SSブログ

【 魅惑のラジオ番組  その2 】 [雑学]

【 魅惑のラジオ番組  その2 】 

古い話で恐縮ですが、オヒョウが学校を出た頃、女子学生の就職希望の人気No.1FM東京でした。新宿副都心のKDDビルの中にある、ただのFM放送局ですが、都会的で洒落た番組を構成し、人気があったのです。 ほとんど音楽番組に特化していたFM放送は、当時ちょっと素敵な存在だったのです。

・・・・・・・

FM局に就職しようとは思わないにしても、ラジオのディスクジョッキーや、トーク番組のパーソナリティというのは、深夜ラジオを聞いていた世代には身近な存在であり、自分もやってみたい・・・・という仕事の一つでした。

・・・・・・・・

本業ではなくても、趣味かアルバイトで、自分の好みの番組を作れたら面白いではないか・・と思う訳です。

・・・・・・・・

全ての番組には、必ずディレクターかパーソナリティの趣味や好みが反映されます。 選曲は勿論、番組構成も、誰をゲストに呼ぶかも、その人の趣味が反映されます。 だから他人が作った番組では、しっくりこない部分が、いつもちょっとだけあるのです。 自分だったら別の曲を選んだり、トークにはあの話題を選ぶのにな・・・と思う事があります。だれか、私にディスクジョッキーをさせてくれないかな?。

・・・・・・・・・

ではオヒョウの心に残る、FMラジオの番組とは何か? その昔、FM東京で深夜に放送していた「気まぐれ飛行船」という番組が好きでした。 片岡義男と安田南の2人が落ち着いた口調で話す番組です。ちょっとだけ文学的で、ちょっとだけ音楽的で、ちょっとだけ洒落ていました。 少し気に入らないのは角川書店がスポンサーで、角川の本の宣伝が含まれていた事です。 当時は角川春樹が経営者だった時代で、オヒョウは彼の経営手法も、映画制作も好きではなかったのです。

・・・・・

それはともかく、片岡と安田の会話には、微妙に大人の雰囲気がありました。互いに尊重しあう友達の関係で、男性と女性だけど、変に馴れ馴れしくなく、適度な緊張感を持ったスマートな会話がありました。

・・・・・

当時、AMの深夜放送には、男性と女性のパーソナリティが、掛け合い漫才の様に話を繰り広げる番組が幾つもありましたが、どうも雰囲気がよくありませんでした。二人の仲が良いのはいいとして、お互いに馴れ馴れしすぎると聞き手がしらけてしまいます。そうでなければ、下品になります。 第三者が聞いていて好感を持てる男女の会話というのは、とても難しく、男女の間隔がかなり微妙な場合に限られます。

・・・・・・

片岡義男と安田南は、恋愛関係にあった訳ではなく、かといって仲が悪かった訳でもありません。 その二人が深夜に語り合うと不思議な雰囲気が醸し出され、リスナーの少年は、大人の世界をかいま見る様な感覚を持ちました。

・・・・・・・・

当時、(少なくとも精神的には)少年だったオヒョウには、粋な男女の会話の経験などはありませんでした。 だから「気まぐれ飛行船」の片岡義男と安田南の話を聞きながら、「 そうか、大人の男性と女性は、こういうスタイルで会話をするのか 」とおおいに勉強になった訳です。もっとも、オヒョウ少年は青年になっても、熟年になっても、女性としゃれた会話をする機会など、ほとんどなかったので「気まぐれ飛行船」で片岡義男から学んだ話術を役立てる事はなかった訳ですが・・・。

・・・・・・

翻って、現在のラジオ放送を聞くと、上品な大人がするような会話が少ないようです。子供のリスナーに変に媚びた内容だったり、大人同士の会話であっても、緊張感が全くない馴れ馴れしさ100%のトーク番組だったりします。パーソナリティの言葉遣いもしばしば幼稚だったり下品だったりします。そして、教養を感じさせる内容も・・・ありません。

・・・・・・・

FMであれ、AMであれ、ラジオ離れが発生し、ラジオの文化が衰退していくのは、情報メディアの進化に取り残されたからではなく、内容が詰まらなくなったからです。 聴取者に見放されているからです。

・・・・・・・

ローカルラジオ局でも、質のいい番組を制作すれば、きっとリスナーの数は増えるはずです。地方の番組に出演するパーソナリティやディスクジョッキーが評判になれば、やがて番組は全国区になり、ローカル局はその番組を全国に配信する事で利益を得られます。今はその努力が足りません。

・・・・・・・

ローカルFM局でも、プロのアナウンサーや俳優を起用せずに、普通の市民の中からパーソナリティを選んで、ユニークな番組を作ってみてはどうでしょうか? 音楽に造詣があったり、トーク番組をするセンスに優れた人は必ずいるはずで、彼等(彼女等)は、地元のラジオ局の為なら手弁当で番組作りに参加するはずです。多少、その人の好みによって偏った内容の番組になるかも知れませんが、それはそれでいいではないですか。番組制作に経費を掛けず、人気のある番組を他局に配信したり有料コンテンツにする事で収入を得る・・という方法も、現代なら成立します。

・・・・・・・

もう、ラジオはスポンサー収入に頼って経営をする時代は終わったのかも知れない・・とオヒョウは思うのです。


nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 1

笑うオヒョウ

はっこうさん

niceをありがとうございます。
調べたところ、YouTubeで昔の「気まぐれ飛行船」の録音を聴ける事がわかりました。 もし昔のラジオ番組にご興味がおありでしたら、ご一聴をお勧めします。
by 笑うオヒョウ (2009-11-14 01:47) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。