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【 放蕩息子の帰還 その2 】 [航空]

【 放蕩息子の帰還 その2 】

 そもそも、日本航空は今の時代に必要か?・・という議論があります。

日本に大手航空会社が1社しかなかった時代と異なり、今は全日空があるからです。

全日空の独占を許すべきではない・・・という独禁法的な観点から、日本航空の存続が必要という意見もあります。 

前原国土交通相あたりの意見ですが、それを言い出せばJRも同じ事です。競争相手として陸上交通機関が充実している日本では、競争相手は地上にもあり、国内線に本当に2社体制が必要かどうか疑問です。

現実に国内線が1社しかない国は多くあります。

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それでもオヒョウは日本航空を昔の特殊会社の形で存続させるべきだと思います。日本と日本国民にとって必要だからです。でも勿論今のままの日航でしたら意味がありません。

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オヒョウの記憶に残るのは、1985年のイランイラク戦争時の在留邦人のテヘラン脱出作戦です。

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イラクによる無差別の攻撃が宣告され、テヘラン在住の外国人は先を争って、イランを脱出しました。空港には各国の飛行機が自国民の救出の為に到着しましたが、ついに日の丸を付けた飛行機は現れませんでした。

戦争区域へ飛行機を飛ばす事は、乗務員を危険にさらす事になるとして、日航も全日空も、飛行機を飛ばす事を拒否したからです。イラクの無差別攻撃開始のタイムリミット直前に日本人の救出に現れたのはトルコ航空機です。

この感動的なエピソードはTV番組でも紹介され、日本人の多くが知っています。でも邦人救出を拒否したエアラインについては詳しく語られませんでした。 

あの時テヘランにナショナルフラグキャリアーの飛行機が来なかったのは米国と日本だけです。

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オヒョウが思うに、一旦緩急があった時に自国民を助けに来ないエアラインなど必要ありません。

邦人が危険に曝されるかも知れない時、乗員の安全を優先して助けに来ないエアラインに国費を投入すべきではありません。

そりゃ乗務員の生命も大事ですが、そんな事を言えば消防隊員や海保の海猿やドクターヘリのパイロットは出動しなくてもよい事になります。日本には純粋な営利企業ではなく、国家の使命を受け、国民の生命財産を守るエアラインが必要なのです。 外国と同じ様に・・。

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テヘランの事件の後、日本は政府専用機を2機導入しました。しかし、大型のジャンボ機は専らVIPの外遊に使われるだけで、あまり役に立っていません。豪華な専用機を飛ばすことで自慢できるかも知れませんが、無意味です。VIPの外遊専用機はグローバルエクスプレスで十分です。国内移動ならホンダジェットで十分です。乗り切れない随員や報道陣は、エアラインのエコノミーを使えばいいのです。

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非常時の邦人救出に使うには、菊の紋章の入った座席のあるような政府専用機は全く不向きです。むしろ全席エコノミーのB-777あたりを10機程度用意すべきです。しかし、いつ飛ばすか分からない大型旅客機を10機も抱えておく事はできません。息のかかったエアラインから何時でも優先的に借り出せる様にすべきです。

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「そんなアホな、モーゼに率いられたユダヤ人のエジプト脱出じゃあるまいし、一挙に日本人が外国から引き上げる事などありはしないさ」という人もいるでしょう。 でももし、イランのアフマニネジャド大統領が、イスラエルに核ミサイルを明後日に撃ち込むと宣言したら、世界はパニックになります。3方を敵国に囲まれたイスラエルに住む多くの日本人は、陸路で脱出できません。共産党系の日航運行乗員組合は勿論飛行機を飛ばしません。さてどうするか?

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或いは、江沢民時代の様に、中国で政府主導の反日活動が盛んになれば、上海の日本人は脱出する必要に迫られます。そんな馬鹿な・・と思うかも知れませんが、在上海の日本総領事館が投石を受けて窓が割られ、日本料理店が破壊されたのはほんの数年前です。過去には義和団事件の時、上海の外国人が多く殺されています。・・・

ちなみに、義和団の事件は現代の中国の歴史教育では非常に奇妙な評価になっており、外国人が迫害された事は隠されています。その辺りは、また別項でとりあげます。

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或いは、四川大地震や唐山大地震と同じ様な大震災がもし北京や天津で発生すれば、現地の在留邦人は、日本に避難する事になるでしょう。中国でも日本と同様、まさか・・と思う場所で地震が発生するのです。

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つまり、いつ何時、大量の日本人を地球の裏側から救出する必要が生じるかも知れないのです。 アメリカならば空軍を使うでしょう。日本の自衛隊の輸送機は遠くまで行けません。他の国はナショナルフラグキャリアーの飛行機をチャーターするでしょう。日本人は・・・またトルコ航空機が来るのを待つのでしょうか・・? 

オヒョウが国土交通大臣だったら、国費を注入すると同時に下記の項目を実行します。 

1.日航の経営陣を全員交代させ、さらに大幅に減資します。最終的には株の過半を国が持つ特殊会社に戻します。長期債務については、国が肩代わりします。

2.JASから引き継いだ、田舎の路線バスの様な不採算路線は全て放棄します。静岡空港みたいな、かまぼこ屋の趣味の空港には飛ばしません。

3.JASから引き継いだ飛行機も全部売却します。いや、それどころか、全ての機材を売り払い、リースとして借り受けます。少しでも現金を作り、借金を返します。

4.JALウェイズやトランスオーシャン航空、日本貨物航空、ホテル日航は全て売却するか、独立採算にします。

5.特殊会社にした時点で、社員は準公務員の資格とし、労働三権を制限します。組合は取り潰しです。

6.政府が要請した場合、具体的には、邦人の救出や国益の保護の為には、必要な機材と乗員を供出させます。会社や社員には拒否権がありません。 

一方で、採算が見込める路線については、優先的にスロットを与えます。例えば、羽田空港は来年、新滑走路の完成で発着スロットが増えますがこれは優先的に日航に渡します。

全日空はブウブウ言うでしょうが、国民の財産であるエアラインが潰れるかどうかの瀬戸際です。我慢して貰いましょう。

それらが実現すれば・・・、

金食い虫の放蕩息子が、再び国営の特殊会社として戻ってくるのです。聖書にあるとおり、国は暖かく迎えるべきでしょう。

ところで、こうしてみると、日航の再建策(あくまでオヒョウ案)と昔の国鉄民営化はかなり違います。 その対比は次号で議論します。


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