【 なんと愚かなシー・シェパード その１ 】

【　なんと愚かなシー・シェパード　その１　】 

日本の調査捕鯨船、第二昭南丸の前に立ちはだかって、その行動を阻止しようとして衝突、ついには沈没したシー・シェパードの高速船アディ・ギル号（AG号）の愚かな行為には唖然としました。

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あのタイミングで進路の前にでれば、第二昭南丸には回避する事も停止する事もできなかったはずで、衝突は必然です。しかも船の大きさはまるで違うのですから、AG号の方が大破して沈没する事は容易に想像できました。いわば沈没覚悟の捨て身の攻撃ですが、なぜ、そんな事をしたのか？　おそらくは衝突して沈没する場面をTVカメラが撮影し、それを全世界に配信することで、日本非難を喚起しようという作戦でしょうが、そのために命を賭するのは愚です。

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もともと、AG号は高速走行用の小型船で、これがマスコミに公開された時、オヒョウは怪訝に思いました。「　この船は、競艇場に浮かべるには似合っているが、波の荒い外洋を走行できるのだろうか？　特に南氷洋（南極海）の入り口の高緯度領域には暴風圏と呼ばれる海のあれる一帯があるが、そこを通過するには、母船にでも乗せなければ無理だ　」実際には、AG号は特攻用の兵器だった訳で、あれで爆弾を積んでいれば太平洋戦争の「震洋」です。だから、高速性に重きを置き、耐波浪性能や、外洋航行能力は無視した訳ですね。

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それはともかく、この結果、各国で反捕鯨の意見と反日の意見が澎湃として巻き起こってきました。　シー・シェパードの愚かな行為はそれなりに所期の目的を達成したのです。考えてみれば、行いが愚かであっても、いや愚かだからこそ、人々の賛同を得られるという事はしばしばあります。

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それにしても「鯨を食うな！」という意見は、ほうぼうで聞きますが、中国のインターネットでも　「鯨を食う日本人は怪しからん。シー・シェパードは次回は軍艦で攻撃すべきだ　」なんて意見がでているそうです。反捕鯨騒動に便乗して、日ごろの反日感情を吐露したものでしょうが、蛇、蠍、コウモリから、犬にいたるまで何でも食べる、中国人には言われたくないね・・と思います。　

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でもちょっと待てよ・・・　他国の食文化や風習にコメントする事は可能なのか？

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（普通）日本人は犬を食べません。ペットとして犬を飼っているオヒョウなどはなおさらです。だから、犬をおいしくいただく韓国人や中国人に対して眉をひそめます。　でも考えてみれば、この眉をひそめる行動は、韓国人や中国人から見たら不快な行動なのかも。彼らの気持ちは捕鯨を妨害されて憤慨する日本人に通じるかも知れません。でも、日本人は犬を食べる韓国人や中国人に露骨な実力行使などはしませんがね。

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ではシー・シェパードの人達は、なぜ日本の調査捕鯨を妨害するのか？　彼らを環境保護団体と呼ぶ脳天気なマスコミもありますが、あれは一種のテロ団体というか、カルトの人々です。狂信的な人々の行動の動機を議論してもせんないのですが、それでもオヒョウは幾つかの理由を考えます。

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１．クジラが絶滅危惧種で保護すべき対象であると考える。

科学的な調査結果では、クジラは増えつつあり、シロナガスクジラなどの一部を除けば、保護の必要はありません。日本政府はこの点を主張していますが、捕鯨反対派は聞く耳を持ちません。でも彼らも本当は理解しているはずです。

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２．クジラは愛らしい存在であり、神が食料として認めていない。

食習慣が宗教に根ざすのは、ある意味当たり前ですが、これを言い出すと他の宗教を否定し、他の民族の生活に干渉する事になります。これを言い出すと、イスラエルやパレスチナと同じ事になります。反捕鯨派は、牛は神に食料として認められた動物だと言い張りますが、それなら、こちらもインドのヒンドゥー教徒を担ぎ出して、牛は神の遣いで、これを食べるなんて・・・と非難すべきでしょう。

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３．クジラは知能の高い動物であり、これを殺すのは非人道的。

