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【 鷹を見る 】 [雑学]

【 鷹を見る 】 

お正月に、次男を連れて車でスキーに行った時の事です。助手席の次男が、突然言いました。

「お父さん、鷹が見える」

しかし、高速道路を運転している私はよそ見できません。

「ああ、そうか」と答えるのが精一杯です。

息子は「これで、縁起がいい初夢の三項目が揃ったね」

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その時は、栃木県を走っていましたが、確かに遠くに朝の光に輝くピンク色の富士山が美しく見えたのです。

「富士と鷹はそろったけれど三番目の茄子は?」と息子に尋ねると、

「お父さん、今僕らが走っているのは那須じゃないか」「ああ、なるほど」と答えながら、なぜ、一富士、二鷹、三茄子なのか?と考えました。

 一富士、二鷹については曾我兄弟の故事に基づくと考えていいでしょう。富士の裾野での鷹狩りの際、曾我兄弟は見事工藤祐経を討ち果たします。だから、富士と鷹が縁起がいいのは分かります。

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では、なすびは?オヒョウが昔読んだ柳画の本に、それに関する記述があります。ちなみに、柳画とは俳画と同じ様に、川柳の横に添えて書く簡単なスケッチの事です。「 秀才は いないがみんな いい子達 」という川柳の脇には3個の茄子が描かれています。解説には「茄子は三つ描く事。 サンをナス=(財産を成す)で縁起がいいから」もともと、茄子は縁起のいい野菜です。

「親の意見となすびの花は千にひとつの徒(あだ)も無い」とも言われます。その茄子も特に3という数字との組み合わせが特にいい・・というのです。

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例によって学会で承認されていない、オヒョウの説を述べましたが、次に疑問に思ったのは、空を飛ぶ鳥を見て、なぜ息子は鷹であると確認したのか?です。

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実は大型の鳥類については、ワシタカ目の猛禽類とおとなしい鳥を識別するのはそれほど難しくありません。鷲・鷹の仲間はクビが短く、翼が頭のすぐ後ろにあります。一方、雁や鴨の仲間は、クビが長く、翼は胴体の後部についています。 かつて動物生態学でノーベル賞を受賞したローレンツ博士は、水鳥の雛の頭上で、非対称の十字型の模型を動かしたところ、短い出っ張りの向きに模型を動かしたら、雛は首をすくめて隠れようとし、逆に長い方の出っ張りの向きに模型を動かしたら、雛は首を伸ばして、餌をねだろうとしたとの事です。空を飛ぶシルエットで猛禽類か水鳥かが分かるのです。

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ちなみに、人が乗る飛行機でも、主翼が胴体の後部に付いた機体があります。 旧海軍の震電がそうですが、それらのタイプをエンテ翼と呼ぶ場合があります。エンテとは勿論ドイツ語で鴨の事です。

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だから、空を飛ぶ姿で鷲・鷹の一種である事は分かりますが、それがどの種類の鷹であるかは難しい問題です。日本にはかなり多くの鷲・鷹が棲息します。

オジロワシ、イヌワシ、オオワシ、カンムリワシ、オオタカ、クマタカ、ノスリ、ミサゴ、サシバ、チュウヒ、チョウゲンボウ、ハチクマ、ハヤブサ、チゴハヤブサ、トビなどですが、人里近いところで当たり前に見られる種類はそう多くありません。

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オホーツクのオジロワシや山岳地帯のイヌワシ、沖縄のカンムリワシは栃木県を飛ぶはずがありません。夏しかいない、渡り鳥のサシバなども対象外です。海岸に多く棲むミサゴの可能性も低いのですが否定できません。おそらく、次男が見たのは、クマタカ、チュウヒ、ノスリ、チョウゲンボウのどれかと思いますが、車の中から裸眼で見ただけでは、何とも言えません。

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困った事に、上空では比較対象となるものが無いので、個体の大きさもはっきりしません。バードウォッチングの専門知識を持つ方ならば、那須の高速道路から見えるなら・・・多分あの鳥だ・・と分かるのでしょうが、残念ながらオヒョウにはその知識がありません。

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聞けば、鷲・鷹のバードウォッチングのメッカと言える場所が日本には何カ所かあるそうです。長野県松本市には日本中の鷲・鷹が集まる場所があるそうですし、同じ長野県中野市には、チョウゲンボウの集団が暮らす場所があるそうです。一度そこに行って、鷹の見分け方を学ぼうかな?

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いや、それ以前に、自分の息子が鷹なのか鳶なのかが私には分からないのです。そちらの方が、バードウォッチングより難しいかも知れません。


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よっちゃん

一言で言ってしまうと、猛禽類の同定は難しいですね。(笑)
大まかな見分け方としては、尾の形状を見て、凹尾であれば間違いなくトビで、凹尾でなければトビ以外の猛禽ということになります♪
あとは翼の形状が尖っていればハヤブサ科、開いていればタカ科という分類もできます♪
同定には翼の長さや幅、翼や体の下面の模様、飛び方などを総合して判断することになりますが、ほんの数秒しか観察できない場合などは、見慣れていないと難しいでしょうね。(汗)
by よっちゃん (2010-01-18 02:04) 

笑うオヒョウ

よっちゃんさん コメントありがとうございます。
そうですか、尾羽が凹み型か否かでタカとトビの区別がつくのですね。勉強になりました。
オヒョウの息子達には尾羽がありませんから、どちらか分かりませんが、まあ本文にあるとおり、「秀才は いないがみんな いい子達」というところかも知れません。
以前、海岸で鷹の様な鳥を見た時、羽や体色に白い部分があればミサゴ、なければトビかな・と思ったのですが、逆光線で体の色が分かりませんでした。国会にいるハトの腹が黒いのか白いのか・・・こちらもオヒョウには分かりません。

by 笑うオヒョウ (2010-01-18 22:00) 

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