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【 これからはアフターマーケット  その2 】 [ビジネス]

【 これからはアフターマーケット  その2 】 

かつて、情報家電製品には電池以外はアフターマーケットがありませんでした。

なぜなら製品サイクルが短く、部品寿命が来る前に製品が陳腐化して買い換える事が多かったからです。 例えば携帯電話の場合、液晶画面は年月が経つとに徐々に暗くなり、いずれ交換の必要が生じますが、それ以前に新機種に買い換える人が多かったのです。 

ソニーが有機ELを携帯電話の画面に採用した時、まだ有機ELの寿命問題は解決していませんでした。自ら発光する有機ELは、非常に鮮やかな色を出し、装置は薄く、省電力で、応答が早く、携帯電話の画面用として最適ですが、短期間で発色が劣化し、当時、寿命は2年以内でした。

そんな開発途上の技術を商品化してよいのか?という懸念がありましたが

「どうせお客は2年経つと新機種に買い換えるだろうから、画面は長寿命である必要はない」という判断から発売されたそうです。 

( 伝聞です。もし間違っていたらソニーの人ごめん )。

ですから、もし、これから人々が携帯電話を大切に長期間使用する時代が来れば、有機ELパネルだけを交換するアフターマーケットができるかも知れません。 同じ様な話は、パソコンでもあります。かつて初期のPC98の時代のパソコンは堅牢で長持ちする様にできていました。筐体は、分厚い鋼板を加工して作られ頑丈でしたが、しかし高価でもありました。でも、その後の30年間はパソコンの世代交代が早く、頻繁に買い換える状況が続き、部品の交換が必要になるほど、長く使う事は無かったのです。

そのため、主要部品のアフターマーケットは存在しえず、オヒョウの知る限りでは秋葉原などのごくニッチな世界にしかありませんでした。またパソコン世界の猛烈な価格競争は、余裕のある部品設計を許しませんでした。 軽薄短小と低価格を追求した部品は、ちゃちですぐ壊れます。そして、個々の部品寿命が短くなれば、自動的にシステム全体も短寿命になります。

だから今のパソコンは、一部の堅牢性を謳い文句にしたノートパソコンを除き、ちゃちで安っぽくなり、短寿命になりました。・・・・これまでは、技術革新が早く、陳腐化も早かったのでそれでよかったのですが、

しかしこれからはそうはいきません。 パソコンや携帯電話などの情報家電の技術の進歩が、遅くなり、陳腐化も遅くなってきたからです。

家電のリサイクルも有料化され、頻繁に買い換えて捨てるより、一つの製品を長期間使い続ける方向に変化しています。 

またパソコンに付いて言えば、マイクロソフトのOS Vistaは評判が悪く、ハードの買い換えを促す効果はありませんでした。加えて、景気の低迷による消費の冷え込みで、新機種への買い換えをためらう人も増えています。 

オヒョウなどは、かれこれ6年前のノートパソコンを改造しながら使い続けています。 デスクトップパソコンのケースは15年以上前のものです。・・いずれその話は別稿にて紹介します。

 もう一つ大きいのは、携帯電話の契約方法の見直しで、機械の価格が表面化して、機種交換する人が減った事でしょう。 いずれにしても、旧型の情報家電を捨てずに使い続ける人が増えてくれば、やがて交換部品のアフターマーケットが登場します。

 TVの場合、地デジ化と一緒にTV受像器を買い換える人も多いでしょうが、チューナーとアンテナのみを後付けで購入する人もいるはずです。これはアフターマーケットの一つです。 液晶TVで、寿命律束となるのは、おそらく液晶パネルを背後から照らす、光源となる陰極管でしょう。

これまでは、光源だけを交換するという発想はありませんでしたが、これから光源のランプを交換する時代が来るかも知れません。

もっとも近い将来、液晶のバックライトは白色発光ダイオードになりますから、光源は寿命律束要因でなくなりますが・・・。

・・・・・・地球に優しいとか、エコロジーだとか、モッタイナイ だとか、そんな手垢のついた言葉で語る必要はありません。一つの品物を修理しながら、あるいは部品交換しながら長期間愛用する事は、ずっと昔から美徳です。

そのスタイルが日本で認められ、発展していくならば、アフターマーケット市場(何とも矛盾した表現ですが)は、将来有望です。・・・・・・もし、アフターマーケットを使わないなら、一つの製品の全ての部品の強度を調整し、同時期に寿命を迎え、全てが一斉に破損する製品を作るのが合理的です。無駄がありません。

でも数万点の部品を持つ自動車、数百万点の部品を持つ航空機などで、部品の寿命を揃える事は至難です。 

人間の体だって、年をとる過程で、目や歯など、先に老化が訪れる器官と、最後までかくしゃくとした器官に分かれてきます。

傷んだ器官をスペアパーツと交換するのがアフターマーケットなら、入れ歯を提供する歯科医院も、人工膝関節を提供する外科病院もアフターマーケットとなりますが、オヒョウの個人的意見としては、なるべく、スペアパーツのお世話にはなりたくありません。全身サイボーグの様になるのではなく、十分に年をとってから、体の全ての部位が同時に寿命を迎えてコロリと落命する(多臓器不全)みたいな死に方も悪くないかな?と思います。


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