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【 フェイクニュースについて考える その2 】 [政治]

【 フェイクニュースについて考える その2 】

 

実際には、ポル・ポトによる大虐殺は犠牲者200250万人とされ、カンボジアの人口800万人が一挙に3/4以下に減った大事件です。犠牲者となったのは一般の国民で、敵対する軍隊でも政治勢力でもなく、単にインテリだから・・という理由でした。人口比で考えるとアウシュビッツのナチスドイツも真っ青になって逃げだす大虐殺が行われた訳ですが、和田記者はそれを根拠もなく否定しました。

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しかし、全く不思議なことに前プノンペン特派員だった和田俊記者は、ポル・ポト勢力がプノンペンに入ったその日にはカンボジアにおらず東京にいました。その事実は朝日新聞の関係者は皆知っています。それなのに、彼は兵士が抱擁しただの、敵兵に「逃げろ」とアドバイスしただの・・その場にいなければ知りえないようなことを長文の記事にしたのです。

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「講釈師見てきたような嘘をつき」と古川柳にありますが、和田記者は現場にいなかったのに、どうしてこんな記事を書けたのでしょうか? 外国にいて、情報収集をしようとしても、どうしても一次情報(自らが取材し入手する情報)には限界があり二次情報(他のメディアで報道された情報のコピー)に頼らざるを得ない場合があります。

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東京にいながらプノンペンの記事を書こうとすれば、どうしても二次情報に頼ることになりますが、その場合、記事を検証しようとすれば、必ず一次情報に辿り着けるものです。元記事を確認して裏付けにできます。しかし和田記者の作文についてはそれを報じる一次情報は全くありませんでした。

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そもそも一次情報にしても二次情報にしても、クメール語はおろかフランス語もできなかった和田記者が、どうしてあんな具体的表現でプノンペンの有様を表現できたのか?理解できません。

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和田記者の捏造記事(つまりフェイクニュース)は、評論家の徳岡孝夫氏らによって、早くから指摘されていましたが、数年後に週刊誌が取り上げ、世間の知るところとなりました。

当時、TV朝日のコメンテーターとしてマスコミに露出していた和田俊記者は、突然理由を明らかにせずに朝日を退社し、山梨県の私大の教授になりました。

しかし、捏造記事に対する世間の指弾がストレスになったのか、しばらくしてガンで亡くなっています。

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問題はこの記事が和田記者だけの個人的犯罪ではないことです。プノンペンにいなかった和田記者が現場に居合わせたような嘘を記事にする段階で、多くの人が気づいたはずですが、それを黙認しました。当時の朝日新聞には本多勝一や井上一久といったポル・ポトや毛沢東の思想を礼賛する記者がいました。このフェイクニュースは朝日新聞が確信犯として流したものです。

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当時はインターネットがなく、和田記者の捏造を見破れたのは、海外のメディアにアクセスできた少数の人達だけでした。今は違います。

従軍慰安婦の記事を捏造した、植村隆記者の場合、その指弾は主にインターネット上でなされました。彼が、女子挺身隊と従軍慰安婦を意図的に混同してフェイクニュースを作ったことは明らかで、さすがの朝日新聞も彼をかばいきれず、記事を誤りと認め、彼を解雇しました。かれは北海道の大学の教員になりましたが、そこでも追及され、その後韓国に移っています。

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和田記者の場合と植村記者の場合で違うのは、インターネットの有無です。現代は情報リテラシーを持つ多くの国民が多くの情報に接して、何が真実かを見抜けるようになったのです。

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スターリン礼賛の記事を捏造し、文化大革命を称賛し、林彪は健在だと嘘をつき、カンボジアの記事を捏造し、慰安婦の記事を捏造し、サンゴ事件を捏造し、教科書の侵略書き換え事件を捏造してきた朝日新聞としては、フェイク記事を暴くインターネットは煙たい存在に違いありません。

しかし、自分たちのフェイクを暴くインターネット情報をフェイクだと指摘する報道こそ最大のフェイクニュースです。

 

朝日新聞がフェイクニュースを批判するとは、「いったいどの口でそれを言うか?」と言いたくなります。

フェイク報道の問題を特集記事にした、田玉恵美氏や菅野俊秀氏にしてみれば、30年も前のカンボジア報道の事件など知らない・・というかも知れませんが、他を非難するなら、その前に自社の歴史を再検証したまえ・・と私は言いたい。

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フェイク報道に惑わされない情報リテラシーを獲得するには、自分のことも、過去のことも知るべきです。

古代の賢者も「汝自身を知れ」と言っています。これはフェイクではなく本当ですよ。


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