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【 Rolling stones gather no moss 】

【 Rolling stones gather no moss  

同じ先祖を持ち、同じ言語を話す英国人と米国人ですが、彼らの考え方に大きな違いがあるのは事実です。お互いに相手を軽蔑したり否定したりはしないのですが、彼らと私達は違うのだよ・・という静かな思いが心の底にあるようです。

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米国人との違いを説明してくれた英国人秘書に 「そうか、人とサルも共通の祖先を持つけれど全く違うね。それとおなじ事か」と言ったら、露骨に嫌な顔をされました。 つくづくオヒョウは口のきき方を知らない阿呆です。

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ところで、英国と米国の違いを示す例えとして、よく登場するのが、同じ諺でも、両国で解釈が異なり、いい意味になったり、悪い意味になったりする・・という話です。具体的には「転石苔を生じず」 (A Rolling stone gathers no moss)です。

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読者諸兄もご存知と思いますが、英国では、これはネガティブな意味に使われます。 石の上にも三年・・というか、長続きしないようではものにならないという意味です。 一方、米国ではポジティブな意味になります。絶えず活動的である事で、或いは絶えず変化する事で、新鮮であり続けられる・・という意味になります。

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しかし、くだんの英国人秘書に尋ねると、そうとも言えないというのです。彼女は、変化を是とする米国、是としない英国というステレオタイプで考えてはいけない・・・と、オヒョウに意見します。 英国でもこの諺はいい意味に用いる場合もあり、ケースバイケースだとの事。なるほど・・・。或いは、英国内で・・・考え方がアメリカナイズされてきたという事かも知れません。英国と米国では既に多くのものがクロスオーバーしています。人間とサルの場合とは全く違うのです。

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ところで、人を転石に例える場合とは、何でしょうか?詩経 邶風篇にある、「我が心は石に匪ず」では、人格を弄ぶ事を石に例えていますが、これは他人が人格を石として扱う場合です。自らを転石にするのは、転職して自分の進路を変える場合でしょう。

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オヒョウは、転職とは本来不幸な事であると考えます。必ず何らかのロスが発生します。 それまでの経験で無駄になる部分が必ず発生します。人間関係でもシコリを全く残さない事は至難です。だから、自らを打ち込む仕事について語る場合は「転石苔を生ぜず」について(英国風)のネガティブな解釈をします。

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しかし、仕事や人生設計の行き詰まりを打開するためには、転進せざるを得ない場合があります(撤退ではなく転進です)。

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オヒョウはまた転職する事にしました。 それによって迷惑される方、不快に思われる方には、どうか諒とせられよ・・と申し上げるしかありません。

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某人から、「オヒョウ君が、ブログに『長鋏よ帰らんか』とか『髀肉の嘆』だとか『帰去来の辞』なんて書き出したら、転職を考えているサインだね」と見破られた事があります。だから今回は、A rolling stone gathers no moss. で表現しました。

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表題をRolling stones と複数形にしたのは、古い曲、西島三重子の「ローリングストーンズは来なかった」を思い浮かべたからです。

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この曲は、思い通りにならない人生を肯定したくない若い人の思いを語るものですが、実際のローリング・ストーンズもその曲、サティスファクションの中で、なかなか実人生で満足は得られない・・と訴えています。

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自己実現のための転職は、そのサティスファクションを求めての決断です。 オヒョウを求め、私に期待する人や会社があれば、そこに行き、可能性を追求します。なかなか心残りなしで転職し「駿馬は後草を食まず」という訳にはいかないのですが・・・。


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おじゃまま

犬も歩けば棒に当たると同じで、この2つの解釈どっちが本当?と
思っていましたが、両方とも『正解』だったのですね〜
私は苔が生えた石が好きです。苔が好きかどうかの違いもあったりして…。
by おじゃまま (2010-06-26 18:09) 

白熊パパ

「パンツをはいたサル」という本を書いた大学教授がいましたよね・・・。
by 白熊パパ (2010-06-28 03:03) 

Dr.Y.

私は、ストーンズは明らかに良い意味で“ころがる石”と解釈して自分たちのバンド名を創案したと思い込んでいましたので、上の英米の解釈違いは意外でした。
ともあれ、オヒョウさん、転職が内定したとのこと、おめでとうございます。新天地に幸運あれ!
by Dr.Y. (2010-06-28 09:02) 

笑うオヒョウ

おじゃまま様 コメントありがとうございます。

この言葉はもともと英国の諺だったようで、それが米国でも話され、そして翻訳されて日本でも諺として成立したようですね。だから、最初は悪い意味だったのかも知れません。
同じように、二通りの解釈がなされる諺は他にもあるようですが、現時点では片方の解釈が正しく、他方は誤りとされている場合が多いようです。出典や論拠がはっきりしている場合は確かに正誤が明確です。例えば「情けは人のためならず」の例です。

一方、英語の諺を翻訳する場合に、そのニュアンスによって訳文が異なる場合がありますが、そちらの方が問題ですね。 高校時代、Every dog has its day.というのを「娘十八、番茶も出端」と友人が訳したのを今でも正しいか迷っているオヒョウです。

またのコメントをお願いします。

by 笑うオヒョウ (2010-06-28 12:38) 

笑うオヒョウ

白熊パパ様 コメントありがとうございます。

栗本慎一郎の「パンツをはいたサル」は、モリスの「裸のサル」を逆説的に表現したものなのでしょうか?実は、前者を読んでいないので私にはわからないのですが。私はヒトも霊長類の一種で本質的にはサルと変わらない・・という考え方に半分賛成、半分反対です。
議論する事柄によって、サルと同一視して構わない場合と、そうでない場合があるのは当たり前で、私は常識的な事しか言えないのですが・・・。
それから「naked ape」が漫画家のペンネームになっているとは知りませんでした。
またのコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-06-28 12:38) 

笑うオヒョウ

Dr.Y様 コメントありがとうございます。

本当のところは、ローリング・ストーンズ本人達に訊かなければわかりませんが、彼らが悪い意味の言葉をわざわざ名前に付ける訳はありませんから、
彼らはいい意味で解釈したのでしょうね。

私の転職が成功か失敗かは、数年後にわかります。お祝いの言葉はそれまで、お預かりいたします。

またのコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-06-28 12:41) 

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