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【 LCCの人々 その2 】 [中国]

【 LCCの人々 その2 】

 

こちらも私には馴染みがある成田空港第3ターミナルで発生した事件です。格安航空ジェットスターで上海へ帰国しようとした中国人団体客が、天候不良による欠航で足止めとなり、それに怒った乗客が深夜にターミナルビルで騒ぎ、挙句に女性職員に暴力をふるって怪我をさせたうえ、犯人を連行しようとした警察官に対して、中国国歌を合唱して威圧した・・というのです。

http://www.sankei.com/affairs/news/180130/afr1801300052-n1.html

http://www.sankei.com/premium/news/180131/prm1801310008-n1.html

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騒ぎを聞いた駐日中国大使館の領事部の職員が深夜に成田空港へ駆けつけ、食事券を配って、群衆をなだめて、一件落着しましたが、この事件は、各方面に反響を呼びました。

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この事件は中国でも報道され、インターネット上には両方の意見が溢れました。

http://news.searchina.net/id/1652650?utm_source=searchina.net&utm_medium=content-text&utm_campaign=scn_ranking_all

 

http://diamond.jp/articles/-/157917

ひとつの意見は、中国人は被害者であり、非はなく、逮捕連行した日本の警察を非難するものです。無辜の中国人が連行される事態とは「辱華行為」であり、国家が辱めを受けているのだから、日本にもっと強く抗議せよ・・というものです。

(歴史的に考えると、アヘン戦争など、中国が侮辱された行為や時代は枚挙にいとまありません。それらは全て歴史に傷跡を残す大事件です。それらと比べれば、空港で乱暴な行為に及んだ人を連行しただけの、実に些細な出来事を、どうして辱華と考えるのか?) これは中国の人の心の底にある強烈な被害者意識の問題と言えます。

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もう一つの意見は、あえてLCCを選んだのだから、欠航時のフォローが無いのは当たり前で、自分達で解決すべき問題なのに、航空会社や空港当局の対応が悪いと非難するのはおかしい。理屈や公平性と関係なく、とにかく大声を出して騒げば、自分の望む回答が得られるという、幼児的な発想は中国国内では通用しても外国では通用しない。と騒ぎを起こした中国人旅行者をたしなめる意見です。これは実に大人の考え方と言えます。

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実は、私も以前、ジェットスターの最終便が土壇場でキャンセルとなり、おおいに慌てたことがあります。だから怒りたくなる気持ちも、騒ぎたくなる気持ちもわかるのですが、ここは落ち着いて行動した方が、尊敬されます。

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それ以外に、170人もいて、誰も日本語が話せないとは情けない。(正しくは英語を話せる中国人もいなかったらしい)という意見もあります。

さらには、普段仕事をしない中国大使館の領事部がよく動いたと、褒める意見もあったそうです。

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それはともかく、どうして彼らは、騒いだのでしょうか?

私に言わせれば、それは、中国が特アだからです。 特アの意味や定義を理解せずに、「隣国を差別しヘイトするのはいけない。特アという言葉は悲しい」と訴える悲しい新聞があります。毎日新聞です。

http://andreagritti.hatenablog.com/entry/2013/10/31/195022

しかし、特アは単に隣国である中国・韓国・北朝鮮の3か国を指すのではありません。国策として或いは国是として反日を認め、政治的に反日を利用する国を特アと言うのです。

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反日の人は世界中にいます。英国にもオランダにも、米国にもいます。しかし、政府が反日を正しいとし、それを奨励し、国内政治の問題点の隠蔽や、国内の政治勢力の結束に利用したり、或いは日本との外交交渉を有利にするために、それを利用する・・という特殊な国は、世界中を見渡しても、この3国だけです。

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だから、彼らは他の国で不当な扱いを受けたり、不利益を受けても沈黙しますが、日本では声高に騒ぐのです。

一つ、言い忘れましたが、特アにはもう一つ特徴があります。自分の主張は、例え理不尽な物であっても、虚偽であっても、とにかく声高に訴えるべき・・という考えです。

これが個人のレベルから政府のレベルまで一貫しています。

尤も、この特徴があるのは、特アだけではありませんが・・。

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中国国内の空港で足止めをくっても、誰も騒がないくせに、日本の空港だと暴れる・・というのはなぜか? 恨みのある日本でなら狼藉を働いても許されるという発想があるようです。この(愛国無罪=日本での狼藉は許される)という発想は特ア固有の感覚です。