（人間以外の生き物を殺すのを非人道的というのは、ちょっと変ですが）

これは非常に危険な発想です。そもそもクジラの知能は他の哺乳類より高いなどというのはペテンです。人間以外の哺乳類で、その知能が詳しく研究されているのは霊長類ぐらいだと、オヒョウは思います。牛や豚よりクジラの方が賢いという話はしばしば耳にしますが、よく読むと、クジラとイルカを混同していたりします。クジラの会話に知性を見いだした・・・なんていう話も眉唾でした。犬と会話するバウリンガルみたいな、ホエールリンガルでもできれば、信じていいですが。　それに、知能の高い方は生命を尊重し、知能の低い方は殺してもいいという発想は、非常に危険です。この発想は動物だけの議論でなく、人種・民族の議論にも容易に敷衍されます。かつてオーストラリアの白人は、その考え方でタスマニア人を絶滅させ、アボリジニーを大虐殺してきました。アーリア人は他の人種・民族より優れている・・といってユダヤ人を虐殺したのはヒトラーです。今も選民思想を持つ民族は多いのです。　もしそれを言えば、日本人の平均知能指数はアングロサクソンより高いから、彼らを殺してもいいのか・・なんて物騒な話にエスカレートしてしまいます。この主張に対しては断固反論すべきです。

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４．反日思想が姿を変えて反捕鯨運動になっている。

反捕鯨活動家の本音は実はここにあります。彼らは、イヌイット（カナダ・アラスカのエスキモー）の生活のための捕鯨には反対しません。　ノルウェーがかつて行っていた商業捕鯨にも反対しませんでした。　愛すべきペットである犬を食べる韓国・中国の食習慣にもクレームしません。　一方、ニュージーランドで日本の捕鯨に反対する人達は、ニュージーランドのＥＥＺ内での日本のイカ漁にも反対キャンペーンをしていました。ちなみにニュージーランドの人はイカを食べませんし、イカの資源枯渇の心配もありません。

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かつて、オヒョウは中国と英国で、日本が嫌いな人に、なぜか？と尋ねた事があります。答えは大別して２種類です。

(1)　日本人は残酷で野蛮だ。

→　動物に銛を撃ち込んで殺す、捕鯨は残酷で、日本人の特性が現れている。

(2)　日本人はずるい（sneakだ）

→　調査捕鯨と言いながら、実際にはその肉を食べて売りさばいて商売をしている。日本人がうそつきである事をよく示している。

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実に憂鬱な話ですが、反日感情に根ざす反捕鯨運動であれば、それなりに対策があります。次号では、日本の農水省がただちに取るべき対策について、オヒョウの考えを申し上げます。

タグ：アディ・ギル号 シー・シェパード 第二昭南丸 南氷洋 南極海 競艇場 耐波浪性能 震洋 特攻兵器 シロナガスクジラ バウリンガル 選民思想 タスマニア人 アボリジニー アーリア人 イヌイット

コメント 4

日本が真剣に鯨の養殖の研究を始めたら、、シーシェパードという
国家的陰謀の匂いがプンプンする怪しい団体も理解をするのでは？
と思ってます・・・。
by 白熊パパ (2010-01-09 03:18) 

白熊パパさん　コメントありがとうございます。
クジラの養殖とは面白い発想ですね。
昔のＳＦで、海洋牧場でクジラの乳を搾って酪農を行うという話がありましたが、確かに養殖のクジラなら誰も文句を言わないでしょう。
この辺りの話は次号で検討したいと思います。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-01-09 11:26) 

AG号に資金提供した人の名前をもらってアディ・ギル号と名付けたと
聞いたのですが、早くも沈没して3億円の魚礁になるとは思ってなかった
でしょうね
by 釣られクマ (2010-01-09 12:50) 

釣られクマさん、コメントありがとうございます。
アディ・ギル号が３億円の魚礁になったのは、痛快なニュースでした。
しかし、彼らの行動は過激になるばかりですから、真剣に対策を考えるっべきでしょうね。放水だけではおとなし過ぎるし、捕鯨船側に怪我人がでてからでは遅いですからね。
またのコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-01-10 12:10)