。 さすれば、価値を生まない車両清掃作業は時間を短縮するか、別の場所で行うべきです。製造業では価値を生まない作業は、オフラインで行うのが鉄則であり、俗に「外段取り」と言います。清掃作業も外段取り化が適当です。

だから、折り返し運転をあきらめ、車内清掃は車両基地で行うべきです。しかし、車両基地が近くには無いので、上野駅の待避線を利用する・・といった方法が現実的かも知れません。

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もう一つの効率化は、清掃作業時間の短縮です。1両を2名で行うのではなく、3名で行えば、単純に考えて所要時間は2/3になり、3分程度が節約できます。現在1.分半の乗車時間が4分半に増えるのですから、それだけでもお客は大助かりです。仕事をする人のギャラを詮索するのは下品な事ですが、清掃作業員の時給を考えた場合、2名を3名に増やしても、1回あたりのコスト増は、100200円程度。95人の乗客で割れば、乗客一人当たり12円程度です。 

それによって乗車開始時間が3分早くなり、早く暖かい車内に焦らずに乗車できるなら、人々はそれを選びます。

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他にも、この清掃作業の時間短縮手段は、数多くあります。

・例えば、座席の背もたれの向きの変更を、電動で一斉に行う事。背もたれを人が倒す作業にかかる時間を節約できます。

・お掃除ロボットを活用すること。 ロボット清掃は、電車の中など、空間の形が予め明確で、障害物の配置も規則的な場合、特に有用です。これで作業時間を相当短縮できます。

・座席背もたれの白いカバーを交換しないこと。これで作業時間を相当短縮できます。

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でも一番の対策は新幹線の東京駅への一極集中をやめ、東日本の新幹線であれば上野駅発着列車を増やし、西日本からの新幹線であれば、品川駅発着の列車を増やして、東京駅の負荷を軽くする事です。空港でも羽田集中が今後さらに加速しますが、ここは思い切って分散化という発想の転換が必要だと、オヒョウは考えます。


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