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【 泣いて馬謖を斬る というほどでもない その1 】 [雑学]

【 泣いて馬謖を斬る というほどでもない その1 】

 

あまり愉快な話題ではありませんが、吉本興業のお笑い芸人の愁嘆場が報道されています。闇営業で詐欺グループからギャラをもらっていたとか、反社会勢力と宴席で写真を撮ってお金をもらっていたとか、そのお笑いタレントが吉本興行から規約解除(クビ)になるとかならないとか、馘首されるタレントが泣きながら会見し、それを受けた吉本興業側も、社長が涙を流しながら会見してお詫びするなど、TVのワイドショーは当分話題に困りません。

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宮迫某とか、ロンドンブーツ12号の亮・・と言われても、実はピンと来ません。多分吉本でトップクラスのお笑い芸人ではないのでしょう。

最初の報道では、彼らが特殊詐欺グループのパーティーに闇営業で呼ばれ、相当額のギャラを貰っていたのに、それを隠し、吉本興業の最初の聞き取りではギャラの受け取りを否定し、後でそれが嘘と判明した・・ということでした。

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普通はそれだけで、一発解雇でしょう。彼らの世界は普通の企業とは違うのでしょうが、一般企業とある程度のアナロジーはできます。

もし、一般のサラリーマン(ヒラでも管理職でも執行役員でも同じです)が会社のトップにお金の絡んだ虚偽の報告をして欺いたとなると、普通はクビです。しかも、後になってから白状するとなると、TV番組制作現場は混乱し、CMの契約でも莫大な損害が生じる訳で、損害賠償を請求されたり、背任で訴追もありえます。

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しかし、これらの悪事が露見しても宮迫と亮は自分から退職願いを出した訳ではないようです。そしてまだお笑い芸人の世界に色気があるのか、引退はしない・・とのことです。

彼らは退職願を出す代わりに、記者会見で世間にお詫びする機会を与えてくれ・・と会社に要求し、拒絶されます。

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これはある意味で仕方のないことです。もし記者会見をすれば、そこで2人は世間と詐欺被害者に対して涙ながらに謝るでしょう。その結果、彼らの罪は許され、善人として扱われることになります。

これは一種の「禊ぎ」です。本来「禊ぎ」は神によって清められ、許される行為ですが、神なき国になった今の日本では、一般大衆や選挙民が神を代行し、許しを与えます。

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日本の芸能界は「お客様は神様」ですから、TVカメラの前で涙を流せば許されるのです。宮迫と亮、そして彼らの弁護士がそれを狙うのは当然です。しかし、吉本興業側はそうはいきません。

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宮迫らが会社に白状したあとも、吉本はギャラの受け取りのことを暫く隠そうとしていました。今度は吉本が悪者になります。宮迫と亮は、「ギャラを貰ったことを白状したのに、隠し続けようとした会社も同罪、今度は悪玉になりますよ」と言える訳で、一種の脅迫に近いことになります。

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失礼な言い方ですが、世の中の悪党・・は、いろいろな手段で、被害者あるいは善玉の側の人間を悪玉側に引きずり込み、抵抗できなくするものです。繰り返しになりますが、記者会見すれば、禊ぎを済ませた2人は善玉として同情され、一方で吉本興業は悪玉になります。

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しかし、会見を止めようとした吉本興業の社長の対応は非常にまずかったのです。彼は危機管理のイロハを知りません。

会見を止めさせたいあまり、「会見をするなら、2人以外に事件に関わった芸人すべてを解雇するぞ」と脅したようです。この発言のために、立場は逆転し、同情されるべき善玉は宮迫と亮で、悪玉は会社になってしまいました。

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芸人の世界は、親分と子分、先輩と後輩の人間関係が非常に重要だそうです。先輩は後輩をかばい面倒を見る一方、後輩は先輩を慕い、尽くすという構図です。だから後輩の若手芸人もクビにするぞ・・と脅されれば、今度は宮迫と亮が会社に歯向かう口実ができます。

本来、会社に陳謝しなければならない2人が、会社に抗い、会見を開く口実を得たのです。

「僕らだけなら仕方ない。でも『可愛い後輩を路頭に迷わすぞ』と言われたら・・」と語るだけで後輩思いの善玉になれます。

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では吉本の社長はどう言えばよかったのでしょうか?

・会社に嘘をついた責任は極めて重大。2人の契約解除は仕方ない。

・芸能界の我々がどれだけ、反社会勢力と縁を切るために努力しているのか理解しているのか?その努力を無にする行為だけは許せない。

・最も重い処罰では、罪びとに弁明の機会は与えられない。言いたい事もあろうが、その機会を与えないのも処罰の一環と考えよ。

2人がその条件を受け入れるなら、その代わりとして、残りの若手芸人達の罪は問わないことにしよう。君たちが全てを引き受けて、若手芸人を助けるのだ。

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もし、こう言われれば、後輩を助けたいという大義名分はなくなりますし、宮迫も亮も会見を開けなくなったはずです。本当は自分を守るための記者会見でも、「後輩だけは許してください」と言う予定だったのを封じる訳です。

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そして吉本の社長はこう続けるはずです。

・会社に功績があり、かつ実力のある2人を斬るのは忍びないが、反社会勢力に対する毅然とした態度を示す必要がある。だから泣いて馬謖を斬るが、君たちに本当の実力があれば、いつか復活するはずだ。その時は、大手を振って吉本に戻ってきたまえ。歓迎しよう。

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現実には、関西のお笑いの世界は吉本興業の寡占化が進んでいますから、吉本を離れた芸人の復活は現実的ではありませんが、そう言われたら、2人は何も言えなくなったはずです。

 

2人から、「実はギャラを貰っていた」と真実を告白された時点で、時を移さず、上に書いた通りの言葉をかけて処分していれば、吉本興業を揺るがすような事態にはならなかったはずです。

 

以下、次号


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