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【 お伊勢参り その5 穴子丼 】 [雑学]

【 お伊勢参り その5 穴子丼 】

先月の話に戻りますが、Y博士とのお伊勢参りの続きです。

Y博士とオヒョウは、落ち着いて参拝したり、社を見学するには、ちょっと人が多すぎて、落ち着けなかった伊勢神宮境内を出て、再び、土産物店の並ぶ道を、我々は駐車場へ戻りました。

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内宮の前の「おかげ通り」は典型的な門前町のスタイルの繁華街です。

浅草の仲見世通りや、長野の善光寺仲見世通りの商店街と同じです。

ちなみに、石川県の能登には、その名もそのまま門前町という町があります。これは能登一宮の氣多大社の門前町なのですが、その規模と賑わいは浅草や長野の善光寺には、遠くかないません。

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話はもとへ戻りますが、伊勢神宮内宮前の「おかげ通り」には、伊勢名物が多く売られています。古くから観光客、参詣客が集まる伊勢ですから、名物、名産品がたくさんあります。その中でオヒョウが関心を持つのは食べ物だけですが、具体的には、伊勢うどん(これは、濃いつゆがうどんの下に隠れているものです)、話題になった赤福、伊勢海老を用いた海老せんべい、伊勢ういろう(ういろ)などです。

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ういろうは名古屋大須の名物か?と思っていたら、伊勢にもあるのか。

伊勢ういろうを売る、虎屋という和菓子屋も、東京の赤坂かと思っていたら伊勢にもあったのか・・、いや待てよ、葛飾帝釈天の門前町の団子屋も虎屋だったっけ? でもあれは映画の話・・などとくだらない事を考えて歩きますが、大変な人ごみです。

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だから再び川岸にでて、少し歩くと「とうふや」という看板があります。

ちょっと小腹もすいたし、豆腐料理とは上品だ・・と考えて、我々は入る事にしました。

http://www.okageyokocho.co.jp/shop/toufu.html

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お店は古いしもた屋(最近は古民家と呼ぶらしいですが)を改造したもので、五十鈴川を見下ろす窓の景色は素敵です。

それになにより、広い窓ガラスが曇り一つなくピカピカに磨かれている事に感心しました。 古い家を改造しておしゃれな店にする場合、掃除を徹底して清潔感を出す事が重要です。 古い建物は新しい建物以上に清潔にしておかないと、薄汚れて見えるからです。

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店員教育ができている店だな・・と思って、メニューを見ると「あれ?」。

豆腐料理はなくて、穴子料理が書いてあります。 そうか、穴子も近くの二見ヶ浦辺りの名物なのか・・と納得しながら、二人で穴子丼を頼みます。 

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そして再びくだらない事を考えます。

「 穴子と鰻はどちらが上等なのだろうか? 」

昔、東北地方の某県で、ミニ新幹線建設が決まった際、地元出身の政治家は不満を表し、「フル規格の新幹線を要求したのにミニ新幹線になってしまった。鰻を注文したのに穴子がでてきたようなものだ」と語りました。

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しかし、オヒョウには穴子が鰻に対して下魚だとは思えないのです。

寿司ネタとしては、穴子の方が鰻より一般的です。 タレのかかった穴子のお寿司は特に私の家内の好物です。 家族でお寿司の盛り合わせを食べる時、子供たちはあまり、穴子を食べません。実は彼等も好きなのですが、母親が特に好物にしているのを知っていて、その為に残しているのです。だからオヒョウも家族で食べる時はあまり口にしません。

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鰻もたしかに美味しいが、穴子も捨てたものではない・・。でも細長い魚の中で一番上品なのは、鱧かなぁ? 滅多に食べないけれど、上方の人は珍重するみたいだ。しかし、鱧は鰻や穴子とは料理方法も全く違うし、比較するのもナンセンスかな?

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それにしても、魚に上等だの下等だの、上品だの下品だの・・という区別をする必要があるのでしょうか?

