【 ブータンについて考える 】 [政治]
【 ブータンについて考える 】
ブータンは小国ですから大規模な軍隊は持ちません。武力はGDPの2%程度です。こちらの計算はやはり、GDP比で議論するしかありません。しかし全くそれでは不十分ですから、インドと安全保障条約を結び、有事の際はインドが守ってくれる形になっていました。極東のどこかの国のようです。
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しかし、1962年中印国境紛争が勃発し、どさくさに紛れて、中国の人民解放軍はブータンの国土を侵略しました。ブータンはインドに救援を求めましたが、ギリギリのところでインドはブータンを見捨て、救援に向かいませんでした。当時中国は既に核兵器を持ち、インドは持ちませんでした。インドは核保有国との全面戦争を避ける必要があったのです。
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中印国境紛争からしばらくして、インドとパキスタンは競争で核開発を続け、国連の安全保障理事会の常任理事国以外で初の核兵器保有国になりました。インドについては中国という脅威の存在ゆえに核兵器を持たざるを得なかった・・という理屈が、米国やソ連(当時)に理解されました。
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踏んだり蹴ったりなのはブータンです。国土の三分の一を中国にかすめ取られ、占領されたままです。さらに中国は新たな国境侵犯を始めているという情報があります。
でも日本では、その種の(中国を悪者にした)報道は規制されるか、報道されません。
ブータンが中国に奪われた地域を東北辺境区域といいますが、あれっ? 日本語版のWikipedia がありません。それどころか、以前は英語版の東北辺境区域は閲覧できたのに、それも見られなくなっています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/東北辺境地区?action=edit&veswitched=1
いったいどこからこんな圧力が?
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平和と繁栄に浮かれ、国防をおろそかにしてついに滅んだ国の例として、人々は第二次ポエニ戦争の後、ローマに滅ぼされたカルタゴの話を取り上げます。日本をカルタゴになぞらえるのです。(塩野七生さんの影響かな?)。
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でも「殷鑑遠からず」とはまさにこのことです。紀元前まで遡らなくても、参考になる国はあります。それがブータンです。
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日米安保条約で日本は本当に守られるのか? 中国に本当に領土や領海拡張の野心はないのか? ブータンは本当に幸せだけの国なのか? なぜ日本のマスコミは不都合な真実を隠蔽するのか?
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ブータンのワンチュク国王は、ある意味、日本の皇室に似ています。田植えをするとか稲刈りをするといった習慣だけでなく、象徴的存在として、国民のよりどころになっています。でもそれだけでは、国土を守れません。
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私は愛すべき小国ブータンを考える時、決してマスコミが報道しない、不都合な真実も一緒に考えたいと思います。
あれっ?農業とTPPのことを考えようとしていて、なぜか安全保障の話になってしまいました。 農業とTPPについては、また別の機会に申し上げます。
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