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【 春風と初夏の風 その1 】 [金沢]

【 春風と初夏の風 その1 】

 

夕方の電車はなかなか到着しません。駅のアナウンスで「本日、強風の為、常磐線の電車に遅れがでております」と案内されます。関東地方は春の突風が吹いているようです。私の帰宅時間が多少遅れても、どうということはありませんが、強風はクレーン屋にとっては困った問題です(今、私はクレーンの会社に勤務しております)。

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高さ数十メートルから百メートル以上に達する大型の移動式クレーンは、強風で倒れる可能性があり、風速15m以上では作業を中止し、安全な姿勢をとります。しかし、それ以下の風速でも問題はあります。数十メートル先の所定の位置に10t以上の吊り荷をピンポイントで揚げ下げするクレーン運転者は、まさに神技を持っていますが、それとて風が吹いては難しくなります。作業中止には至らないけれど、時に風が吹く状況は実に困ったことなのです(腕のみせどころではありますが)。

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だいたい、春風というのはなんとなく生暖かくて気持ち悪いイメージがあります。埃っぽさも気になります。しばしば花粉を飛ばし、大陸から黄砂を運び、最近はPM2.5なんてのも持ってきます。こんな風を喜ぶのは患者が増える眼医者ぐらいではないか?

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では、オヒョウは何時から春風が嫌いになったか?これははっきりしており、中学1年生の時です。入学した中学校の校歌が、「春風そよろと柏の若葉に・・」という出だしで始まる、実におとなしいというか女々しい感じの曲だったのです。「なにが『春風そろよと』ですか、全然勇ましくないじゃないですか、これじゃ学校対抗の試合の応援に使えないではないですか!」と思った訳ですが、今は亡き母が笑いながら言います。

「この学校ができて校歌ができたのは、戦後すぐの頃でGHQの監視もあり、勇ましい歌など作れなかった時代。だから、しかたなくこんな校歌になった」とのことです。

その後、校歌に代わる応援歌ができたと・・風の便りに聞いています。

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世の中、むやみに勇ましい必要はないのですが、軍艦の名前はそれなりに勇ましい方がいいです。しかし、海上自衛隊の護衛艦には「はるかぜ」という爽やかだけど、強そうに思えない名前の艦がありました。でも調べてみれば、旧日本海軍時代の「春風」からの伝統だとか。

そんな軍艦に乗っても士気はあがらないかも知れないし、戦争にも負ける訳だ・・・。

さらに勇ましくない名前は、「はるさめ」とか「はるゆき」です。「はるさめ」なんて月形半平太に馬鹿にされそうですし、お総菜売り場の匂いがします。「はるゆき」なんて美しいけれど、アワアワアワと溶けてしまいそうです。

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脱線しましたが、とにかく、私は春風が苦手です。

でも今、藤の花が咲いて、いちはつの花が咲けば、季節は春から初夏に変化します。吹く風は春風から、初夏の風に変わります。昔は、5月を、風薫る・・という枕詞で語りましたが、今は地球温暖化で4月から初夏の風です。私は、緑に染まる初夏の風が好きです。

では何時から好きなのか?と言えば、これも答えは決まっていて、高校1年生の時からです。その内容については次号で申し上げます。


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おじゃまま

私は大好きですよ ^^
by おじゃまま (2018-04-14 17:25) 

笑うオヒョウ

おじゃまま様 コメントありがとうございます。
春風が好きなのは、寒い冬から解放されることが特別に嬉しい北国の人々かと思っていました。南国土佐の方も、春風の解放感を好まれるのですね。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2018-04-15 22:19) 

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