それぞれの花が美しいように、それぞれの魚にはおいしさがあります。

しかしなぜか人々は魚にも序列を考え、上等な魚と下魚に区別します。

しかし、その序列たるや、怪しげなものです。

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吉田兼好の「徒然草」には、最近カツオの様な下品な魚を食べるようになった・・・と世相を嘆く記述があります。 カツオのように美味しい魚をどうして軽蔑するのか?といえば、当たり前の事で、海から離れた京都では海の幸の鮮度を保てなかったために、どうしても味が落ち、それらが下魚とされたのだと思います。一方で、美味しいとは言えない琵琶湖の淡水魚を珍重したりしています。 漁業技術も低く、沖合の大型の魚は漁獲できなかったのかも知れません。

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別に京都の人をけなす訳ではありませんが、大宮人の味覚もあまり信用できたものではありません。

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魚の味覚・・と言えば、以前のブログにも書きましたが、海水魚が好きか、淡水魚が好きか?と言われれば、ほとんどの人が海水魚を好みます。

経済発展が続く、中国では、かつて沿海部の人達だけが、「海鮮」と呼ぶ海の魚の料理を食べていましたが、交通機関、冷蔵技術の発達と所得水準の向上のお陰で、内陸の人も海の魚を食べるようになりました。

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食べ始めると、普段食べている淡水魚よりも美味しいので、すぐに人気がでます。特にお刺身に人気があります。日本と同じように、醤油とわさびを付けていただくのです。オヒョウが中国にいたころ、内陸の人にとって、日本料理、特に海鮮料理のお刺身を食べる事はひとつのステータスシンボルでした。

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最近の中国の経済発展から考えると、彼等はまもなくマグロのお刺身を大量に食べるようになり、あっというまに世界中のマグロ資源を食べつくしてしまうかも知れない・・と思います。 まあ、オヒョウの方は穴子丼があればいいな・・と思うだけです。

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注文した穴子丼はまもなく到着し、美味しくいただきました。

うな丼とはちょっと違う味です。

そして目の前の五十鈴川の流れは緩やかで、午後の日はまだ西に傾いてはいません。 そこで、Y博士が言いました。

「朝熊岳金剛證寺にも行ってみようよ」

http://www.iseshimaskyline.com/kongoushouji.htm

これは当然の希望だったのですが、結局、オヒョウが時間と距離を間違えたために、この後、彼はとんだ災難にあったのです。

以下 次号




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wolfy

オヒョウ様へ
私の出生地静岡県はうなぎの名産地です。友はブログに近所の蒲焼屋が日本一だと鰻自慢をしてました。(http://d.hatena.ne.jp/tipitu/20101204/1291556576
ところが、私が近くの港であなごを一束しめたときなど、だれも見向きもしません。あなごの値打ちはみとめられませんでした。そういえば、顔はうなぎの方が上品ですね。
by wolfy (2010-12-22 15:45) 

yusai-zenji

来週からしばらくオンライン環境から離れますので、とりあえず書き込んでおきます。伊勢ではいろいろお世話になりました。伊勢の門前は大分有名らしく、伊勢詣でしたといったら何某というお店に入った?、などと言われました。私は帰郷した後、雄山閣の『伊勢信仰』1,2というのを買ったりしましたが、その後読む暇というか気持ちの余裕がありません。それでは良いお年を。
by yusai-zenji (2010-12-24 08:26) 

笑うオヒョウ

Wolfy様 コメントありがとうございます。 レスが遅くなり申し訳ありません。
そういえば、確かに顔を見ると鰻の方が上品ですね。私の場合、蒲焼については鰻の味というよりタレの味が好きなのかも知れません。 だから鰻と穴子・・どちらが美味しいかと訊かれても、答えようもありません。 ちなみに私はドジョウもハモも好きですが、ハモの方は、なかなか食べる機会がありません。

またのコメントをお願いします。

by 笑うオヒョウ (2010-12-27 12:20) 

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