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【 妙高関山の火祭り その1 】 [新潟県]

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【 妙高関山の火祭り その1 】

 7/17は妙高関山神社の火祭りの日でした。オヒョウにとって、上越・妙高の夏は今年が最後です。 そこで、以前この火祭りを調査し論文にまとめたY博士と一緒に見学にでかけました。

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火祭りについては、知りたい事が幾つかあります。例えば、世界中の火祭りに共通性はあるのか?という点です。日本には・・或いは世界には、火祭りと呼ばれる行事がたくさんあります。それらに何か共通したものはあるのか?

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Y博士に尋ねると

「山岳修験者が入山修行の行事として行う火祭りと、例えばお盆に先祖の霊を迎えたり送ったりする際の火祭りでは、理由や意味合いが違うので別物と言うべき。昼に行う火祭りと夕方・夜間に行う火祭りで分類する事も可能」との事です。

「では東大寺二月堂のお水取りなどは?」

「東大寺二月堂のお水取りは、上記の2種類には分類できないし・・・、よくわからない」との返事です。

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東大寺のお水取りについては、作家松本清張が、ゾロアスター教が日本に伝わり、お水取りの行事に変化したのではないか?という大胆な仮説を唱えています。しかし専門家は簡単にその仮説に頷きはしません。

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火は古来神秘的なものです。 光を発し、熱を出し、しかし実体として掴む事はできないし、発生と消滅がある・・・だから宗教行事に神秘性を持たせるにはちょうどいいのです。ということは、世界中に火祭りがあってよいということであり、統一的に説明しようというのは無意味かも知れません。

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Y博士に訊くと、関山の火祭りと、その翌日に行われる飯山小菅神社の火祭りの共通点を議論する事は意味がありそうですが、火祭り全体について考えると議論が発散するだけになりそうです。

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もう一つは、仏教と神道との関係です。関山神社は、現在は関山大神ですが、以前は天台宗の寺院であった事が明らかです。そして神仏習合の長い期間、両方が混在した寺院であった訳です。その痕跡はあるか? Y博士によれば、明治期の廃仏毀釈により、仏教寺院の痕跡はなくなっているのですが、今回は社殿の奥の方に、関山権現と書いた大型の提灯を確認しました。sekiyamadaigongen.JPG

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権現・・とは垂迹説に基づき、仏が日本の神の形で現れたものですから、神仏習合の思想の名残とも言えます。関山権現の場合は阿弥陀如来の化身なのか?と思いましたが、仏像は非公開でありオヒョウには確認の術がありません。

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オヒョウたちが神社に着くと、既に祭りは始まっており、行列などは終わっていたようです。そして社殿での祝詞が終わると仮山伏による、棒使いの演技披露です。

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その会場に行くと、周囲は見物客とカメラが並び、大混雑です。Y博士は、以前一緒に仕事をした教育委員会の人と話をしたり、マスコミのインタビューを受けたり、それなりに忙しそうです。

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会場では演技を行う、仮山伏に扮した6人の地元の青年が紹介されます。皆、派出な衣装を着ています。選ばれたのは地元の家の長男で未婚の人です。

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しかし不思議です。普通、多くの宗教儀式では、未婚の女性が穢れなき存在として尊ばれますが、未婚の男性を穢れなき存在とするのはあまり聞きません? 女人を穢れたものとする山岳宗教固有の発想なのでしょうか?

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棒使いは、昔の武術(剣術、棒術、薙刀術)などの技を様式化して、一種の舞にしたものと思いますが、正直なところあまり上手とは思えません。日本の武道は、試合での強さの他に型の美しさを求めます。型の演技の美しさを追求した先に、この火祭りの棒使いがあるのでしょうが、この演技は実際の武術の鍛錬からは隔絶したものになっているな・・・という印象を受けました。かつて宝蔵院での槍術の修行が盛んだった頃は、もっとリアルな舞いが見られたのかも知れません。

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注目のポイントは、仮山伏が最後に行う、印を結ぶ行為です。真言または天台の「九字きり」と思しき動作を行うのですが、あまりに動作が速すぎ、目で追いかける事ができません。ビデオに撮る事もできません。少し残念です。

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棒使いが終わると、祭りのハイライトである「松引き」です。これは、2本の柱松に競争で火を付け、その年の豊凶を占うというもので、ポイントは火打ち石での点火です。

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しかし、オヒョウはその様子を見て、再び「アレッ?」と思う事がありました。 

以下 次号


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コメント 2

Dr.Y.

オヒョウさん、連休中は大変お世話になり、ありがとうございました。ご謙遜されていましたが、デジカメの写真、クリアーではないですか? 

ちなみに、関山神社の方で我々が行った時に既に終わっていたのは、角力ではなく神社拝殿への参加者の行列でした。また、私が数年前に見た時には行われていた巫女舞をやらなかったのも不思議でした。それから、拝殿内に写真が掲げられていた仏像3体は、拝殿の中にあります。非公開というだけです。
by Dr.Y. (2010-07-21 15:16) 

笑うオヒョウ

Dr.Yさま コメントありがとうございます。
間違えて古いコメントのコピーをのせてしまいました。失礼しました。

ああ、やはり間違いがありましたね。神社に行った時にすでに終わっていたのは、相撲ではなくて、行列だったのですね。 それに仏像は非公開でしたがやはりありましたね。

明日から飯山の小菅神社の方のブログを書きますので、そちらもよろしくお願いします。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-07-23 23:04) 

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