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【 JAL lives only twice 】 [航空]

【 JAL lives only twice  

映画「007は二度死ぬ」の原題は”You Live Only Twice” で、邦題と微妙にニュアンスが違います。英語の原題は生きる事を主体に考え、邦題は死ぬ事を主体に考えています。 お互いに表裏一体なのですが。

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そして今、人々が囁いているのは、日本航空はもう一度倒産するのではないか?・・という話です。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100204/208945/?ml 

幽霊がもう死なないのと同じように、一度会社更生法を受けて再建中の企業がまた倒産するのか? なんて思いますが、米国の連邦破産法では何段階かの倒産があって、最終的に会社がなくなったりします。

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日本航空の場合、会社更生法の適用で借金はチャラになりましたが、毎月の赤字は解消していません。毎月膨大な額の資本が流れ出しています。 今日本の企業の多くは、借金をして操業していますから、月々のキャッシュフローをことのほか重視するキャッシュフロー重視会計をしています。その視点で見ると、毎月600億円以上の赤字を垂れ流すJALの有様は、信じられないものです。

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かつて、某製鉄会社のW製鉄所が深刻な赤字に悩んだ事があります。製鉄所自体が老朽化していた上、需要をあてこんで投資した油井管製造ラインがお荷物になっていたからです。 ひどい時は毎月60億円の赤字を出していました。 

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当時の製鉄所長曰く

「朝起きて1億円、夜寝床に入って1億円、金庫からお金が消えていくと・・と考えると、いても立ってもいられない気持ちになる」との事です。一方、JALグループの赤字は毎日20億円。W製鉄所の10倍です。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20100222-OYT8T00439.htm 

そうなると、経営者は、朝起きて1億円、歯を磨いて一億円、顔を洗い、ヒゲを剃ってまた1億円・・・という具合にお金が消えていく事を考える訳で、気の小さいオヒョウなら、発狂してしまいます。

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その状態が続けば、せっかく国から貰った運転資金もすぐに底を尽きます。単純に考えて、今年の5月~8月に、運転資金がショートして飛行機が飛べなくなります。そうなると、今度こそ本当に会社が潰れます。

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そうならないために、どうするか?全ての赤字の会社に共通する事ですが、重要なのは資金ショートのタイミングを少しでも遅らせて、その間に抜本策を立てる事です。 資金ショートを遅らせるとは、つまりキャッシュフローを少しでも改善する事です。もっと言えば、少しでも換金できるもの、現金化できるものは売却して、お金に換える事です。

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例えば、客室乗務員のエプロン、パイロットのサングラスや手袋をマニアに売れば、ささやかですが現金になります。なに、客室乗務員は、サービスを止めればエプロンは要りません。手袋を取りあげられたパイロットは軍手でもして操縦すればいいのです。

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上記の内容は勿論冗談ですが、日航の再建計画は、遅々として進まないようです。会社更生法を申請して1月が経過し、株券もついに紙屑になったというのに、経営陣の方がグズみたいです。

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これまでに決まったのは、提携先としてデルタではなくアメリカンを選んだ事と、たった5%の給与カットとボーナスの減額だけです。これでは日々の赤字に対して、全くの焼け石に水です。 それにアメリカンを選んだといっても、具体的にどの路線を合理化するのか、共同運行はどうするのか、期待できる合理化金額はいかほどか?といった重要な情報が全く報道されません。

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民間企業であれば、それらの情報を開示する必要はありませんが、今のJALは、国民の税金を投入して何とか生き延びているのですから、国民に対する報告の義務があります。 新経営陣はあまりに動きが遅いのではないか?

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稲盛和夫氏は非常に堅実な経営をする人で、管理会計の危うさを知っている人だそうです。平たく言えば、目の前に札束を積まなければ、本当に儲かったとは言わない人です。企業再生にはその堅実さが必要ですが、しかし稲盛氏が企業再建人として適しているかは疑問です。

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彼は、電解コンデンサなど、独創的なセラミックスを開発して、キョーセラを1代で大企業にしましたし、企業合併でも、多くは成功しています。しかし、攻めの人であり、事業の撤退や縮小で経営を立て直した経験はありません。 武将でも、攻めの作戦に強い人と、撤退時の殿軍として能力を発揮する人は別です。稲盛氏は明らかに前者であり、後者ではありません。

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聞くならく、彼は、社員のリストラが苦手で、1月たってもまだ人員削減計画を発表できません。まあ、社員のリストラが好きな経営者も珍しいでしょうが、イヤな事もしなければならないのが経営者です。

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稲盛氏の企業再建の手腕を占う上で、重要なのは、キョーセラ傘下で深刻な経営危機になっていた、ウィルコムをどうするか?です。次世代PHSの市場投入タイミングを失ったウィルコムは、真の意味でのリストラ(事業再構築)が必要でしたが、稲盛氏はなんら手を打たず、会社更生法の適用を申請しました。

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ウィルコムの関係者にしてみれば、稲盛氏にJALの再建などに首を突っ込まずに、ウィルコムの方を何とかしてくれ・・・と言いたかったでしょう。

