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【 青煮梅 】 [新潟県]

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【 青梅 】 

先日Y博士と新潟の弥彦山に行った時です。神社の入口のお店でうどんでも食べようか・・と一軒のお店に入りました。そのお店のお品書きに

「青煮梅 本日に限り、300円を150円」とあるのに気づきました。 

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オヒョウは、どんな買い物であれ、通常より安く買えると嬉しくなる性分です。買い物の中身が、魅力的な品物か、あるいは今の自分に必要な品物か・・・という事はどうでもよくて、上手な買い物をして得をした・・という事に満足する訳です。自分ではそのような性格をアウトレットショッピング症候群と名付けていますが、家内は私の事を、単にがめつい貧乏性だと見抜いています。

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話が脱線しましたが、本日半額という文句につられたオヒョウは、思わずきつねうどんの注文に続けて「その青煮梅ってのをひとつ」と指さしました。 

ウェイトレスの女性(おそらく昭和の時代には美人だったと思われる上品な人)は、「では食後にお持ちしましょうか?」と答えます。

(・・すると青煮梅というのは、食後のデザートみたいなものなのか・・)

「 ええっと、ところで注文してから訊くのも変だけど、その青煮梅ってどんな食べ物ですか? 」ウェイトレスは、怪訝な顔をしましたが、説明をしてくれました。

「 これは焼酎に漬け込んだ梅の実の皮を向いて、糖蜜のシロップで煮込んだものです。デザートとしていただけます 」

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ああ、なるほど、梅酒の瓶に漬け込んである梅の実みたいなものだね。子供の頃、あの梅の実を食べるのが大好きだったけれど、なにせ焼酎が染み込んでいるから、子供は1個しか食べてはいけない・・と厳しく言われたものだ・・と納得しました。

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踵を返して、調理場に向かうウェイトレスに、オヒョウは再び質問しました。

「あっ! それでその青煮梅を食べた後、車を運転したら飲酒運転になるかね?」

彼女は再び怪訝な顔をして、回答に窮した様子です。

「 さあ、どうでしょうか。お酒を飲まれない方は奈良漬を食べても酔われますし。なんなら、お子様用に梅の実を抜いてシロップだけでもおだしできますが?」

「いえ、結構です。梅の実付きでお願いします」

実際、オヒョウの体重当たりのアルコール量で考えた場合、梅の実1個が含んでいる焼酎の量では酒気帯びになるはずもないのです。

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でも世の中には、小柄な人も、アルコールに不慣れな人もいます。その方たちは、ウィスキーボンボンを食べても、洋酒チョコレートを食べても、あるいはスタミナドリンクを飲んでも、酔ってしまうかも知れません。彼らには勧められないデザートのようです。

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再び調理場に戻ろうとするウェイトレスに、オヒョウはもう一度声を掛けようとして止めました。もうひとつ気がかりな事があったのですが、これ以上、くだらない質問で、彼女を煩わすのは、まずいと思ったからです。

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オヒョウの頭の中では、「あおに・・・」とくれば、自動的に脳内ワープロで「青丹よし」と変換されます。つまり鮮やかな青と鮮やかな赤のコントラストが美しいありさま・・を意味します。しかし、お品書きには「青煮梅」です。これは漢字の間違いではないのか? 一体何色の食べ物なのか?

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出された、器の中は、緑色だけです。確かに青梅を煮ているので青ですが、実際は緑です。赤色はありません。

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オヒョウなら、器に紅梅の花びらでも添えて、お品書きを青丹梅とするのですが、そこまでの工夫は無いようです。そして、ちょっとがっかりしたのは、梅の香りが全くしない事です。梅の実の青酸を無毒化するためにアルコールに長期間漬け込んでおけば、香りなど飛んでしまってもしかたありませんが、ちょっと詰まりません。このデザートは確かに美味しかったのですが、梅の実固有の味わいを活かしていないように思いました。

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ちなみに、オヒョウの家がある茨城県の名産品である、のし梅は単なる梅のゼリーですが、竹の皮をめくると強い梅の香りがします。

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実は、オヒョウはバラ科の植物の果実は全て好きです。その中で、梅の実は生で食べられない代わりに、いろいろな食べ方があり、日本の食文化にとって大きな存在です・・・。と考えたところで、思い出しました。日本では梅の実といえば、紀州の南高梅だとか、水戸の偕楽園の名物の梅を思い浮かべますが、本当は中国が梅の本場のようです。 梅の実の食べ方も、中国にはいろいろあるようです。

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でも、中国には、日本と同じ味の梅干しはないようです。あの唾がたくさん分泌されるくらいの酸っぱさと塩辛さを持った梅干しは日本ならではの味覚かも知れません。

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以前 デュッセルドルフの日本料理店で、「日本食は大好きだ。刺身だって味噌汁だって、何でもOKだ」と豪語するドイツ人に言い返した事があります。

「梅干をおいしいと言えなければ、日本食ファンとは言えない。 そして本当の日本食ファンとは納豆イーターだ 」と言って、困惑させたのです。 彼はよく分からない様子だったので、その場に梅干を持ってこさせ、味見させました。予想を超える酸っぱさに驚いた彼の顔を思い出します。

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オヒョウなら、甘ったるいだけのデザートでなく、紫蘇で赤くした梅干しも青梅と一緒に器に入れてアクセントにし、梅の爽やかな香りを持たせて本当の「青丹梅」とするのですが・・・。

でも、それでは、やはり150円のアウトレット価格は無理かな?


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