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【 ゆらぎの人 その2 】 [政治]

【 ゆらぎの人 その2 】 

「たまゆら」という言葉は、風に揺れる勾玉が、互いに触れて、かすかな爽やかな音を立てる様子を示すとの事で、風にそよぐ刹那の時間を意味するとの事です。川端康成の小説「たまゆら」は彼の作品群の中では傑作とは思いませんが、美しい名前の小説です。そしてNHKの朝の連続TV小説にも「たまゆら」という作品がありましたが、川端の小説は全く違うものでした。

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しかし、オヒョウは「たまゆら」という言葉にちょっと疑問を感じるのです。オヒョウが暮らす上越の西の糸魚川地区には姫川が流れ、その流域では翡翠が取れます。その翡翠を加工した勾玉の実物が博物館に展示されていますが、はたして勾玉が風に揺れて音を立てるのだろうか?とオヒョウは考えます。小さく、そして密度の高い勾玉が風にそよぐか・・不明です。そして触れ合った時に音がするか?もし音がするなら、非常に硬い翡翠ですから、チーンと高くて澄んだ音がするはずです。

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オヒョウは「たまゆら」とは勾玉の揺れではなく、「たましいのゆらぎ」ではないか?とかってに考えています。古代から、人の心は揺らぎます。額田王だって、二人の男性の間で心が揺れたはずです。これはたましいのゆらぎです。

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古代人の間では、たましい(霊)は、今よりもずっと身近な存在であり、存命中もあの世に行ってからも、たましいは大事だったに違いありません。人間ですから迷い、そして思い悩む訳ですが「たましいのゆらぎ」は、生者の場合も死者の場合も、鎮めるべきもの・慰めるべきものであったとオヒョウは考えます。勾玉が触れ合うかすかな音が鎮魂に役立ったかどうか、現代人には確認のしようもありませんが。

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オヒョウには、自然界の「量子論的なゆらぎ」よりも、「人の心の揺らぎ」の方が、ずっと身近に感じられます。だから、鳩山首相も方針のブレを指摘された時に、物理学の話などせずに「人の心(たましい)とは揺らぐのがあたりまえだ」とでも言えば、一部のマスコミに噛み付かれずに済んだかも知れません。人々が納得するとは思えませんが・・。

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そう言えば、鳩山首相は留学中に人妻であった幸夫人を略奪婚の形で奪取したとの事。彼と彼の奥さんも、額田王のように「たましいのゆらぎ」を感じたのではないでしょうか?

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かくいう、オヒョウはどうか?この年齢になると「たましいのゆらぎ」はあまり感じません。美しい女性の揺れるまなざしを見て、心が揺らぐなんてこともありません。首相の様に「宇宙はゆらぎに満ちている」なんてうそぶく訳にはいきません。

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ただひとつ、酒場からの帰り道の足取りは、しばしば確率論的になり、酔歩問題をみずから実践する事はあります。確かに足元には「ゆらぎ」があるのです。


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おじゃまま

私としてはホントに翡翠の音を聞いてみたいものです…。
by おじゃまま (2010-03-15 17:05) 

笑うオヒョウ

おじゃまま様 コメントありがとうございます。

私も翡翠の触れ合う音を聞いた事がありません。ところで翡翠といえば、本当の本場はやはり中国ですね。翡翠の杯で乾杯すると、澄んだ音がするのだそうです。 中国の杯は翡翠でも、玉でも夜光でも、薄ければ薄いほど上等という事になっていて、音色もいいのだそうです。私が当地で買った玉杯は、分厚くてぶつけても、音がしません。 一度機会があれば、夜光の杯で葡萄酒でも飲んでみたいと思いますが。
またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-03-16 02:17) 

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