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JALの整備工場を視察した稲盛氏は「社員に危機感・緊張感が足りない」という感想を述べたそうです。おそらく、その通りでしょうが、あまりにのんびりとした経営陣にも緊張感があるとは思えません。彼は企業の再生家、再建屋としてはふさわしくないかも知れません。

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赤字の垂れ流しと言えば、国家財政はJAL以上に赤字が増えつつあります。 かつてのW製鉄所の比ではなく、JALの比でもない速度で国の借金は増えつつあり、それを思うと首相は落ち着いていられないはずなのに、こちらものんびりとしています。 

「えっ?本当にお金が底をついたら、ママから援助して貰うって?」

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広島ピアノ

コメント有難う御座います。
侵略→進出の書き換え問題は朝日新聞による捏造である事が証明されたんですね。当時小学生だった私は全く知りませんですた。その体験のみが感覚的に体内に残っております。教えて頂き、有難う御座います。
by 広島ピアノ (2010-02-24 11:30) 

笑うオヒョウ

広島ピアノ様 コメントありがとうございます。

朝日新聞の捏造である・・という証明は、明確にオーソライズされた訳ではありませんが、下 記の経緯があります。
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各報道機関から、朝日新聞社に対して、具体的にどの教科書のどの箇所で、何時「侵略」を「進出」に変更 するよう圧力があったか?という照会がなされたのに対して、回答がありませんでした。
新聞社は情報源の秘匿を重視しますが、この場合は修正を求め られた側が積極的にアピールしたという案件ですから、秘匿の必要はありません。
有名な家永教科書の裁判では、家永教授が検定前の教科書を出版し、 国から指摘された箇所を明らかにしています。
一方、文部省(当時)は、教科書検定の内容については個々にコメントしないとしており、何も発表しな いままでした。
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朝日新聞社は、捏造報道との指摘に対して、具体的な証拠を挙げた反論を一切しませんでした。この事から捏造で あると判断されます。
私の周囲では捏造と判断する人がほとんどです。
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奇怪なのは政府の対応です。
朝日新聞の 報道の後、中国と韓国から強い遺憾の意が示されましたが、それに対して当時の政府は「加害者の立場として反省している」と謝罪の言葉を発信していますが、 侵略行為に対する謝罪であり、教科書検定に関するものではありません。
日本政府は結局この問題をうやむやにしましたが、それが禍根となりました。 その当たり、機会を見て、雑文に書こうと思います。

またのコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-02-24 20:15) 

夏炉冬扇

こんばんは。
今日も面白く読ませて頂きました。
1社より2社がいいでしょうから、更正して欲しいものです。
by 夏炉冬扇 (2010-02-24 20:57) 

笑うオヒョウ

夏炉冬扇様 コメントありがとうございます。

私は実はJALのファンです。そのあたりの話を、次回書こうと思います。
by 笑うオヒョウ (2010-02-24 21:15) 

牛肉面

オヒョウさんもJALのファンですか。
少量ですが、とうとうずっと持っていたJALの株は紙くずになりました。
いや、株券もないですから、紙くずもなく、姿消しました。
少量とは言い、心境は複雑です。
一円でも換金したほうがよかったとか、
そもそも日の丸神話を信じた自分が愚かですが。。。

でも、再建してほしいです。
そして、本当に稲盛さんでいいかなと思います。
新しいものを作るのが難しいですが、一旦壊れたものを作り直すのがもっと難しいですね。
いくら高齢化社会といい、失礼ですけど、
78歳でその体力と気力はありますか。
なんという政府らしい穏便な結論。
そして、健康とか何とかの理由で挫折しなければいいですけど。。。
by 牛肉面 (2010-02-25 16:53) 

笑うオヒョウ

牛肉麺様 コメントありがとうございます。

オヒョウは一時期JALの株を持ちたいな・・・と真剣に思った事があります。
株主優待が羨ましかったからですが、家内や友人に反対されました。
航空会社の株は墜落事故の直後が買い時だ・・と甚だ不謹慎な事を言う人もいました。結局、株を持ちませんでしたが、JALの破綻で自分はラッキーだったなどとは思いません。 どんな会社でも潰してはいけませんし、経営破綻は悲劇です。 オヒョウも悲しい思いです。

株式会社の経営破綻では、出資者(株主)と経営執行部、従業員の三者の責任の取り方のバランスが重要だと思います。

株主が100%減資という形で完全な責任をとったのに、従業員や経営執行部(引退しましたが)の責任の取り方が甘いという指摘はあると思います。単なる首切りや、賃金カットだけではない本当の意味のリストラが必要だと思うのですが、その話はまだ聞こえませんね。

稲盛氏の健康に不安があるかどうかは分かりませんが、ダイナミックな改革は若い人の方が適しているとオヒョウは考えます。高齢でなおかつ、改革を実行できたのは、国鉄分割民営化の時の土光敏夫氏だけだと私は考えます。このあたり、また雑文にしたためたいと思います。
次のコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-02-25 22:24) 

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