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【 日本語のローマ字化・英語化  その2 】 [雑学]

【 日本語のローマ字化・英語化  その2 】 

言葉のハンデキャップは、日本人側にあるだけではありません。既に多くの報道がなされていますが、日本で専門職として働こうとしている外国人にとって、日本語の壁は非常に厚くて高いようです。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100709-OYT1T00108.htm?from=os4

具体的には、東南アジアから来日して、看護師資格を取得しようと努力している人達が、殆ど試験に合格せず、失意の内に帰国している現実があります。 これは不思議な話です。

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彼女・彼らは母国では平均以上の学力をもった優秀な人達です。日本の看護学校生徒(大学なら学生)の平均レベルを超えると思われますが、それが合格しないというのは・・・、言葉の壁しか考えられません。

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床ずれの事を敢えて褥瘡と呼ぶ、衒学趣味が看護学界にあるのか、それとも、何らかの理由で外国人医療技術者を排除しようという、ギルド的思考が医学・医療の世界にあるのか?それなら、問題になっている大相撲の業界以下です。

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一方で、日本人の医学研究者のMCAT合格率は低いと聞いています。MCATとは米国の医学大学院の入学試験で、シンガポールなどは100%の合格率を誇るというのに、日本人医学生の合格率は先進国中で最低だそうです。

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オヒョウの知人の某医師の話では、臨床現場での処置技術などに重きを置く米国の医学部と、理論や基礎を重視する日本の医学の違いもある・・との事ですが、最大の理由は言葉の問題だそうです。

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大学入試ラインで最高の偏差値レベルを誇る医学部の学生でも英語は悩みの種・・のようです。その昔、東北大学の医学部に通う友人の下宿を訪れた事があります。彼は、ハリソン内科学の原書を示し

「お金があれば日本語版を買うのだけれど、安い原書を買ったおかげで読むのが大変さ」と嘆いていました。秀才の彼も、英語の医学書にはてこずっていたのです。 医学生だけではありません。現役の医師も同じです。なんと医師の為に英語を説明するサイトがあります。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/takahashirei/201007/515809.html・・・・・・ 

日本語が難しい為に排除される東南アジアの医療技術者、英語ができないために米国の医学部大学院に入れない日本人医師。 どちらも良質な人材なのに活躍できません。 一方で医療業界の人出不足は深刻です。 ではどうすればいいのか?

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オヒョウの提案は、日本の医学教育(看護学も含む)を明治時代の様に全て英語化する事です。学生は勉強が大変になりますが、教科書は安くなりますし、将来の留学の可能性は増します。 海外から優秀な看護師や介護士が日本で働けるようになります。日本の医学生や看護学生の学力なら、十分可能です。まったくいい事ずくめです。 ユニクロや日産自動車が会議を英語で行うのも結構ですが、白い巨塔を英語化すれば、逆に外部にオープンになります。 泉下の山本有三や梅棹忠夫も喜ぶのではないか・・。

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でもひとつだけ、ひっかかる事があります。かつて、オヒョウがある会議に出席した時の事です。その会議では、日本人の中に一人だけアメリカ人が混じっていたので、その人の為に全て英語で話したのですが、そのアメリカ人が途中で席を外してしまったのです。日本人だけになっても、惰性でしばらく英語で発言をつづけましたが、なんともマヌケな雰囲気でした。 やがてちょっとした沈黙の後に、爆笑がおこり、会議は日本語に変更されました。

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ユニクロや日産では、この種の事がこれから頻繁に起こるのでしょうね。そしていつか大学病院の中でも・・・。


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コメント 2

Dr.Y.

意地の悪い言い方をすると、オヒョウさんご自身が、全員日本人で英語の会議に参加できた、と言いたいのか?(すいません.....) NHKの“やさしいビジネス英語”には、外資系企業の日本支社で、主人公の日本人と日本人の女性秘書が、第三者がいなくても英語で話すシチュエーションがありましたが.....(まあ、英語教育番組ですから...)

こういった状況を英語帝国主義といったりすることもあって、それについては津田何とかという筑波の先生の本が有名ですね。ただ、津田氏ご自身は、アメリカで学位をとったみたいですが......まあ、こういったことを堂々と主張するのは、私も少しだけお話を聞いたことのある鈴木孝夫先生はじめ、語学能力に秀でた方が多いわけで。

私自身は、とうてい英語でディスカッションするような能力はなく、日本で開催される国際学会でさえ、怖じ気づいたりしている状態です(後で聞くと、日本語で発表可だったりするのですが......)。オヒョウさんの英語力がうらやましい限りです。
by Dr.Y. (2010-07-14 08:16) 

笑うオヒョウ

Dr.Y様 コメントありがとうございます。
特に鋭いご指摘に深謝します。 たしかに読み返してみれば、自分が英語の会議に参加できるのだ・・と自慢しているように取れます。迂闊でした。種明かしをすれば、これは格好いい話ではありません。 私が製鉄所におりました頃、海外からの訪問客の応対係みたいな雑用もしていました(私は何でもしていたのです)。
すると、外国の客1名に対して、応対者の日本人は数名で、会社の紹介や技術的な意見交換をする事になります。その中で、お客がトイレに行ったりすると、文中に示した事態がしばしば発生しました。 その頃の失敗談には事欠きませんから、その内、駄文にて
紹介しようと思います。 またのコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-07-14 09:39) 

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