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【 だ誰か く薬をくれ・・・・ その2 】

【 だ誰か く薬をくれ・・・・ その2 】 

今の日本で、一度に大量の医薬品が必要になるということはあるのでしょうか?

パンデミックとか言われる、伝染病の大流行が発生すれば、確かに医薬品の不足は問題になります。 しかしそれでも1日で数千万人が発病する訳ではありません。 

治療薬にしても、予防ワクチンにしても、不足する見通しが明確になってから、飛行機で海外から運んでも間に合うのです。 

では、突然、大量の薬が必要になり、その不足が深刻な問題となる場合はあるのでしょうか? もしあるとすれば、天然の疫病ではなく、事故か人為的なテロ、戦争でしょう。

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地下鉄サリン事件の時、 早期に中毒の原因がサリンガスだと判明し、有機リン系の毒薬用の解毒剤が迅速に用意され、治療に使われたのは、ある意味で不思議でした。 太平の時代、一体誰が、サリンガスでの大規模なテロを予想し、そして解毒剤の準備をしたのでしょうか?誰も語りませんが、おそらく、その前の松本サリン事件で、一部の研究者は、その凶器がサリンガスであり、今後もテロに使われる可能性があると予想していたのでしょう。

だから事件がサリンガス中毒であると判明した後の医療体制は迅速で、犠牲者の数を抑えたのだと思われます、 ただ、予測していた事がばれてしまえば、遺族や被害者から、「それなら、何で事前に対策を取らなかったのか?」と非難される事必定で、関係者は口が裂けてもその事を言えないのでしょう。

忌まわしい毒ガスのテロはもう起きない・・・と仮定した場合、日本で一度に大量の医薬品が必要となる事態は、他にないでしょうか?

ひとつだけ考えられます。 そしてその時、必要な薬品はヨード剤です。

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今、電力不足に悩む中国は猛烈な勢いで原子力発電所を建設しています。 その多くは沿海部にあり、西側の技術を導入した軽水炉ですが、操業は原発の扱いに不慣れな地元の小規模発電事業者が行います。そして一旦事故が起これば、放射能被害は中国ではなく、偏西風で死の灰が運ばれる日本でより深刻になります。

以下はそのシミュレーションです。

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ある日突然、新潟県柏崎のモニタリングポストの放射能計測器が警報を出します。高田高校の物理準備室にあるガイガーカウンターも反応します。 

「 東電の柏崎原発が事故を起こしたぞ! 」と人々に緊張感が走ります。しかし、原発は普段と同じで何の変化もありません。やがて、石川県能登の志賀原発付近のモニタリングポストも反応します。若狭湾一帯の原発銀座の放射能監視装置も一斉に反応します。

この時点で人々は、この厄災が全国規模で発生したもので、その原因は日本ではなく海の向こうの中国の原発だと知ります。しかし、中国政府は沈黙を守り、原発事故を隠します。

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日本政府は、人々に、死の灰を避けて屋内に閉じこもり外出しないように指導する一方、危険地域の人々に放射能起因の疾病を予防するヨード剤を配ろうとしますが、数が全く足りません。

「 子供優先だ、子供の甲状腺を守ろう ! 」と、小学生以下に優先して投与しようとしますが、そこに割り込む人がでます。 白衣を着ています。

「 医師が優先だ。医療関係者の健康をまず保証しなければ、その後の  医療行為が実行できず、さらに被害は広がる 」理屈はもっともですが、その態度は尊大で「 医師は他の人より偉いのだから、先に薬を貰って当然だ 」と言わんばかりです。 その風貌は昔の武見太郎を彷彿とさせます。

 結局、医師でも子供でもない普通の大人には、ヨード剤は廻ってきません。 

空には死の灰が漂っています。 トホホ どうしよう・・・。 

仕方なしに、オヒョウはヨード卵を買いに、ドラッグストアへ走りますが、ヨード卵は売り切れ、それどころかイソジンもヨードチンキまで完売しています。 

オヒョウはやっと手に入れた酢昆布をシガシガと噛みながら、これで果たして放射能対策のおまじないになるだろうか・・と考えます。

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以上は全く荒唐無稽なシミュレーションですが、オヒョウには苦い記憶があります。 英国から帰国して間もない頃、茨城県東海村で臨界事故が発生し、微量の放射能が、外界に漏れました。 そして翌日、北茨城から鹿島の製鉄所に到着したトラックのタイヤは、しっかりガイガーカウンターに反応しました。

その頃、茨城県に暮らしていたオヒョウは、家族を放射能から守るにはどうすれば良いか?を考えました。 ヨードの摂取がいい・・というのは聞いていましたが、薬品はあるのか? どこに行けば処方して貰えるのか?

実は、東海村や大洗などに原子力施設を多く抱える、茨城県でしたが、県民を守る薬品の備蓄などありませんでした。

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もし、放射能が拡散する事故が全国規模で起こったら、薬は全くたりません。 

日本国内の原発は、概ね安全に管理されていますし、万一事故が起こっても、被害地域は局所的です。でも中国で操業する原発は日本のそれより危険だと考えるべきです。そして中国で事故が発生し、日本に害が及べば、全国規模です。

それに対応するなら、全国民に配るだけの薬品が必要です。  

デタラメを言うな・・・という方もおられるでしょうが、チェルノブイリ事故の時にスェーデンで発生したパニックと混乱を思い出してください。その何年後かに、スェーデンに行ったオヒョウが食べた、木イチゴのジャムにも、トナカイの肉にも放射能は残存していたはずです。

(私は平気でムシャムシャ食べましたが・・・)。

表には出ませんが、スェーデン国民のガン発症率や死亡率は、高まっているはずで、今後も長期的にトレースする必要があります。

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日本の原発に反対する人は、なぜか中国の原発には反対しません。

原発の操業に反対する人も、放射能漏れ事故が起こった時に備える対策には全く無関心です。

インフルエンザのワクチンが足りない・・・と騒ぐ人は、もっと深刻な事態で必要となる薬品については無頓着です。 

しかし、オヒョウはその人達に言いたい。20世紀で最も薬品不足が深刻だったのは、チェルノブイリ原発が爆発した直後のウクライナ共和国であり、その時必要だったのは、風邪薬ではなかったのだ・・・と。


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