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【 池上彰 論 その3 】 [雑学]

【 池上彰 論 その3 】

 

日本のマスコミの場合、彼らがタブーとして敢えて触れない話題が幾つかあります。視聴者あるいは読者から人気を得ようとすれば、そのタブーについて語ればいいだけなので簡単なのですが、しかし、多くのマスコミ人は決して触れません。だからマスコミ全体の信用もないのです。

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池上氏の場合、これまで他のマスコミが切り込まなかった点も追及しています。例えば公明党と創価学会の関係です。でもまだ不十分です。

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そしてマスコミのタブーの一つは北朝鮮です。日本のマスコミ業界には在日朝鮮人も多く、また北朝鮮のご機嫌を損ねたくないという事情から、さまざまな遠慮があります。

例えば、以前はニュースで北朝鮮の国名を語る時、必ず冒頭で、朝鮮民主主義人民共和国・・という正式名称を呼ばなければなりませんでした。これは朝鮮総連から、偉大なる共和国を略称で呼ぶとは何事か・・とクレームされたためです。

どうでもいいけれど、最も民主主義と遠く、人民を蔑ろにする国家が民主主義人民共和国だなんて、冗談にしか思えませんが。

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しかし、独裁者が君臨する一方で餓死者が多く発生することや、日本人拉致が明らかになり、弾道ミサイルを飛ばし、核実験を行うなど、かの国の非道が明らかになるにつれ、マスコミは北朝鮮におもねる姿勢を視聴者に見透かされるのを恐れるようになりました。

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そこで、マスコミ各社は密かに協議し、一斉に正式名称を話すのを止め、単に北朝鮮と呼ぶようにしました。それはいいのですが、その代わりに朝鮮総連との交渉で、今度は、朝鮮総連ではなく「在日本朝鮮人総連合会」という正式名称を必ず1回は話すことを条件として呑まされました。 なんのことはない。北朝鮮に遠慮する姿勢は何も変化していないのです。こんなことは北朝鮮だけです。

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これもどうでもいいことですが、朝鮮の人は名称へのこだわりが強いようです。私は「名前とはこだわるものではなく、惜しむものだ」と教育されましたが、朝鮮ではそうではないようです。

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北朝鮮が民主主義とは遠いのに国名に民主主義を採用しているのも滑稽ですが、韓国が大韓民国というのも不思議です。もっとも、中国のネットにある意見では、小さな国ほど、国名に大の字を使いたがるとのこと。なるほど・・・と思います。世界の中心から遠い中国が中華を名乗るのに似ています。

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話を元に戻します。 池上氏がほんもののジャーナリストなら、北朝鮮と朝鮮総連へのマスコミ界の遠慮と密約を暴いて欲しいものです。ぐずぐずしていると、他人に先を越されますよ。

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他にもマスコミには触れられたくない事実があります。民放のTVが決してスポンサー企業が不利になる報道をしないこと、自由競争を標ぼう・礼賛するくせに、新聞の値上げと、休刊日の設定は一斉で、闇カルテルを窺わせる事・・等等。

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そして最大の問題は身内である記者同士のかばいあいです。 記者クラブに代表されるマスコミ村の住人は、仲間内での、批判には消極的でした。 換言すれば、ジャーナリストとしては犯罪に比すべき捏造記事の執筆者に対して、これを糾弾せず、きわめて寛容であるという問題です。

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フリーのジャーナリストである池上彰氏がこの点にメスを入れられれば、彼は本物のジャーナリストになれます。時間的な余裕はあまりありません。

朝日新聞は、少しずつ変化しています。

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カンボジアで、かつてポルポト勢力がプノンペンを陥落して国を制圧した時、東京に避難していた朝日新聞のプノンペン特派員和田記者は、ポルポト派を擁護した捏造記事を書きました。「プノンペン解放」が平和的に行われた・・と見てきたような嘘を書き、そしてポルポト派による大虐殺を否定し、それが米軍筋から流された捏造情報であるとしてアメリカを批難しました。 

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やがてポルポト派が駆逐され、彼らの大虐殺が否定できなくなり、和田記者の記事が捏造であると明らかになると、報道ステーションの解説者であった和田記者は、ひっそりと朝日を辞め、山梨県の大学の教員になりましたがまもなくガンで他界しました。

朝日新聞は、都合よく本人が他界したことで、一切この捏造記事についてはコメントしていません。うやむやにして葬り去ったのです。しかし、これは昔のことです。今は変化しつつあります。

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かつて通名を用いて日本人として社会を批判してきた論説委員が韓国籍であることを告白しました。 朝日新聞の海外特派員は皆が通名を止めて、韓国名で署名記事を書くようになりました。 そして従軍慰安婦の捏造記事を書いてきた植村元記者はずっと沈黙を保ってきましたが(一部の左派系の雑誌には自己弁護の文を書いていますが)、ついに法廷で真実を語る模様です。

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多くのマスコミ人が触れたがらなかったこの問題が、マスコミ以外の場で明らかになるその前に、池上氏がこの問題を解説し、快刀乱麻の太刀さばきを見せれば、これは痛快なことです。それを期待します。

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以前、20世紀で最も偉大なジャーナリストは誰か?と米国の友人に訊いたことがあります。

彼は、湾岸戦争の開始時にイラクのバグダッドから実況中継したCNNのピーター・アーネット記者だと言いました。

米軍の空爆が予想され、敵地のど真ん中に取り残されると分かっているのに、バグダッドに残り、「つぎつぎと巡航ミサイルが飛来し、いたるところで爆発と火災が起きている」と現地から実況中継し、一躍有名になったのです。

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でも危険なのは弾丸が飛び交う戦場だけではありません。仲間内での批判がタブーとされる村社会で、信じることを報道する事こそ勇気あるジャーナリストと言えます。他の凡百の新聞記者には無理でしょうが、池上彰ならできる。 私はそれを期待します。


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新聞店舗

新聞休刊日は、新聞販売店の都合で決められたものです。地方にいくと販売店は専売ではなく、複数紙を扱っているので販売店の休日のため、休刊日を同じにせざるを得ません。スポーツ新聞や夕刊紙は宅配がないので休刊日はないことが多いです。 これも最近は印刷工場(新聞社と大手印刷会社の合弁で複数紙を印刷)の稼働率の関係で、同じ休刊日になることが多いですが。
by 新聞店舗 (2015-01-17 21:12) 

笑うオヒョウ

新聞店舗様 
コメントありがとうございます。以前、アサガミの経営者の木村氏と話をしたことがあります。確かに販売店と印刷会社の事情が休刊日の設定に反映されていることは、ご指摘の通りです。しかし、以前、休刊日の増加にあたって、某全国紙が、新聞少年達に休日を与えるため・・という苦しい弁明をしたことを、私は明確に記憶します。休刊日が増えるのに、定期購読料は変わらない・・というのは、一方的な値上げに他なりません。各紙が一斉に、問答無用に値上げをして、それは自分達の為ではないと強弁することを、私はスニークだと思います。新聞の販売は、記事の製作とは別の部門ですが、やはり似た匂いがするなぁと思います。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2015-01-17 23:38) 

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