SSブログ

【 SAPの行方 】

【 SAPの行方 】 

昔、ロンドンにいた頃、システム・コンサルタントの会社を訪問した事があります。当時、斬新なシステムを提案して急成長していたSAPCAP Geminiです。 日本からの出張者にくっついていっただけですが、その出張者は製鉄会社がコンサルタント契約する相手を探していたのです。

・・・・・・

どちらも、応対が的確で、プレゼンテーションも明解で、すごい会社だな・・・と思いました。頭の回転の速い人達ばかりの会社だなと思った記憶があります。 私はスマートな人達と話をした時に感じる爽やかな緊張感を味わいました。

・・・・・・

しかしその後の10年で、状況は大きく変わりました。CAP Geminiは日本法人がNTTデータの傘下に入り、サガティという会社に名前が変わりました。 SAPの方は依然ERPパッケージを売る業界では依然最大手ですが、経営が悪化し、大リストラをした上に、先日CEOが更迭されてしまいました。http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100208/344322/ 

同じく、10年前には勢いがあった、SUN Microsystemsも経営が悪化し、ORACLEに買収されてしまいました。しかし、ORACLESUNの事業を消滅させるのではなく新たに人材をスカウトして投入し、強化する方針の様ですが。http://journal.mycom.co.jp/news/2009/04/20/069/index.html 

・・・・・・

栄枯盛衰は世のならいですが、IT業界の変化の速さには、驚きます。そのSAPが面白いソフトを発表しています。

・・・・・・

ひとつは、企業のサステナビリティを診断評価するソフト。http://it.nikkei.co.jp/business/news/release.aspx?i=242813 

製造業などに比べて遥かに短寿命のIT産業が、サステナビリティ評価ソフトを作るというのは、なんだか悪いジョークみたいですが、ERP業界で生き残っているSAPだから、許されるのかも知れません。

・・・・・・

ではサステナビリティとは何か?という問題ですが、事業の維持継続性とでも訳せばいいのでしょうか? 一時期、世の中には会社の寿命30年説などというものもありましたが、その根拠はどうも抽象的で30年という数字を裏付ける証拠はありませんでした。

・・・・・・

オヒョウは、その企業に、社会的に認知された本業があり、人材の新陳代謝がちゃんと行われていて、時代の変化に対応するための改革が継続されれば、企業は何時までも存続するものだと思います。

・・・・・・・

SAPが提供するこのソフトは、サステナビリティ評価というか、定型のCSR報告書を自動的に作成するソフトです。注目すべきなのは、各国各社でバラバラのCSRの内容について、GRIという世界標準の認定を受けているという事で、それを世界標準とする提案をしている事です。

・・・・・・

では具体的な内容は何か?と言えば、多くの項目が含まれますが、その中にはCO2排出量の削減実績などの環境対策の評価指数もあります。 SAPは数年前から欧州の環境評価のソフトウェアを作成する会社を吸収合併しており、そのノウハウを織り込んだものだと思われます。

・・・・・・

更にSAPCO2排出量をリアルタイムに把握して、評価するソフトウェアを開発して売り出しました。

 http://www.sankeibiz.jp/business/news/100204/bsb1002040500000-n1.htm 

オヒョウはこのプログラムは非常に重要だと思います。

・・・・・・

なぜなら、世界がCO2を削減するといっても、統一的な評価システムはなく、テンデンバラバラに自分たちはCO2を削減したと自画自賛する事が予想されるからです。とにかくお金が絡んでいて、しかも目標を達成したか否かが、外交の力関係に反映するとなれば、かならずごまかす国がでてきます。それ以前に、測定評価方法が不正確である可能性もあります。 各国が報告する削減実績のデータが信用できなければ、COPは大混乱になります。

・・・・・・

今のままでは・・・そうなる可能性大です。それを防止するためには、評価プログラムを統一して、世界中で同じ方法で計算する事です。そして自分の国ではなく権威ある国際機関が、主要国のCO2排出量を計算すべきです。

・・・・・・

これまで、その種の世界標準となるソフトウェアが無かった事が不思議ですが、もし提案するならSAPの様な会社であろうとオヒョウは思います。

・・・・・・

企業活動のグローバル化で、いろいろなソフトウェアで世界標準(デファクトスタンダード)ができつつあります。航空機の設計CADではCATIAが世界標準になりつつあり、NC工作機械のプログラムはFANUCが普通になりつつあります(他のメーカーの方、独断的な言い方で済みません)。

・・・・・・

環境負荷や資源利用効率の面で、それらを評価するプログラムの世界標準ができてもいい頃です。ひょっとしたら、世界標準ができて各国比較ができた場合、日本のメーカーが評価順位の上位を独占する可能性が高く、それを嫌がる諸国が反対しているのかも知れません。

・・・・・・

日本の環境省や経産省が、SAPの提案をどう評価するか、寡聞にしてオヒョウは知りません。でもこの種のプログラムはお役所がお墨付きを与えなければ普及しません。 日本の役人は何を考えているのか・・・?それとも、それを研究する様な事業は仕分けされてしまったのか?

私はちょっと心配です(ちょっとだけだけれど)。

3519154
nice!(9)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 9

コメント 4

おじゃまま

ここに書かれたことの半分も分かりませんが、
ずーっと疑問だったのは、「CO2って、どうやって測るのよ?」
今まで統一基準というか、プログラムがなかった、というのも
驚きましたが、「…やっぱり、測れるんだ…?」
まぁ、測らないと、「削減」も出来ませんからねぇ…。

それにしても、CO2削減にホントに意味があるのか…?
「意味ない」と言う人もいるようですが…。どうなんでしょう。
by おじゃまま (2010-02-12 00:58) 

笑うオヒョウ

おじゃまま様 コメントありがとうございます。
わかりにくい雑文で失礼しました。

笑うオヒョウが内容がわかりにくい場合、原因は2つあります。

1.アルファベットの3文字熟語などの専門用語を多用して、その言葉をご存知ない方には意味不明となる場合。

2.オヒョウ自身が深く理解していない生煮えの知識を振り回す場合。

今回はその両方ですが、わかりにくい文章の場合、アクセス数がてきめんに減少するのでよく分かります。反省します。
CO2削減の意味については、大きな問題なので、コメント欄に下記きれません。
稿を改めて、私の管見を述べたいと思います。

次のコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-02-12 12:29) 

上野まり子

こんにちは 上野まり子です。

応対が的確で、プレゼンテーションも明解、頭の回転の速いスマートな人達ばかりとの爽やかな緊張感のある会話、とても良く解ります。
誤解を承知でお話しすると、そのような人達ばかりだったらどんな気分が良いかと思ってしまいます。
グローバル化と言われる現代には世界基準は全てのジャンルに於いて必要なことでしょう。
また邪魔します。
by 上野まり子 (2010-02-15 15:45) 

笑うオヒョウ

上野様 コメントありがとうございます。

多分、上野様も外国の人達との様々な交渉事などて、
難しいお仕事をこなされているものと推察します。

私のささやかな経験からもうしますと、例え手強い相手でも、
交渉相手に理解力と判断力がある場合は、仕事にやりがいと手応えを感じて痛快です。 もっとも困るのは、説明しても分からない頑迷な人達です。
多分、上野様も私の意見に、賛成されるのでは?と推察します。

またのコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-02-15 20:41) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。