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【 妙高関山の火祭り その2 】 [新潟県]

【 妙高関山の火祭り その2 】 

関山神社の火祭りのハイライトは、松引です。2本の大きな柱松(松明というより、切り倒した木の幹に小枝をくくりつけたもの)に火打石で火をつけ、早く燃え上がった方が勝ちという競争です。勝った方の集落は、その年は豊年満作だという占いになっています。

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しかし、待てよ?と思う事がいくつかあります。一つは、何を燃やすかです。柱松の上に大型の紙製の扇を置くのですが、それには日の丸が描かれています。火を点けるのはその下ですが、当然日の丸も燃え上がります。なんだか国旗を焼くなんて愉快ではないな。どこかの国の反日活動家みたいだ・・・。

Hinomaru.JPG

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そして、もう一つは火打石です。火打石での着火は難しく時間が掛かる訳で、それが競争になる訳ですが・・・、何ゆえ火打ち石なのか?

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実は妙高連山の中央に火打山があります。田植えの季節を過ぎても山頂部に雪が残る美しい山です。そして連山の中で、両端の焼山と妙高山は火山なのに、中央の火打山は火山ではありません。

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火打ちという名前が付いているのに火山でないとすれば、この山で良質な火打ち石が取れるのかな?とオヒョウは考えます。ちなみに、尾瀬の燧ケ岳では火打石はとれませんが、火山なのでヒウチの名前が付いたのでは?とオヒョウは理解します。

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妙高連山の火打山で火打石が取れるのなら、当然、関山の火祭りではそれが用いられると思うのですが、その紹介がありません。いったい、どんな石を使っているのか?ひょっとしたら、姫川の河原で採れる翡翠を使っているのか?まさかね・・。

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火打ち石の組み合わせとしては、硬い花崗岩やチャートと、鉄(火打ち金)の組み合わせが一番だとオヒョウは考えます。火花がよく飛ぶからです。しかも火打ち金には、炭素や硫黄をふんだんに含んだ鉄が適しています。だから鋼鉄よりも銑鉄の方が火花が多く飛び好都合なのですが、銑鉄や鋳鉄は強度的に脆いのと、火花温度が低いのが問題です。そこで火打ち金にはもっぱら鋼鉄が使われるようです。ちなみに百円ライターの発火石の鉄にはセリウムが含まれているそうです。

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着火の早さを競うのであれば、オヒョウなら火打石や火打金の材質に凝って、いろいろ試すのですが、そういう事はしないみたいですね・・。

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祭りは、いよいよクライマックスで、柱松(に付けてある紙)に着火する競争になりましたが、なかなか火が点きません。

Hashiramatsu-03.JPG

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理由はいろいろあります。オヒョウが思うのは、梅雨時の高い湿度です。この火祭りは、毎年7月中旬に開かれます。まさに梅雨が明けるか明けないか・・という時期は、高温多湿で、全てがジメジメしています。特に梅雨の末期は集中豪雨型の雨が降りますから、雨の翌日でも、翌々日でも湿っているものはなかなか乾かないのです。だから、必死に火打石を叩いても、火はなかなか点きません。

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ではなぜ7月なのか? それは、祇園祭に合わせる為という理由だそうですが、オヒョウは別の事を考えます。

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6月末から7月にかけては、地元の農家が、ちょうど田植えを終えて、祭りの準備に充てる時間を確保できる時期です。その後の農繁期である稲刈りまでは時間があります。(もっとも夏の間も、田の草刈などでそれなりに忙しいようですが)。

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そして7月は、夏山登山も可能な時期で、山岳修験者が妙高山に登るのに適した季節です。

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だから、この時期に火祭りを行う・・・とオヒョウは考えますが、火が点かないのも困りものです。

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観客は柱松の周囲を取り囲み、至近距離からカメラを向け、火が点くのを今か今かと待ち構えます。点火役の青年は、必死になって、ケッポケッポと火打石を叩きますが、うまくいきません。

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Hashiramatsu-04.JPG

オヒョウは思わず心の中で観客に向かって叫びました。

「 そんなに近づいてはいけない! こっそりチャッカマンを使って火を点けようにも、こんなに監視されていては、それができないじゃないか! 」 

以下 次号


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