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【 LCCの人々 その1 】 [航空]

【 LCCの人々 その1 】

 

人の集まる場所には、いろいろなドラマがあります。アジア人初のノーベル文学賞受賞者であるインドのタゴールは、郵便局に集まる人々を描写した「郵便局」の評価が高いようです。そして駅の待合室やコンコースも人の集まる場所であり、ドラマがあります。こちらは文学だけでなく映画の舞台としても、非常に重要です。そして、大空港のターミナルビルも同様に人生のドラマに溢れています。

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http://www.yomiuri.co.jp/national/20180130-OYT1T50152.html

 

http://www.sankei.com/affairs/news/180130/afr1801300058-n1.html

同じターミナルビルでも、エリートビジネスマンが忙しく行き来するラウンジのあるターミナルビルではなく、外国の出稼ぎ労働者の帰国を家族が待つような庶民的なターミナルビルの方が面白いのです。

 

最近は格安航空LCCの利用者が多く、空港では、LCC専用のターミナルを作ったりしています。お金持ちの旅行客から「貧乏人と一緒にいるのは嫌だ・・」とクレームされたのかな?なんて考えてみます。私自身はもっぱらLCCを使っているので、思わずひがんでしまうのですかね。

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しかし、残念ながら、LCCの利用者が問題を起こすことが多いのも事実です。

最近目にした新聞記事を取り上げます。

 

1件目は、茨城空港に到着した中国人乗客が、偽造ビール券を大量に持ち込もうとして逮捕された・というものです。どこにもLCCとは書いてありませんが、茨城空港を発着する中国(上海)便と言えば、春秋航空ですから、これは立派な格安航空LCCです。

 

 

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もともと密輸をする際、大都市の警戒厳重な主要空港を選ばす、場末のローカル空港を使うのが鉄則で、その方が見つからないそうです。ロンドンならヒースロー空港やガトウィック空港ではなく、ルートン空港やスタンステッド空港というロンドンっ子もよく知らない空港が狙われます。

さしずめ、東京なら成田や羽田ではなく、茨城空港ということになるのでしょう。茨城県民としては、少し複雑です。

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そして、密輸したものが、偽造ビール券というのも情けない話です。成田や羽田なら、金塊、ダイヤモンド、覚せい剤・・が対象になるのに、茨城空港は偽造ビール券かぁ。

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しかし、そのビール券についての記載を見て、私は、思わず笑いました。

キリンビールではなく、キリソビールと書かれ、アサヒビールでなくアサビビールと書かれていたそうです。これは偽造犯が良心の呵責に堪えかね、わざと本物と少し変えたのかな?と思えばさに非ず。日本語を理解しない中国人が単純にカタカナをまねて、そして間違えたのです。

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中国に行けば、お店に並ぶのは日本製に似せたカムフラージュ商品ばかりです。特にスナック菓子などは、日本製・・・に似せていますが、どこか奇妙な日本語らしき印刷をした袋に入ったものが並びます。そこにコンプレックスというか、日本製へのあこがれがあるので、複雑な気がしますが、今回の偽ビール券はそうではありません。悪質な偽造です。それでも、ユーモアとペーソスを感じてしまうのは、小沢昭一の文を思い出すからです。

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昭和時代の俳優にして、大衆芸能や大道芸の研究家であった小沢昭一はこう語ります。

「昭和20年代、地方の芝居小屋に行くと、のぼりが立っています。そこには「エノケン来る」と書いてあります。TVの無かった時代、喜劇王エノケンが来るとなると、地元は大騒ぎです。夜の開演時間に観客が殺到すると、そこに現れたのは似ても似つかぬお笑い芸人エノケソだった」というのです。

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昭和の喜劇王エノケンこと榎本健一にあやかったエノケソなる喜劇人が実在したか否か、定かではありませんが、それには騙された観客も苦笑いで、誰も怒らなかったとか・・。

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偽ビール券を印刷して、日本で売ろうとした中国人も罪一等を減じてやりたい気がします。

しかし、もう一つの事件の方は、もっと深刻で考えさせられるものです。

 

それについては次号でご紹介します。


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