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【 日章旗 江華島事件 軍艦旗 その2 】 [政治]

【 日章旗 江華島事件 軍艦旗 その2 】

 

他の戦争と比較し、あまり語られない江華島事件ですが、多くの注目すべき点があります。まず、背景に李氏朝鮮の非常識な外交姿勢があります。日本の明治新政府は、政府が成立した後、挨拶の意味で李氏朝鮮に何度も国書を送っていますが、全て朝鮮は受け取りを拒絶しています。国書や親書の拒絶というのは、戦争中の相手国でもほとんどなく、私は他に聞いたことがありません。そういえば李明博大統領は安倍首相からの親書の受け取りを拒否していますが、それぐらいです。

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しかも、拒絶の理由というのが不可解です。華夷秩序(中国を最上位に置いて、周辺諸国が順番に並ぶという東洋の文明序列)に於いて、劣位に位置する日本が、他の東洋諸国より先に西洋かぶれするとは何事か!という「上から目線」のもので、使者が洋服を着ていたとか、蒸気船に乗ってきたから西洋かぶれで怪しからん・・というバカげた理由です。また清国の属国根性が抜けず、清国の皇帝だけが使う「皇」の字を日本が使うのが怪しからんとも言っています。

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その結果、日本政府の中に、「朝鮮は無礼で生意気だ。朝鮮討つべし」という声が澎湃として起こったのも、ある意味理解できます。一方で失業した士族を救済するための方策が必要でした。士族を開拓農民にすることを考えた大久保利通に対し、西郷隆盛は韓国征伐の兵力として士族を活用しようと考えた訳です。

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世のリベラル派の人達は、嫌韓論やヘイトスピーチが最近登場したかのように語りますが、なんのことはない、150年前から嫌韓論は存在し、一方で朝鮮半島には反日思想が存在したのです。

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そんな中、雲揚号は平和的に朝鮮半島沿岸を訪れていました。江華島への接近も真水の供給のためです。実は江華島は江華島事件の前にも米国の艦船にも砲撃を加え、逆に攻撃されて砲台を占拠されています。だから接近する外国の軍艦に神経質になっていたという説がありますが、事件後の事情聴取での朝鮮側の証言はデタラメで、その説も信用できるものではありません。それにしても懲りない砲台です。

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ところで脱線しますが・・、19世紀の時代、陸上砲台と水上艦との交戦は、どちらが有利か・・・、よく分かりません。下関戦争では陸上砲台の方がコテンパンにやられました。薩英戦争では55分かなぁ? 動き回れる分だけ軍艦側が有利ですが、大砲の命中精度は揺れない陸上の方が高いとも言えます。しかし、当時の性能の劣る陸上のカノン砲では、アームストロング速射砲などの高性能の艦砲に負けた可能性があります。だから、陸上砲台の方が全体としては不利です。

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パリには、下関戦争の戦利品として連合国の艦隊が持ち帰った長州藩の青銅製の大砲が展示してあります。基督像ならともかく、兵器・武器に青銅とは・・と、驚くばかりですが、金属に詳しい友人は、「近代製鉄法以前(韮山の反射炉以前)、日本には高品質な鋳鋼を製造する技術はなく、脆くて弱い鋳鉄を使うくらいなら、青銅の方がましだったかも」。

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19世紀の時代、良質な金属材料が得られない国は必ず戦争に負けたのです。江華島の砲台の大砲が何でできていたのかは寡聞にして知りませんが、雲揚号の前には非力な存在でした。武力衝突の後、日本側は、「雲揚号は国際法に則って、国旗を(それも3枚も)掲揚していたのに、攻撃してきた」と主張しており、国際的に認められました。

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それに対し朝鮮側は「旗は確認できなかった」と証言したり、あるいは「米艦だと思った」「日章旗ではなく黄色い旗だった」と証言したり、説明はバラバラで支離滅裂だったそうです。そして「もしちゃんと国旗を掲揚してくれたら攻撃しなかったのに・・・」と非が日本側にあるごとく語っています。

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繰り返しになりますが、江華島を訪問した雲揚号は決して砲艦外交をした訳ではありません。19世紀、大型の軍艦を派遣して威圧する砲艦外交が流行りましたが、日本には大型軍艦もなければ、外洋を遠くまで派遣する実力もありませんでした。雲揚号はあくまで平和的に訪問したのです。

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江華島事件は悪いことばかりではありません。 武力衝突で彼我の力の差を目の当たりにして、ようやく李氏朝鮮は重い腰を上げ、攘夷主義を止めて、日本との外交関係樹立に向けて動き出しました。華夷秩序で格下の日本などと対等の外交関係が結べるか・・と言っていた訳ですが、現実路線に転換せざるを得なかったのです。

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外交関係樹立に動き出したことにより、日本の征韓論者も根拠を失い、西郷隆盛は下野しました。征韓論が下火になることで、明治政府は予算を文明開化のインフラ整備に充てることができ、北海道の開拓事業も進みました。西南戦争は不幸な事態でしたが・・・。

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私は、江華島事件の際、日本が3本も掲げたという国旗が日の丸だったのか、軍艦旗(旭日旗)だったのかが気になります。

当時の絵は複数残っていますが、それには、「日の丸」と「軍艦旗」の両方があります。

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画家が江華島の現場に居合わせた訳ではなく、想像なので、真実は分かりません。

もし軍艦旗の方だったのなら、韓国人の軍艦旗アレルギーは、150年前の江華島事件の遺恨なのかも知れません。 もっとも、前述の通り、朝鮮側は日本の国旗は見ていない・・とも証言しているのですが・・・。

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うーむ、江華島事件のトラウマとして韓国人が旭日旗を嫌うのなら、これは仕方ありません。さてどうしたものか・・と考えていたら、内閣改造で小野寺防衛大臣は交代し、岩屋防衛大臣になりました。さて、岩屋氏は韓国からのこの難癖にどう対応すべきか?

