SSブログ

【 カテナリー その2 】 [雑学]

【 カテナリー その2 】

 

 

私の部屋から見える山の稜線を見ながら、連なる山の曲線に、何らかの数学的な意味はないだろうか?と 暇な時に考えます。

(最近はあまり暇ではありませんが)。

・・・・・・

曲線を見ると、すぐにやりたくなるのはフーリエ解析です。大学の学部の初年級で習うフーリエ解析は、学生には新鮮で、ある意味で自然現象を見る目を変えるほどです。 何と言っても、全ての曲線は、無限の正弦波(サインカーブ)の級数で表され、波長毎の振幅の分布で曲線が規定できるのですから、ちょっと驚きです。 しかもパソコンがあれば、そう複雑でないプログラムで計算できます。

・・・・・・

稜線の曲線もフーリエ解析すれば、山脈の老若もわかります。

これは小学校で習う事ですが、山脈/山地は、幼年期、壮年期、老年期に分かれます。 幼年期は隆起した平原に、川の浸食が始まり、深い谷を形成した時期です。

よく例として登場するのは、アメリカのグランドキャニオンです。

・・・・・・

山の壮年期は、浸食が進み、高くて峻険な峰々がそびえ立つ状況で、日本の飛騨山脈やヒマラヤ、アルプスの西半分などが該当します。

・・・・・・

山の老年期は、さらに浸食が進み、高い峰は低く丸くなり、ゆるい丘陵になったものです。日本なら北海道の礼文島、欧州ならアイルランドやウェールズが該当します。

山の険しさを、稜線のフーリエ解析によって周波数分布の形で示せば、山脈の年齢が分かります。 例えば、ヨーロッパのアルプスはオーストリア辺りの東部と、フランスにさしかかる西部ではかなり険しさが違いますが、フーリエ解析によって、山の年齢差で示す事ができるはずです。 まだ実際に試みた人はいないと思いますが。

・・・・・・

次に考えるのは、山の形をフラクタル図形ととらえて、そのフラクタル次元で表す事です。 よく知られている事ですが、自然界の多くの物体の形状がフラクタル図形として解析できます。 シダの葉脈も、立木の枝分かれも、雲の形も山の形もフラクタル図形として人工的に表すことができます。コンピューターでフラクタル図形を計算して、実在しないけれど、いかにもありそうな山の絵を描く事もできます。

・・・・・・

しかし、フラクタル次元が分かったところで何の役に立つのか・・という問題があります。 もう20年以上前ですが、フラクタル理論がカオス理論と同時に登場した頃、それを自然現象の説明に応用しようとした科学者が大勢いましたが、ほとんど失敗しました。

山の形を見て、フラクタル次元を考える事は無意味ではありませんが、それで論文がまとまる可能性はありません。

・・・・・・

どうも、山の形を見て、数学的考察をするのは不毛だ・・と思っていたところ、あるTV番組に山の数学的な形が写りました。

それは南アルプスを縦走する登山者の映像でした。白根山北岳(最近は単に北岳と言う場合が多いようですが)から間ノ岳へ向かう、稜線の道で、典型的なカテナリー(懸垂線)の形状をしていました。数式で表すこともできそうです。

・・・・・・

なるほど、双耳峰の間の稜線なら、カテナリーになるはずだ!と気づいた訳ですが、

そう簡単ではないようです。

よく知られた双耳峰としては、鹿島槍ヶ岳、谷川岳(オキの耳とトマの耳)、筑波山などが思い浮かびますが、それらの写真を見るかぎりでは、明瞭なカテナリーは見られません。 かなり距離をおいた2つの急峻な峰の間が尾根伝いでつながった特別の場合だけに見られる形状のようです。

・・・・・・

もうひとつ面白いのは、この稜線は、尾根をたどると、下に凸のカテナリーとなりますが、それと直角方向の断面でみると、上に凸の曲線になり、峠の部分は鞍上点になります。 登山用語でいうところのコルです。(ローツェとエベレストの間のサウスコルが有名です)。

しかし尾根に直角の断面で見た場合、上に凸の形状がどういう曲線なのか分かりません。 北岳と間ノ岳の稜線を見たところでは、放物線ではなさそうですが、カテナリーでもなさそうです。 なんらかの二次曲線に近似できると思うのですが、理屈で考えてどの曲線で示すのが合理的なのか、さっぱり見当がつきません。

いつか自分の目で見て、考えて結論を出したいと思います。

・・・・・・

現代は、現地に行かなくても、電子データとして国土地理院の立体地図が手に入りますから、自分のパソコンで簡単に立体的な地図を見る事ができます。 もっとも有料なので、私はまだ入手していませんが。

但し、二万五千分の一の地形図では、山の稜線の細かい形状は再現されないかも知れません。その場合は、別の地図を使用する必要があるかも知れません。

・・・・・・

そして立体地図にするのなら、モニターも3D対応のモニターにした方がいいかも知れません。 私はTVや映画を観る分には3D画面の必要を全く感じませんが、立体地図の画面を見られるなら、3Dモニターもいいかな・・と思います。

・・・・・・

自然界の現象や形状を数式で表せたところで何になるのか?と訊かれれば答えに窮します。 多くの場合は何の役にも立たず、自己満足に終わるでしょう。

でも何の役にも立たない事にこだわり、熱中するのも大人の趣味として許されるのではないか? と私は考えますが・・。

ただ、その趣味にこだわるには、私にはあまりに時間がなく、そしてお金もないのが事実です。

 

IMG_0049.JPG

写真の風景は、木曽川の向こうの三重県の山々です。


nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 3

コメント 2

おじゃまま

完璧に文系人間なので、まったくついていけない発想ですが、
面白そうなことはおぼろげに分かります。
フラクタル!当時は、文系でもけっこう話題で、
たぶんかなりいい加減に応用したような論文もありましたよ〜
ジョイスに関するのとか・・・
(今にして思えば、笑えます)
by おじゃまま (2012-01-27 22:53) 

笑うオヒョウ

おじゃまま様 コメントありがとうございます。

そうですか。ジョイスの研究にフラクタルを用いるのですか、私には見当もつきません。 最近は、作家研究でも、誰それの作品に登場する単語の頻度や表現パターンを調べて、統計的に解析する人がいるようですが、一体何の役に立つのか理解できません。作者不明の作品について、その文章のスタイルから誰が書いたかを特定する研究は昔からありますが、フラクタル理論が必要とも思えません。 難解なジョイスの文学以上に難解な研究になるでしょうね。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2012-01-28 04:08) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

この広告は180日新規投稿のないブログに表示されます