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【 Ladyについて 】 [イギリス]

【 Ladyについて 】 

将棋連盟に所属した女性棋士が独立して日本女子プロ将棋協会(LPSA)を結成したのは、もうだいぶ前の事です。

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女子プロは対局料も安く不当に差別されているという、女性棋士の言い分に対して、将棋連盟が主張する「プロの棋士とは奨励会を突破した人か、特例の編入試験に合格した人に限られ、奨励会を突破できなかった女性棋士をプロとは認めない」という言い分が衝突したのです。

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若手男子プロの言い分としては、女子プロは、男子の1/10の努力しかせず、1/10の棋力で、しかしギャラは同等に貰っている。逆差別だ・・との事です。しかし、これは仕方ない話です。例えば、将棋や囲碁の指導対局をしてもらう場合、同じ棋力なら女性棋士に指導してもらいたい・・という気持ちも分かりますし、イベント会場に登場するなら、これも女性の方が華やかで結構です。華やかさ・・つまり女性棋士はその棋力を期待する本物のプロではなく、彩りを添える花なのだ・・という発想です。

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プロとして認めて欲しければ、囲碁の様に、男子と同じ条件で奨励会を勝ち抜いてこい・・・と突っぱねられた結果、LPSAThe Ladies Professional Shogi-players’ Association of Japan)が発足したのだとオヒョウは理解します。そこで、オヒョウはくだらない事にこだわります。どうしてWomenではなくLadiesなのか?

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これは、既に女子プロが独立した団体を構成している他の業界にならった名前でしょう。 具体的には日本女子プロゴルフ協会LPGAThe Ladies Professional Golf-players’ Association of Japan)の名前をまねたものだと思います。 ではゴルフも将棋もなぜ、WomenではなくLadiesなのか?

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日本ではLadyの大安売りです。Lady=女性と同義の様に用いられますが、英国ではやはりLadyは貴婦人の意味です。英国の工場を訪問すると、現場の作業者用のトイレには、MenWomenと書かれています。 一方、応接室のフロアのトイレにはGentlemenLadiesと書かれています。決してLadyWomanは同じではありません。つまり、英語の本家本元の定義を尊重すれば、日本ではLadyでない者がLadyになっています。

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ゴルフの女子プロもLadies’ Openなどに出場していますが、どうしてWomen’s Openとしないのでしょうか?賞金稼ぎの為に、ゴルフをプレイする女子プロが果たして貴婦人か?

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勿論、貴婦人もゴルフを楽しみます。 常陸宮妃殿下などはゴルフ愛好家として知られていますが、賞金目当てなんて事は絶対にありません。本物のLadyは、プロのスポーツ選手になる事はないのだ・・と思ったところで、ああ、これはアメリカ流なのか・・と気づきます。

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移民を先祖とする民主主義国家には、貴婦人はいません。 だから誰をLadyと呼んでも、本物のLadyからクレームが来る事はありません。そこでLadyの大安売りになり、言葉のインフレが始まったのです。第二次大戦後は、日本の英語も英国風から米国風になり、その影響を受けています。

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実は昭和30年代~40年代の初め、職場の女性はBGと呼ばれていました。 Business Girlの略で、なんだかキャリアウーマンみたいな言葉です。しかし、40年代の中頃から、OLと呼ばれて、BGという言葉はなくなりました。Office Ladyの方が、なんとなく格好良いからか、ビージーという発音がなんとなく不快だったからでしょう。その時点から全ての日本女性はLadyになったのです。

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では、今現在、WomenLadiesの本質的な違いは何か?と言われれば、オヒョウはハンディキャップの有無かな?と思います。まさに将棋がその一例ですが、男子に伍して戦ってもいいのですが、とても勝ち目が無いから、女性同士で協会を作る事になります。つまり男子に対して、ハンディキャップを認める世界がLadiesなのかな?ゴルフだって、ミシェル・ウィーの様に男子プロに混じってプレイする人もいますが、女性だけで競うのが一般的です。

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ではWomenを用いる、陸上や水泳などオリンピック系の種目はどうなんだ?・・と言われると困るのですが、体操などは、もともと男女で全く異なる競技と言えますから、女子にハンディキャップを与えることにはなりません。 どうも歯切れが悪いのですが、欧州系、或いは英国系はWomen米国系はLadiesなのかなぁ?

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男女が同じ種目・競技を行うけれど、女性にハンディキャップを認めるというやり方は、いかにもアメリカ的ですし、Ladiesの大安売りもアメリカですから、符合するのですが、なんとなく自信がありません。

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いろいろな催し物やお店でLadies’ Dayを設けている場合がありますが、これも女性ならお得な料金になるという事でしょう。 しかしガソリンスタンドにLadies’ Dayがあって、女性が買うとガソリンが安いというのは、一体いかなる理屈か? 経済的にも弱い立場の女性を応援するというなら理解できるけれど、結局、亭主が奥さんに「ガソリン入れてきてくれ」と頼んで主婦の仕事が増えるだけではないのか?

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ちなみに全く余談ですが、英国でWoman’s Dayという表現を聞いて、何の事か?と秘書の女性に尋ねたら、生理の日の事でした。 「Girl’s Dayではないんだね?」としつこく尋ねたら、なぜか睨まれました。

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そんな事をぼんやりと駅のホームで思い出していたら、目の前に電車が止まります。無意識に乗り込んだら、なぜか周囲は女性ばかり。「 ああ、これが噂のLadies’ Carというやつか 」と気づいて、飛び降りましたが、田舎者のオヒョウには初めての経験でした。それでも「 しかし、本物のLadyは山手線なんかに乗るのかな? 」とくだらない事を依然として考えているオヒョウでした。


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おじゃまま

Womanも決して響きが美しくないから…
似たような意味ならLadyを使いたい、という、
それだけの理由ではないでしょうか…。
電車は最近、こういう車両が出来てますね。
大阪もやっぱりLadyのようです(笑)
by おじゃまま (2010-06-06 10:10) 

笑うオヒョウ

おじゃまま様 コメントありがとうございます。

なんだか、多くの女性を軽蔑するような文章になってしまい、ちょっと反省しています。私は女子プロの人たちが、自分から「私たちはレディーなのよ」と名乗る滑稽さを揶揄したかっただけなのですが、舌足らずでした。

日本の数多くのLadies、Women、Girlsにお詫びいたします。

続編、プリンセスについてを明日したためますので、ご一読いただければ幸いです。 またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-06-06 12:35) 

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