そして、もう一つは警察の在り方の違いです。名にし負う警察国家である中国には、泣く子も黙る武装警察があります。そして武装していなくても公安とは常に恐ろしい存在です。天安門事件以来、中国で(政府が指導しない)デモを企てたり、騒ぎを起こせば、逮捕連行は当たり前です。逮捕権の濫用・・なんて言葉はありません。でも日本の警察は一応民主警察で、法律に則った対応をします。そして中国人旅行者はそれを理解しています。だから平気で騒ぐ訳ですが・・・。

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しかし、ここで我々が本当に注目すべきなのは、その事件の際、周囲にいた中国人旅行者達が一斉に、中国の国歌「義勇軍行進曲」を歌ったということです。

暴力行為に及んだり、シュプレヒコールをするより、ずっとおとなしくて紳士的だと解釈するのは、全く間違っています。

外国で、そしてその公権力の前で、大人数で自国の国歌を歌う・・というのは特別の意味を持ちます。 一種の治外法権を要求する極めて威圧的で挑戦的な行為なのです。

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異国で自国の国歌を歌って、敵対する人々をひるませる・・という場面は、映画「カサブランカ」に登場します。フランスがナチスドイツに降伏し、ビシー政権ができた後、フランス植民地のモロッコも、ドイツの支配下に入ります。それに反発するフランス人達が、酒場でドイツ音楽を歌うドイツ人の前で「ラ・マルセイエーズ」を歌い出し、やがてそれは大合唱になり、ドイツ人将校達をうろたえさせます。

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おそらくは自堕落で無節操な生き方をしている酒場の女性も、毅然としてフランス国歌を歌うのです。 この映画の中でも印象的な場面ですが、これは伝家の宝刀です。簡単に使ってはいけないのです。一種の国際問題と言えます。

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中国の国歌「義勇軍行進曲」は抗日戦争の時に作られた歌(本当かな?)で、本来的に反日の要素を持っています。それを日本で、警察が公務を執行する場面で歌うというのは、大変な威圧です。公務を妨害せよとアジテートする行為です。

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それにしても、何と攻撃的で好戦的な歌詞であることか・・・。

起て!奴隷となることを望まぬ人びとよ!
我らが血肉で築こう新たな
長城を!
中華民族に最大の危機せまる、
一人ひとりが最後の雄叫びをあげる時だ。
起て!起て!起て!
我々すべてが心を一つにして、
の砲火をついて進め!
敵の砲火をついて進め!
進め!進め!進め!

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日本で国旗国歌法が議論された際、朝日新聞は徹底的に反対しました。「君が代」はアジアの侵略戦争に利用された「血塗られた」歌で、アジア人の犠牲を想起させる歌だ・・というのです。でも、見渡せば、国歌で血塗られていない・・というか生臭くない国歌などほとんどありません。 ドイツや英国の国歌は、君が代と同じく平和的な内容ですが、それでも外敵を倒して国を守れと訴えています。

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世界を見渡して、「君が代」ほど平和的な国歌はありません。それでも特アの人々、或いは特アに使嗾される日本人には不快なのだろうなぁ。

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普通、外国では国歌は尊重され、もっと大切にされます。一方、日本ではぞんざいに扱われます。大切にするとはどういうことかと言うと、歌うべき機会(T.P.O)を選ぶということです。外国でどのような機会に国歌を歌うかについては、また稿を改めて論じたいと思います。

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立場を換えて考えてみましょう。

中国の空港のLCCのターミナルで、不当にも日本人が連行されたとして、仲間の日本人が一斉に日本国歌を歌ったらどうなるでしょう? 彼らも連行されるか? おそらくそうはならないでしょう。

「君が代」は厳かなメロディーではあっても、勇ましくはなく、攻撃的でもありません。聞いている中国人警官は、キョトンとして、「あの歌は何だ?」と尋ねるでしょう。

そして物知りの同僚が答えるでしょう。

「あれは日本の大相撲で千秋楽の日に歌う『オスモウの歌』だよ」


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