SSブログ

【 貧乏人は・・・ 】

【 貧乏人は・・・ 】 

今度の総選挙の直前に、麻生首相が失言したそうです。

「お金が無いのなら、結婚はしない方がいい。 貧乏だったら尊敬もされないし・・」という発言が、ネット上で話題になっています。更に、それに対して「お金が無いのは誰のせいだ?」と食い下がった若い女性がいるらしく、それに対する賛否両論も出ています。

・・・・・

麻生氏の発言の主旨や考え方の是非についての議論は後でするとして、人々の反発が容易に予想される事を、平気で口にする無神経さは、やはり問題です。

彼は以前にも「医者には変な人が多い」と、根拠もなく語っています。そんな事を言えば、多くの医師や医療関係者の反発を受けて、支持を失うのが分かっているのに・・。

他人から、どう思われようが、反発を受けようが構わない・・というのも一つの見識ですが、自らの倨傲が原因でそう考えるなら愚かな事です。少なくとも人気商売である政治家にはふさわしくありません。

この手の人物が、宰相の地位にいるのは問題だ。・・・特に相手のある外交で、相手に誤解されたり無用な反発を招いては国益を損なう恐れもあるからです。

幸い、麻生首相の時代は、もうじき終わる事になりましたが・・。

・・・・・

実は「貧乏人は・・・」という台詞を最初に口にしたのは、かの池田勇人です。窮乏する国民が米を買えない・・との指摘に対して、有名な「貧乏人は麦を食べればいいではないか」と答えた話です。

実は、宰相池田勇人は、普段から自分も麦飯を食べていたのです。だから何気なく「麦飯を食べたら?」と答えたのですが、その辺の事情はマスコミに報道されず、貧乏人を侮辱する発言としてこの台詞だけが一人歩きしました。

・・・・・

麦飯もそれなりにおいしいと、オヒョウは思いますが、この池田首相の言葉にはもっと重い意味があります。

主食に序列を付ける事、食べ物に格差を認める事は、貧しい社会の象徴だからです。

昭和の時代、日本の主食の最高位は白米であり、麦飯がそれに続き、その後に雑穀が続きました。そして、昭和30年代まで米は不足し、どうやって国民全体に、お米のご飯を食べさせるかが日本の課題だったのです。

飛騨高山の伝統的な郷土料理に、ヒエ飯がありますが、観光客に「ヒエ飯はいかがですか?」と尋ねたところ、「いえ、私は暖かいご飯の方がいいです」と答えた話が笑い話になるのは、主食の序列が無くなり、雑穀を食べる必要が無くなったからです。

・・・・

今でも、主食に序列がある国があります。北朝鮮では、コーリャンやトウモロコシ、ジャガイモを多く食べ、国民全体にお米を食べさせる事が国の課題です。

一方、日本では、お米が大量に余る時代になりましたが、今度はブランド米信仰という、スノブな現象が現れました。料理漫画で「コシヒカリは南魚沼産に限る」なんて話を聞くと、鼻で嗤いたくなります。

他県のお米だって、炊きたてならおいしく、南魚沼産のコシヒカリだって、時間が経てばまずくなる。 お米のブランドに拘るのは貧しさの名残だ・・とオヒョウは思うのです。泉下の池田勇人が聞いたら、どう言うでしょうか。

いずれ米のブランドに拘る愚かな風潮も無くなる・・とオヒョウは思います。

・・・・・・

食の文化と、貧富の問題を書くときりが無いので、話を元に戻します。

もし貴方が為政者で、人々から「貧しい為に結婚できません」と訴えられたら、どう答えるべきか?

麻生氏の様に、人を小馬鹿にした言い方でいなすのではなく・・・。 

オヒョウなら、ちょっとお説教くさくなりますが、こう答えます。

「結婚する上で必要なのは、愛情と信頼と希望だ。その次にあった方がいいのは健康と若さだ。お金は必ずしも必要ではない。むしろ、お金が無いから結婚するという考えもある」

お金がなければ結婚できないという、風潮を作ってしまったのは、政治の責任かも知れないが、自分が結婚できないのを社会や政治のせいにするな・・という考えです。

この考え方に多くの人が納得されるかは不明ですが、麻生氏の愚かな回答よりはましでしょう。麻生氏と同じく、大金持ちで世襲の政治家である、鳩山由紀夫氏ならどう回答するか、ちょっと気になります。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。