【 Princessについて 】 [イギリス]
【 Princessについて 】
ナックル姫の異名を持つ、吉田えり投手がアメリカで活躍しているのを聞いて嬉しくなります。 特に米国の新聞の一面に写真が載り、Knuckle Princessと紹介していたのを見た時は驚きました。「なんだ、日本語のままじゃないか」と思いながら、しかし、この呼び方は英国では通用しないな・・と考えました。
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野球そのものが殆ど知られない、英国ではナックルという球種も知らないだろうし、年若いスポーツ選手を王子と呼んだり、姫と呼ぶのに違和感を持つでしょう。 なぜなら英国には本物の王子も姫もたくさんいますから。
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何時の頃からか、将来有望な若いスポーツ選手を王子と呼びます。甲子園で活躍し(神宮でも少し活躍した)ハンカチ王子、和製タイガー・ウッズとも言えるハニカミ王子等です。 一応、王子と呼んでもらえるのは、上品で真面目な少年だけのようで、どんなに有望でも、ボクシングの亀田兄弟を、なんとか王子と呼ぶ人はいません。
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一方、女子選手の方は姫です。しかし、スポーツ選手の愛称に王子や姫を用いるのはいいのですが、本物の姫に対する呼称はやや乱れています。
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英国の王室は、すっと日本のミーハー的な人々の憧れの的でした。日本の皇室は、ちょっと畏れ多いし、菊のカーテンがあってオープンではありません。 一方、英国の王室は全てがオープンで、その情報は芸能人のゴシップの様に人気があったのです。
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かなり昔の話ですが、一大スターであるダイアナ皇太子妃が登場する前、英国王室で、人気があったのはアンドリュー王子の妃であるセーラ妃でした。 1986年、Sarah Ferguson嬢とAndrew王子の結婚は、日本のバラエティ番組でも盛んに紹介されました。その時、セーラ妃はなぜか、”Princess Sarah”と何度も呼ばれました。それがなぜか、オヒョウの耳には引っかかっていました。
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その後、オヒョウがロンドンに暮らしていた1996年、二人は離婚しました。その時、ロイヤルファミリーに詳しい、女性秘書に「日本のマスコミが使うPrincess Sarahという表現は正しいのか?」と尋ねると、答えはNOです。
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彼女の説明では「王族に生まれた訳ではないSarah(庶民の出身)にPrincessの称号は付かない。結婚後もPrincessと呼ぶのは間違い。日本のマスコミは間違っています」との事です。
「ではどう呼ぶべきなのか?」「Duchess of York(ヨーク公爵夫人)が正しいです」なるほど・・、華族のいなくなった日本ではピンときませんが、欧州では公爵夫人(Duchess)とか伯爵夫人(Countess)という言葉には、尊敬と憧れの響きがあるようです。
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余談ですが、この時、離婚したSarah Fergusonさんは、このヨーク公爵夫人という肩書を離婚後も使用する権利を勝ち取りました。その為、この後に離婚したダイアナ妃も、Princess of Wales (皇太子妃)を名乗る権利を得ようとして王室とかなり揉めました。あんなに早く亡くなるのなら、王族の称号などにこだわらなくてもよかったのに・・とオヒョウは思います。
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それから時は流れ、21世紀、あろうことか、そのDuchess of Yorkが元夫の公爵に会わせてあげるから、お金を頂戴・・と、持ちかけた事がアメリカのTVで暴露されました。 彼女はお金に困り、しかも酔っていたとの事。 離婚したとはいえ、ヨーク公爵夫人も落ちぶれたものです。
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オヒョウには、純粋な庶民であるナックル姫こと吉田えりの方が、よほど清楚で上品に感じられます。 貴族なんてそんなものかなぁ。ところで、どうでもいいことですが、女性の名前 Sarahを日本のマスコミは、ある時はセーラ、ある時はサラと発音します。どちらも原音とは違うのだけれど、統一すればいいのに・・・と、純粋庶民のオヒョウは思います。本当にどうでもいい事ですが・・。
姫にナックルって言葉が飾られても、ピンとこない人も多いかも。
初見の人だと拳で語る姫?って感じじゃないかな
by 釣られクマ (2010-06-07 11:39)
釣られクマ様 コメントありがとうございます。
確かに、ナックル姫は拳姫になってしまい、何とも奇妙ですね。
おやゆび姫というのがあるから、こぶし姫もあってよいではないか・・とも言えますが、なんだかゴツイ感じのお姫様を連想します。
またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-06-07 12:52)
> 彼女の説明では「王族に生まれた訳ではないSarah(庶民の出身)にPrincessの称号は付かない。結婚後もPrincessと呼ぶのは間違い。日本のマスコミは間違っています」との事です。
英語では王女も王子の妃も"Princess"ですが、王女はPrincess+
「本人の名」、王子の妃はPrincess+「夫の王子の名」で呼ぶとい
う区別をしています。したがって、Sarahも離婚するまではPrincess
ではありました。呼び名は"HRH The Princess Andrew"なので、
SarahにPrincessの称号が付くわけではありませんが。
で、英国の慣習で、貴族等の称号を有する人は名前ではなく称号で
呼ぶ決まりなので、Prince Andrewも爵位の"Duke of York"の方で、
妃のPrincess Andrewも"Duchess of York"で呼ばれることになりま
す。貴族称号を持たないHRH Prince Michael of Kentの妃の場合、
名前の方で"HRH Princess Michael of Kent"と呼ばれています。
> このヨーク公爵夫人という肩書を離婚後も使用する権利を勝ち取りました。
> Princess of Wales (皇太子妃)を名乗る権利を得ようとして王室とかなり揉めました。
これは誤解です。
上で書いたように貴族等の称号を持つ人とその妻は、姓名ではなく
称号で呼ばれます。こういった身分の人にとっては、称号は庶民で
いうところの姓と同じなので、離婚の際にも庶民が旧姓に戻らずに
婚姻中の姓を継続して使うのと同様に、婚姻中の称号をそのまま継
続して呼称として使うことができる、とするのが慣習なのです。
ただし、婚姻により得ていた王族や貴族としての身分は離婚により
失うので、それを示すために敬称(HRHやThe)を除き、本人の名の後
に", "を挟んで付けることになっています。
したがって、DianaやSarahの"Princess of Wales"や"Duchess of York"は、
日本の感覚では称号に見えますが、実際は婚姻中の姓みたいなもの
だと考えるのが正しいです。
#マークス寿子氏が"Lady Marks"を使用するのも同じ理由です。
by N.T. (2010-06-17 03:29)
N.T.様 コメントありがとうございます。 丁寧な解説を頂き、目から鱗がおちました。 英国人秘書が、Princess Sarahを間違いだとしたのは、Princess Andrewと呼ぶのが正しいからだったかも知れません。
実は、庶民の生まれだから・・という理由を彼女が語ったか、正確な記憶がありません。 私の不正確な記憶が、間違いをもたらしたものと思います。
お詫びして訂正します。
貴族の称号が、離婚前の姓のようなもの・・というのも、なるほどとよく理解できました。 確かに、離婚後も結婚していたころの姓を名乗る人はいますからね。
ごらんの通り、私のブログにはしばしば誤謬と錯覚が登場しますが、読者各位にその都度、お教えいただいております。 どうか、お気づきの点は今回のようにご指摘いただければ幸いです。 次のコメントをお待ち致します。
by 笑うオヒョウ (2010-06-18 01:04)