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私は、岩屋防衛大臣にこう提案したい。

ここは韓国の顔を立てて、軍艦旗(旭日旗)をいったん降ろしましょう。そして軍艦ではない商船のルールに則り、艦尾に日の丸の国旗を掲げ、中央のマストに訪問先である韓国の国旗(太極旗)を掲げ、敬意を表しましょう。

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しかし、日の丸と太極旗は似ており、遠目には区別がつきません。日本の船だか韓国の船だか分からなくなるのは困ります。 ここは太極旗を元のデザインに戻して、強調・差別化するのが適当です。すなわち、大清国属国高麗国旗の文字を書いて、昔の太極旗にするのです。

 

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それを見て、韓国の人がどう思うかは分かりませんが、若い人は漢字が読めないから意味も分からず、単純に喜ぶかも知れませんね。


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【 日章旗 江華島事件 軍艦旗 その1 】 [政治]

【 日章旗 江華島事件 軍艦旗 その1 】

 

佳境を迎えたNHKの大河ドラマ「西郷どん」ですが、気になることが一つあります。

明治維新後、西郷隆盛は征韓論を唱えて政府内で対立すると、下野して鹿児島に帰り、西南戦争を始めたことは、ご承知の通りです。韓国・朝鮮とデリケートな関係にある日本は、主人公の国民的ヒーローに征韓論を唱えさせていいのか? と外野席のオヒョウは考えます。視聴者や外国政府以前に、在日の人が多い放送業界や芸能界で、征韓論を持ちだすのはかなり冒険です。 ひょっとして、ドラマでは明治維新後の西郷隆盛には触れないつもりなのか?でもそれでは描かれる西郷隆盛は偽物となります。

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今の日本で、征韓論について語ることは一種のタブーのようですが、一度考えてみる必要があると思います。

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そうこうするうちに、済州島を訪問する海上自衛隊の護衛艦に対し、「旭日旗を掲げるな」という無茶な要求が韓国から出されました。

https://www.asahi.com/articles/ASL9W5284L9WUHBI02V.html?iref=pc_extlink

小野寺防衛大臣(当時)が拒否すると、今度は韓国で旭日旗を禁止する法律を検討し始めました。

https://www.asahi.com/articles/ASLB24SRCLB2UHBI017.html

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自衛隊の艦船が、艦首に日章旗を、艦尾に軍艦旗(旭日旗)を掲げるのは、国際法上、認められた行為であり、かつ慣習として実績のある行為です。逆に、旗を掲げずに入港すれば、海賊とみなされて攻撃されても文句が言えませんし、軍艦が国旗や国旗に準じる旗を敢えて降ろすのは、降伏の意味を持ちます。いくらなんでも自衛隊の護衛艦にそんな非常識なことはさせられません。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%B9%E9%A6%96%E6%97%97

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韓国が国内法で旭日旗を禁止したとして、国際法(もしくは国際慣習)と韓国の国内法のどちらが優先されるのか、私には分かりません。それにしても、自衛隊ができてから60年以上経過し、韓国と国交が正常化してからも50年以上が経ちます。昔は、海上自衛隊の艦船が韓国の港に入る時、軍艦旗(旭日旗)に対して、何も言わなかったのに、何で最近言い出したのでしょうか?

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海上自衛隊の幹部だったNさんに尋ねると、確かに昔は韓国の人は旭日旗を何とも思っていなかったそうです。しかしここ数年は、拒否反応を示すようになったとのこと。今になって、日本軍国主義の象徴だとか、戦犯旗だとか言い出したのはなぜか?例によって朝日新聞が焚き付けたのかな?でも朝日新聞の社旗こそが軍艦旗だし・・・。

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今から10年以上前、中国では、戦前戦中に日本や日本人から受けた理不尽な行為や悪徳行為を探し集めて発表せよ・・・という通達が出ました。とにかく日本を非難し、優位に立って文句が言える材料を探していたのです。 同時期、韓国でも反日のネタを探していました。日韓の国交正常化以降、韓国は、教科書問題、慰安婦問題、徴用工問題・・と、日本に言いがかりをつける材料を定期的に探しています。しばしば日本のマスコミもそれに加担してデッチアゲを行う訳ですが、その一環として旭日旗に言いがかりを付ける方針を決めたのでしょうか?

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しかし理解できません。豊臣秀吉の朝鮮出兵以降、日本が朝鮮に対して面と向かって戦争をしたことはありません。むしろ、第二次大戦では朝鮮半島出身の将兵が旭日旗のもとに日本軍人として参戦していたのです。韓国がどうして被害者側になるのかな? と考え、一つだけ思い当たりました。

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それは明治8年の江華島事件です。ご承知の方も多いでしょうが、これは明治以降、日本海軍が最初に外国と交戦した事件です。 完全に国際法に則り、平和裏に漢江の入り江に接近した日本海軍の雲揚号に対して、突如、江華島の砲台から発砲し、正当防衛の形で雲揚号が反撃し、江華島の砲台を破壊して沈黙させ、さらに島に上陸して砲台を占拠した事件です。

 

ではこの事件がなぜ、征韓論や軍艦旗(旭日旗)を連想させるのか・・については次号で申し上げます。


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