SSブログ

【 密かに語る沖縄独立論 その3 】 [政治]

【 密かに語る沖縄独立論 その3 】

 

自然現象を観察していると、小さな存在が大きな存在に呑み込まれる現象によく出くわします。その方が、エントロピーが大きくなるので自然だとも言えます。

・・・・・・

例えば、高温の溶融金属の冷却過程がそうで、生成した微細結晶(エンブリオ)はやがて大型化していきますが、その過程で周囲の小さな結晶を取り込んでいきます。オストワルド成長と呼ばれる現象ですが、別に金属結晶でなくても一般的に観察できます。例えばビールの表面に浮かぶ泡は時間の経過とともに、微細な泡が合体して大きな泡になっていきます。小さな泡が呑み込まれる瞬間に「長いものには巻かれろ」とつぶやくのが聞こえますが、もちろん気のせいです。

・・・・・・

中国のように、大陸にあって、数千年の歴史を持ち、国境とはその都度移動するものだと考える国は、国家もオストワルド成長して当然だと考えています。つまり中国の周辺に存在する小国は、中国に呑み込まれて当然だと考えています。かつてのソ連もそうでした。

・・・・・・

その中国の目の前に独立国家琉球国が登場すれば、瞬時に呑み込まれます。現時点で沖縄の人は中国語を話しませんから、属国あるいは自治領として扱います。そして中国語教育を徹底したあとは、中国の一部として取り込むのです。しかし、琉球の民は本当の中国国民にはなれず二級市民として扱われます。

・・・・・・

別の国ですが、プエルトリコは何時までたっても、米国の自治領で、州に昇格できません。プエルトリカンは二級市民で差別の対象です。州になれない理由のひとつは、公用語がスペイン語で、英語ではないから・・ということです。

中国は、チベットでの北京語教育に全力を挙げ、チベット語の抹殺におおわらわです。ほどなく、チベット語は地上から姿を消すでしょう。そしてチベット族は差別されます。玉城デニーが目指す沖縄の将来も中国との同一化だとすれば、愚かなことです。

・・・・・・

すると、必ず反論がでてきます。「大国の隣に小国があるのはアジアだけではない。欧州の例はどうなのだ?」と言われます。確かに、欧州にも小国は存在します。サンマリノ、アンドラ、リヒテンシュタイン、モナコ、バチカン、ルクセンブルク・・・。

・・・・・・

金属の結晶も、結晶粒界に窒化アルミのように硬い金属間化合物が析出したりしますが、それと似て、欧州の大国の周辺に小国が存在します。しかし、優雅に見えるそれらの小国では独立を維持するために、必死の努力をしています。

隣の大国からの有形・無形の圧力に堪えながら、自己のアイデンティティというか、独立を維持しています。多くの場合、国家元首と言うか、国の象徴となる家系(モナーク)を有し、それを維持することが鍵になっています。

・・・・・・

ずいぶん昔の話ですが、フランスは、豊かで風光明媚な地中海沿いの小国であるモナコ公国を自国に取り込みたくて仕方ありませんでした。様々な圧力をかけ、もしモナコのレーニエ大公と妃のグレースケリーの間にお世継ぎの王子が生まれなければ、モナコ公国はおとり潰しで、フランスに併合するという厳しい条件が付きつけられました。

・・・・・・

モナコ国民は、第一子の誕生を、固唾を飲んで見守り、王子が生まれたと聞いて、大喜びし、そして安堵したとのことです。一見ほほえましいエピソードですが、そんな江戸時代の幕藩体制みたいな前時代的なことが20世紀の先進国でもあったのです。

・・・・・・

沖縄が独立しても、その独立を維持するのは、日本からの独立よりも難しいでしょう。国家と国民の象徴として、旧琉球王朝を担ぎ出す方法もあるかも知れませんが、それは止めた方がよいでしょう。象徴となる王の政治利用は、日本でもタブーです。琉球王朝の先祖は、タマウドゥン(玉陵)の中に静かに眠らせておくべきでしょう。

・・・・・・

実際のところ、現代の中国が昔の琉球王朝に敬意を払い、併合をためらうとはとても思えませんから・・・。

 

以下 次号


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。