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【 産業を嫌う行政 その1 】 [ビジネス]

【 産業を嫌う行政 その1 】 

民主党の公約である、消費税率の4年間据え置き、児童手当の支給、ガソリンの暫定是率の廃止、最低賃金の引き上げ、インド洋の給油の不延長、高速道路の無料化、等々について腑に落ちない点があります。 

彼等がそれらを真面目に考えて、実現可能と確認して提言したのか、それとも選挙対策で口からでまかせで言ったものかを検証する必要があります。

それを判断する一つのポイントは、CO2削減目標のマイナス25%という数値です。

既に、他のブログで申し上げましたが、民主党のマイナス25%という数字は実現可能な対策の効果を積み上げて計算したものではなく、自民党が提示した数値が、諸外国に対して恥ずかしいものだから、格好いい数字を口にした・・・というものです。

これは非常に危険な手法です。 政治や行政は見栄やかっこうよさを気にして行ってはいけません。 特に外国に対するコミットメントは、まじめに検討した結果を基に行うべきで、つまらない言質を相手に与えると、国が信用を失うか、または国民が過大な負担を負う事になります。

これについては、別稿で考えてみたいと思います。

・・・・・

環境対策の目標に検討なしの数値を持ち出してくるなら、財政の問題も精査された数値を基に公約を発表しているとは、とても思えません。 消費税率は上げない。高速道路は無料化します。児童手当は出します。年金は保証します。という公約に対して「財源はどうするか?」と訊かれて「予算の無駄を省いて捻出します・・」という回答では全く不安です。

無駄を省いて・・というのは小学生でも言える説明ですが、具体性に欠ける説明を信用する事はできません。

ひょっとして、日本国民は野党の毛針にひっかかってしまったのか・・・。

(特別国会以降は、彼等は与党ですが・・)。 

耳障りのいいバラ色の内容を並べた、民主党の公約ですが、実は一貫している点が一つあります。 それは「産業経済を憎む」という思想です。

 どういう事か・・と言えば、

1. 公約には経済成長に対しての記述がなく、目標値も、経済成長を促すための施策についての記述もありません。実はCO2の削減目標と経済の成長目標の間には密接な相関があり、経済成長率によって、CO2の排出量は大きく変わります。換言すれば、経済成長の見通しなしにCO2排出量の見通しは立たないのですが、これには言及していません。これはCO2削減目標の根拠が無いことを意味します。 そして経済成長を促す為、或いは産業を振興する為の具体的な施策もありません。 グリーン何とか・・と言い、環境関連の産業が発展するだろうと予測していますが、政治的メッセージをよく分からないカタカナで表現する時は、無内容であるのが一般的です。 

2.経済成長を考える時は為替相場や貿易収支なども重要なポイントですが、これについての具体的な記述がありません。 輸出依存型から内需拡大型へ経済を切り換えて、米国経済の乱調に振り回されない・・という方針らしいですが、そんな事は当たり前の事でプラザ合意以降の自民党も言っています。中国の様に、為替相場を管理し、国際競争力を維持するためのしたたかな施策には興味が無いようです。 

3.最低賃金を上げ、一方で雇用を守り、非正規雇用を禁止する方針は一つの思想として評価できますが、実行には困難を伴います。これは、企業収益の労働分配率が低下し、資本家側だけが儲かっている時、或いは阿漕な儲け方をする悪徳企業がはびこっている時には、意味を持ちます。 そして景気がいい時や経済成長が続く時には、この政策は意味を持ちます。 もっと言えば、今の中国こそ、最低賃金や雇用を保証し、勤労者の人権を守る必要があるのですが、日本では微妙です。不況で苦しい零細企業に最低賃金のアップと非正規雇用の正規化を求めれば、倒産するか、海外に逃げ出すだけです。 

4.そして産業界にとって、極めて重要な意味を持つのはCO2排出量の削減目標です。これは一部の製造業にとっては「日本から出ていけ」という事と同じ意味です。 民主党の政策には産業経済を育成するのではなく、押さえつけようとする意図が伺えます。

・・・・・・・

製造業を嫌い、工場を締め出そうという考えは、常に一部の人にありますが、多数派にはなりませんし、それが実行される事も希です。

しかし、過去に実際に実行された例をオヒョウは知っています。それは米国のカリフォルニア州の例です。 その内容と悲惨な結果については次号で述べます。

 


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