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【 茨城空港 】 [航空]

【 茨城空港 】

いろいろマスコミで批判されている茨城空港が完成しました。これはどう考えても、黒字にならない地方空港の典型かも知れません。それに正直言って茨城県民もこの空港を熱望した訳ではありません。でも橋本県知事も、額賀福志郎もそのあたりは理解した上で、この空港を完成させました。 それはなぜか? ちょっと考えてみます。

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関東地方(あるいは首都圏)の空港の処理能力を考えると、将来的に不足する可能性は依然としてあります。 ここ数年は極端な不景気で航空需要は低迷していますが、長い目で見れば、旅客数も航空貨物の取り扱い量も増加すると思われるからです。

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空港処理能力を増やす方策は2つあります。

1.首都圏第3空港を作る。

2. 既存の成田・羽田の能力を拡充する。

現在は2.が中心で、羽田の拡張工事が最終段階に入っている事は、ご承知の通りです。

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1.の新空港建設を実行するには、用地の確保、莫大な工事費といった問題の他に空域の確保という問題があります。南関東の管制空域は、横田基地、羽田空港、百里基地、成田空港などの管制空域が複雑に入り組んでいます。そこに新たな空港が割り込む余地はほとんどありません。 新空港の建設は物理的に難しいのです。

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茨城空港は、航空自衛隊百里基地に同居する空港で、新たな管制空域の確保などの問題がありません。 だから第3空港といっても多くの問題を回避できます。この方式は航空自衛隊小松基地に同居する小松空港(小松飛行場)と同じ方式であり、空港経営としては合理的です。

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・首都圏第3空港を作るには、既存の軍事基地を流用するしかなかった。

・しかし米軍の横田基地や、厚木基地(自衛隊もいる)は難しい。

・だから自衛隊の百里基地を用いるしかない。

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しかし、交通の便の悪い茨城空港は、本当に首都圏第3空港になりうるのか?といえば疑問です。 欧米の場合、大都市周辺の第2空港、第3空港は、格安エアラインやチャーター便が使う事で、一定の存在理由がありますが、日本では難しいのです。

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では、何のための茨城空港か?といえば、別の理由がありそうです。本当は、民間空港新設は隠れ蓑で、2本目の滑走路の建設に意味があったのではないか?とオヒョウは思います。

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日本には民間空港も航空基地もたくさんありますが、複数の滑走路を持つ飛行場は少ないのです。 羽田、成田、関空、伊丹、千歳、新潟など少数です。特に軍事基地の場合、本当は複数の滑走路が望ましいとされます。滑走路が1本の場合、その滑走路を破壊されたら、基地の機能が全て麻痺する訳ですから・・。

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しかし、2本の滑走路を持つ自衛隊基地は千歳だけです。百里にも・・・もう1本作りたいと思っても、これは自衛隊の基地能力強化、つまり軍事力強化ですから、簡単ではありません。周辺諸国を刺激する可能性もあります。そこで、民間空港建設にかこつけて、もう1本滑走路を作ったのではないか?・・とオヒョウは考えます。

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同じような事をした例は他にないか?と思ったら、ありました。自衛隊小松基地(小松飛行場)には、公には滑走路が1本となっていますが、すぐ近くにもう1本並行滑走路があります。ただし現在使用中の滑走路との間隔が狭い事から2本とはみなさない・・・という事になっているのです。千歳基地にも、使われていない滑走路が2本、亡霊の様に残っています。

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なんだか姑息なようですが、空軍基地の抗堪性を考えた場合、滑走路の複数化は重要で、その数をうまくごまかして、少なく見せるという手法もありなのです。 もっとも、地上にいる人をごまかせても、空から見れば滑走路の数は一目瞭然です。マスコミは、茨城空港を静岡空港や福島空港と同一視していますが、本質はかなり違う・・・とオヒョウは上からの視線で、思ってしまいます。


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