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【 Smart Contact 】 [医学]

【 Smart Contact 】

 

世はなべてスマート時代です。ここでいうスマートとは「賢い」とか「判断できる」とか「情報処理できる」というぐらいの意味です。本来、情報処理機能を持たない単なる道具にマイコンなどが取りつけられると、“賢い機械”という意味でスマート何とかという名称に切り替わるのは、ご承知の通りです。単なる携帯電話にコンピューターに近い機能が付与されるとスマートホンになりますし、時計に簡易的なパソコンの機能を付ければスマートウォッチです。それ以外にもスマート何とかと付く道具はたくさんあります。

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そういえば、最近の家電製品は賢くなったおかげか、いろいろしゃべったり警告音をだしたりします。「お風呂が沸きました」とか「ご飯が炊けました」とか、「録画を予約しました」とかうるさいほどです。なんでもアメリカには、扉を開けると「食べ過ぎです。太りますよ」と警告してくれる冷蔵庫があるとか? 本当ですかね?本当ならちょっと欲しいな・・いや、やっぱり要りません。

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建設機械も流行りのIoTを具体化したスマートコンストラクションとかで、ブルドーザーにコンピューターが付き、しかも人工衛星を介して、司令部と連絡し、自動で作業する仕組みができたそうです。地形はドローンが測定し、図面通りの掘削作業を機械が自分で行うのです。ブルドーザーとはもともと、機械化で牛が不要になり居眠りする・・・という意味ですが、スマートコンストラクションでは、人間が不要になります。

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コマツでそれを開発したK君は私の高校の同級生ですが、「コンピューター付きのブルドーザーさ」と説明するのを聞くと、「やっぱり、そのブルドーザーは新潟弁のダミ声でしゃべるのかな?」と考えてしまうのは、私が昭和男だからです。

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しかしまあ、建設機械などはどうでもいいのです。もっと身近な、身体に装着できるセンサーとテレメーター(通信装置)の方が私達には重要です。

実は身に着ける衣服や医療器具もどんどんスマートになっていきます。最近ではコンタクトレンズにマイクロチップを仕組み、健康診断してくれる、スマートコンタクトが登場しました。

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/022169.php

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/021249.php

涙を分析して、含まれる糖度を測定して報告するというものですが、素人の私には不可解です。実は私も工作機械の切削液濃度を調べるために糖度計を利用したことがありますが、それは液体の屈折率を利用したものです。コンタクトレンズにそんなカラクリを付けることはできませんし、一体どんな方法で糖度を測定するのか? それに涙には塩分も含まれ、複合的な水溶液です。どうやって糖度情報を抽出するのか?気になります。

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体に装着する測定装置のポイントは、センサー、テレメーター、バッテリーの3つをいかに小型化できるか?です。後者の2つはなんどかなるでしょうが、センサーをどう工夫しているのか?おおいに興味があります。

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もう一つ考えるのは、涙を分析するなら糖分以外にも測るべきことがあるだろう・・ということです。プロポーズを受けた喜びの涙と、別れを告げられた別離の涙では成分や温度は違うのか? 武器として使う時の女性の涙は、本当の泣き顔の涙と成分が違うのか? チャップリンの映画で観客が流す涙は、どんな味なのか? スマートコンタクトで分析して欲しいところです。

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超小型センサーが使えるなら、眼圧を測定し緑内障の防止や治療に応用できないか?と思っていたら、やはりありました。米国ミシガン大学は、超小型の眼圧測定コンピューターを体内にいれ、連続的に眼圧を測定して緑内障を診断する技術を開発しました。

https://www.eecs.umich.edu/eecs/about/articles/2015/Worlds-Smallest-Computer-Michigan-Micro-Mote.html

ミシガン大学は、この超小型のコンピューターというかセンサーをM3と呼んでいますが、時代はもう「ミクロの決死圏」です。

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そういえばミシガン大学は、かつて自動車の安全工学の分野で世界をリードしていました。Cadaver(実験用の死体)を用いた自動車の衝突試験は日本ではできないもので、ミシガン大学の研究成果に人々は注目していました。その頃からミシガン大学は医学部と工学部の連携が密だったのですが、今はマイクロマシンの世界で、それを実現させているようです。

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身に着けるセンサーの発達は、それ以外にもあります。

先日、私の次男が仙台ハーフマラソンに参加したのですが、鹿嶋にいる私の家内が、パソコンの画面を見ながら応援しています。どういうことか?と訊くと、靴に装着したGPSから位置情報が送られ、どの選手が今どこを走っているかを、リアルタイムに地図上で把握できるというのです。家内はその情報をパソコンで確認しており、もう少しで中継カメラの前に差し掛かると言います。果たして中継カメラの画像をパソコンに映すと、黙々と走る息子が画面に現れました。

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「へえー大変な時代になったものだ」と昭和人の私は驚嘆します。やがてトイレの便器に座れば、体重だけでなくもろもろの健康状態が調べられ、警報や注意報が出されるかも知れません。 はては、線虫のセンサーが尿に反応してガンの診断もしてくれるかも知れません。 靴や服には当然のようにGPSが付き、どこでどう道草をしたかが、全て知られてしまうことになるかも知れません。

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便利で嬉しい反面、気安く外出もできませんし、落ち着いてトイレで座ることもできません。 私の場合、私よりずっと賢いTOTOの便器がこう言うかもしれません。

「コノ体重ハ重スギマス。便器ハ人工知能デ“スマート”ダケド、アナタハチットモ“スマート”デハナイ」。


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