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【 DDH184 その2 】 [広島]

【 DDH184 その2 】

 

アジアで、指導者の発言が好戦的・・という点では、一番が北朝鮮、二番は中国です。でも一部のマスコミは、中国の指導者習近平国家主席のスピーチが、どれだけ好戦的であっても、どれだけ軍備拡大に積極的であっても問題にしません。中国を平和勢力だと思っています。私には理解困難ですが・・・。

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中国は海軍の近代化と増強を急速に進めています。新たな艦艇の就役数は年間で17隻(小型舟艇は除く)、から20隻ほどに増えつつあります。

https://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20140109/Searchina_20140109091.html

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50556

これは海上自衛隊の10倍の速度です。

そして尖閣諸島の接続水域には新型のジャンカイ級のフリゲート艦が出現しています。これは中国で最新最強とされるフリゲート艦ですが、あれれ?主機はディーゼルエンジンで最高速度27ノットです。30ノットに届きません。

一世代前でもっと大型のソブレメンヌイ級駆逐艦は蒸気タービンで最高速度33.4ノットです。外燃機関である蒸気タービンは、ディーゼルやガスタービンに比べ、短時間で出力を上げることができませんが、それでも最高速度はそれなりにあります。

 

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なぜ新型のジャンカイ級では速度を落としたのか?なぜガスタービンを使用しないのか?

一つの理由は旧式で低速の空母「遼寧」を中心に艦隊編成するのに高速は要らない・・という考えかも知れません。でも最大の理由は高性能のガスタービンエンジンが作れないということでしょう。この国のガスタービンエンジンはロシア(旧ソ連)製の劣化コピーの域をなかなか出ません。

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しかし、ソブレメンヌイ級とジャンカイ級、それに空母「遼寧」という具合に、外燃機関の蒸気タービンと、内燃機関のディーゼルを混用するのは艦隊の運用面で問題があります。速度もバラバラで、エンジンもバラバラというのでは、統一感に欠けます。一つの艦隊で、重油と軽油の両方を燃料にするのでしょうか?それともA重油で統一するのでしょうか?それとも原子力艦に移行する過程なのでしょうか?

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いずれにしても、中国海軍は、艦艇は高速であるべきとか、艦隊を構成する船の速度は揃えるべき・・という方針が明確でないようです。

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もうひとつ、首をかしげるのは、韓国の軍艦です。

イージス艦「世宗大王」は日本のDDH「かが」などと同じガスタービンで最高速度は30ノットです。一方、日本の「おおすみ」に似た揚陸艦「独島」は、ディーゼル(ディーゼル電気推進)で最高速度は23ノットとこれも似ています。

オヒョウの推測ですが、これらの大型艦が韓国に必要な理由が分かりません。対北朝鮮なら、もっと小型の艦艇を揃える方が合理的です。

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日本の海上自衛隊の艦艇をうらやんで、同じものが欲しい・・という思いで建造したのではないか? そしてどう考えてもそれらの艦は、対北朝鮮用としては大袈裟です。「鶏頭を割くに焉んぞ牛刀を用いんや」と考えた時に、思い当たるのは、対日本用です。4隻の(ナンチャッテ)イージス艦と揚陸艦「独島」は日本を攻撃するための艦艇にしか思えません。韓国海軍は日本との戦争を念頭に置いているのか?いったいこの国は何を考えているのか?

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しかし、もっと理解できないのは、同国海軍の主流であるフリゲート艦です。最新型の仁川級フリゲート艦は、ガスタービンとディーゼルのハイブリッド型のエンジンを持ち、速度は30ノットと、一世代前のフリゲート艦蔚山級の34ノットより逆に低速になっています。ちょうど中国のジャンカイ級と似ています。でも護衛する低速の空母も無いのになぜ?

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面白いのは、蔚山級も仁川級も、ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンの両方を用いたハイブリッド型だということです。ディーゼルとガスタービンにはそれぞれ長所と短所があり、併用する事で補完できる面はあります。ガスタービンは高速に適しており、ディーゼルは低速に適しています。しかし違うタイプのエンジンを一つの船に積んで使うのは、設備を複雑にするだけでなく、専門家も2種類必要です。

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海上自衛隊のように、2種類のガスタービンを組み合わせて使うか、韓国海軍のようにガスタービンとディーゼルの2種類を持つか、2通りの考えがあってもよいのですが、エンジンについて個々の要素技術の蓄積がない韓国が、欲張りして2種類のエンジンを持つ事が適当なのか? 理解できません。

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理解困難な、韓国海軍ですが、一応、主要な艦艇は30ノット以上出せることを前提にしています。統一感の乏しい韓国海軍ですが、一応米軍とのインターオペラビリティだけは考えているみたいです。

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各国海軍の艦艇の構成や建造計画をみれば、その国の考え方がある程度うかがえるのは、本稿の冒頭で申し上げた通りです。 でもそれを考えたら、「では日本は憲法九条のもと、専守防衛を旨とするのに、空母を持つというのは、おかしいではないか?」という、昔からある議論になります。

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しかし、私は「離島防衛を考えたら、空母保持は必ずしも専守防衛に矛盾しない」と考えます。 その根拠といえるのは、西側先進国同士が近代兵器を用いて戦った唯一の戦争とされるフォークランド紛争の記憶があるからです。

 

それについては、次号で申し上げます。


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