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【 トンチン公債・トンチン保険 その1 】 [政治]

【 トンチン公債・トンチン保険 その1 】

 

ドイツで定年を延長する議論がでています。

http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e3%80%8c%e5%ae%9a%e5%b9%b4%e3%80%8d%e3%81%af%e5%bb%b6%e9%95%b7%e3%81%99%e3%82%8b%e3%82%88%e3%82%8a%e3%80%81%e3%81%93%e3%81%ae%e9%9a%9b%e5%bb%83%e6%ad%a2%e3%81%99%e3%81%b9%e3%81%8d%e7%90%86%e7%94%b1/ar-BBvYuoo?ocid=LENDHP

戦後一貫して豊かな国の代表で、労働者天国でもあったドイツで定年延長とは・・・・、ひとつの転換点かも知れません。

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アデナウアー以来、インフレを警戒し、デフレ側に経済の舵取りをしてきた旧西ドイツでは、失業と就職難が問題でした。だからワークシェリングも早くから実施され、残業は禁止され、1週間辺りの労働時間も減らし、有給も完全取得させ、定年前に早くリタイアしたら、インセンティブの退職金や年金の上積みをするよ・・という有様です。

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「勤勉で知られるドイツ人がなぜ?」と訊けば、一人が仕事をしすぎれば、他の人の雇用機会を奪い、失業者を増やすことになるから・・との回答でした。 実際、ドイツでは大学はでたけれど、就職できないモラトリアムが多く、博士課程を修了して30代で就職する人もざらです。(就職できないから大学院・・というのもどうかと思いますが・・・)。

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労働者が主人公の社会主義国である東ドイツの方が労働環境が苛酷で、自由主義の西ドイツが労働者天国だなんて、こんな皮肉は無い・と、思っていましたが、地上の楽園にもやがて日暮れはやって来ます。

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東ドイツを統合することのコスト負担(統一税)、EU統合後のギリシャ等への支援、日本と同じく少子高齢化が進むことによる現役世代の減少、そしておしよせる難民を抱えることのコスト負担・・・次第にドイツは疲労していきます。

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大企業のOBであれば、退職後に現役時代の8割の年収が生涯保証された、あの年金制度の維持が難しくなり、ついに退職年齢の引き上げとなりました。欧州で働く人は誰もがハッピーリタイアメントして幸せな老後を送ることを夢見ています。だから定年を遅らせるなど、楽しみにしていた晩御飯をお預けにするようなもので、もっての他なのですが、これは苦渋の決断でしょう。

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ドイツの場合、福祉制度を難しくするのは、少子高齢化と移民の受け入れです。現役世代がリタイア世代支える方式では無理があります。

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これは日本も同じです。 若い頃、自分が納めた掛け金が老後に返還される方式ではなく、自分が納付したお金が自分の親の世代の他人に回る仕組みだから世代間の不公平が生まれ、少子化の過程で制度の維持が困難になるのです。

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1990年代、いち早く少子化が始まったのは、日本、ドイツ、スェーデンなどで、それらの国では出生率が1.0を切りました。原因はあまり研究されず、なぜか第二次大戦の枢軸国側で戦後の少子化が始まった・・という頓珍漢な説明もありました。

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少子化による若年労働力の不足などの、目の前にある問題に対して、ドイツは移民や出稼ぎ労働者の活用で乗り切ろうとしました。日本は無策でしたが、景気も同じ頃に後退し、労働力不足はそれほど顕在化しませんでした。

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21世紀に入って人々は気づきました。少子高齢化と人口減少は旧枢軸国だけではない・・と。 韓国も中国もそうです。 経済的に豊かになり、子供に十分な教育機会を与えようとすると、親の負担は大きくなります。それより親だけで豊かな生活を享受する方が楽です。 子供の存在がメリットである前にコストである・・ことに気付いた国は少子化が進行します。気づかない社会は依然、人口が増加します。

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中国の場合、一人っ子政策は国家による強制でしたが、それを緩めても多子の時代には戻らないでしょう。人々は生活の豊かさを感じ、受験戦争や就職競争が激しいなか、子供を育てることの負担感を強くしているからです。

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そして人々は、目先の労働力不足の問題だけでなく、長い視点で考えた時の年金問題に気づきます。このままでは若年層は年金負担に堪えられない・・・。

それだけでなく戦後70年が経ち、富の偏在が進み、お金持ちと貧乏人の固定化も進んでいます。 嫌な言葉ですが貧困の世襲も進んでいます。

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おやっ?と見渡すと、これは日本もドイツも韓国も同じです。まだ豊かにはなり切れていない中国も同じです。移民問題で、福祉財政を逼迫させているドイツは論外としても各国が同じ問題を抱えているのです。何か解決策はありそうです。

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そこで、オヒョウの提案はトンチン公債、またはトンチン保険の導入です。これが一番いい方法だと私は信じます。

トンチン公債やトンチン保険は、もちろんトンチンさんが発明したもので頓珍漢な保険という意味ではありません。そして、日本ではトンチンさんより、それを紹介した中山素平の名前で記憶されています。では、それはどういう仕組みなのか・・は次号で簡単にご説明いたします。

 

 

 


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