【 飛ぶかMRJ再び その2 】 [航空]
【 飛ぶかMRJ再び その2 】
前回も申しましたが、新規に参入して顧客を得るには、他社との差別化、あるいは他社が模倣できない何かが必要です。
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ホンダジェットは、MRJとは飛行機の大きさも顧客も全く違うので、比較にはならないのですが・・・ホンダジェットの売れ行きは好調で、MRJと対照的です。広いキャビン、低燃費、最高速度等、ライバルを凌駕する点は幾つもあったのですが、最大の特徴は主翼の上にエンジンを乗せた独特の形状が目立ちます。
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MRJにも、本当は一目見て三菱製だと分かる何かが必要です。しかし、日本では知らぬ人のいない三菱重工ですが、海外で航空機メーカーとしての知名度は低く、三菱製だと分かっても、「だからどうなの?」となってしまいます。
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では売れ行き不振のMRJをどうするか?
取りあえずは、米国型式証明取得のための、仕事を急ぎますが、併行して、大幅に改良したMRJ改の開発を進める必要があります。 飛行機は新型機の型式証明を取得するのは難しいのですが、既存の機種の派生型という扱いなら、比較的短時間で取得できる可能性があります。
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改造する方向は、一言で言えば2極分化です。 一つは、増加タンクを吊ってでも積載燃料を増やし、航続距離を延ばすタイプです。河野外相が世界中を飛び回るのに使える飛行機を・・・というなら航続距離1万1000Km以上で、パリ=東京間をノンストップで飛ぶ飛行機が必要です。 その代わり、重量は大きくなりますから、必要な滑走路は長くなります。でも大都市の主要空港だけを考えるなら、滑走路長の問題はなくなります。
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今世界の小型旅客機やビジネスジェットで航続距離1万Km以上の飛行機は限られます。 乗客定員は少ないけれど、大型ジェット機と同じように、東京=ニューヨークをノンストップで飛びますよ・・という飛行機なら、必ず一定の需要はあります。
滑走路の長さと航続距離がトレードオフというのなら、逆に短距離で離着陸を追及する方法もあります。
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今、日本では定期便が飛ぶ空港の多くは、滑走路を1200m以上に延ばすことでジェット機対応が終わっていますが、まだ取り残された飛行場は幾つもあります。
新潟県の佐渡空港、福井県の福井空港、東京の調布飛行場などですが、それらの地域は新幹線の恩恵も乏しい地域です。
「国内線だし長距離飛ぶ必要はない。その代わり、近くにある小型の飛行場を利用させて欲しい。それもジェット機で・・・」という声も必ずあるはずです。 三菱航空機には三井物産、三菱商事、住友商事といった大手総合商社が軒並み出資しています。マーケッティングの権化とも言うべきトヨタも出資しています。しかし、彼らが本当に地道な市場調査を行ったのか? 私には疑問です。
以下 次号
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