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【 両角良彦とCANDU炉 その2 】 [政治]

【 両角良彦とCANDU炉 その2 】 

電機、自動車、鉄鋼、電力が頑張らなければならない・・というと春闘の賃上げ相場みたいですが、これはCO2排出削減の取り組みの話です。

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特に御三家と言うべき、鉄鋼、電力、自動車の3業界が真剣に取り組まなくては、CO2削減は実現しません。スーパーのレジ袋を無くすのも、暖房便座のスイッチを切るのも結構ですが、産業界で思い切った対策を講じなければ、焼け石に水であり、CO2は減りません。

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御三家の内、自動車業界は、電気自動車やハイブリッドカーの比率をうんと増やす事でなんとかなるでしょう。 鉄鋼業界については・・門外漢のオヒョウは知りませんが、優秀な人が多いと聞いていますから、何とかなるのでしょう。

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問題は電力です。 風力だの太陽光などと眠たい事を言う人もいますが、電力業界に於いて、CO2削減のポイントは下記の2点です。

1.原子力発電所の稼働率向上。

2.石炭火力発電の中止。

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2.について考えた場合、日本では石炭火力発電の比率は、米国や中国より低いのですが、発電所はそれなりに存在します。特に目立つのはJ-Power(電源開発)と、IPPです。

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一昔前に、石炭を燃やす技術に土地勘がある、製鉄会社が競ってIPPの火力発電所を建設した事があります。神戸製鋼所の水越社長(当時)などは、IPPの火力発電所が稼働開始した時に「これで(鉄鋼の様に)景気に左右されずに、安定した収益があげられる」と感涙にむせんだのですが・・・、それらの石炭火力は全部停止するしかありません。 そうでなければLNG火力に転換する必要がありますが、そうなると巨大な設備が無駄になり、また新たに莫大な設備投資が必要になります。

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実際にそれをするなら、鉄鋼業のIPP事業は全て破綻するでしょう。それを考えると「CO2排出マイナス25%」という思いつきの提案の罪深さを感じざるを得ません。J-Powerの場合、石炭火力発電所を止めるとなると、代わりに原子力発電所が必要になります。両角氏遺恨のCANDU炉を考えるべき時期です。

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日本が責任をもって取り組むべきは、原子力発電所の稼働率の向上です。 日本の原発稼働率は、世界平均と比べると、かなり低い水準になっています。 一つの原発に原子炉が3基あっても、定期点検だの燃料棒交換だのといって、常時、1基は止まっているありさまです。東電柏崎刈羽原発では、2年以上前に発生した地震で、建屋が崩れた訳でもないのに、1~5号機は復旧の期日さえ未定のままです。ゆっくり、ゆっくり復旧作業をしています。民間企業の工場の定期修理や保全日の作業の様に、一刻も早く作業を終えて、再稼働させたい・・・という気配は全くありません。

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その原子炉で、稼働率の高さを誇るのがCANDU炉です。CANDU炉で故障やトラブルが少ない理由については、多くの事が考えられますが、最大の理由は重水炉だという事です。重水を中性子の減速用にも冷却熱用にも利用する事で構造を単純にできることが大きいと思います。

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原子力発電所を増やす必要に迫られても、再処理施設や燃料工場の能力をすぐに上げる訳にはいきませんし、高速増殖炉はかなり先の技術です。 そしてCO2削減は待ったなしです。オヒョウはそれらの問題解決には、CANDU炉が最適だと思います。それに、CANDU炉は、大量の電力を消費する遠心分離型のウラン濃縮工程がありません。その分エネルギーを使わず、CO2を出しません。

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30年前に、唯一人CANDU炉の採用を訴えた両角良彦は、先見の明がある人で、ただのナポレオン研究者ではなかったのかも知れません。そして勿論、今 民主党やマスコミが叩きまくっている凡百の官僚でもなかったのでしょう。 オヒョウはそう思います。


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