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【 只ほど高いものはない 】 [インターネット]

【 只ほど高いものはない 】

携帯電話用ゲームの供給大手のDeNAが公正取引委員会の立ち入り調査を受けました。名目は、取引先のゲーム開発者やゲームメーカーに対して同業他社への供給をしないよう圧力をかけた疑いですが、誰もそれだけが理由とは考えていません。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101225-00000535-san-soci

TVのスポットコマーシャルで「無料です」と紹介しているゲームを提供するサービスが、実は無料とはほど遠い物で、ゲームにはまった子供が高額の請求書を送りつけられて親が驚くという事態が発生し、社会問題化しているのです。 これはゲーム提供各社とも同様ですが、この業界は極端な寡占であり、モバゲーやグリーなど、TVコマーシャルで見かける数社だけです。 逆にそれだけに競争も熾烈なようですが、儲かるビジネスである事は間違いないようです。

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この事態を公正取引委員会が放置するとはいかなることか?と思っていたら、やがてTVCMでは、「無料です」というアナウンスと同時に、ごく一瞬だけ小さな文字で、「一部有料なコンテンツがあります」と表示される様になりました。なんだか、余計に詐欺みたいです。しばらくすると、その有料を示す文字は少し大きくなりました。 公正取引委員会に睨まれた業界は、今度は「無料です」というアナウンスを消すそうです。

なるほど怪しげな業界です。

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実は、無料と思わせて有料の部分に誘導し、あとで高額の請求書を送るというのは、以前からインターネットの業界にはよくある手口で、特に閲覧する側にいくばくかのやましさがあるアダルトサイトなどで見かける手口だ(そうです)。

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DeNAの女性社長は、マッキンゼーで大前研一氏の薫陶を受け、更に米国のビジネススクールで学位を取った才女で、最初に起業したネット通販の会社では鳴かず飛ばずでしたが、新しいビジネスモデルとして始めた携帯電話向けのゲーム提供で大成功した・・とマスコミは喧伝しますが、何のことはない、古典的なペテン師だったのです。

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しかし、マスコミは彼女を賛美するばかりで、このスキャンダルを報じません。 でも考えてみればそのはずです。携帯電話ゲーム各社は膨大な量のスポットCMTVに流しており、TV局にとっては大変なお得意様なのです。

悪口を言うはずがありません。

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報道ステーションで古舘がウィキリークスとその創始者のジュリアンアサンジのビジネスを紹介する際「彼等は何の権力にもおもねっていません。それに比べて我々は何をしていたんだ。という思いを禁じえません」などと偽善の極みのセリフを語りました。 そして、その直後にグリーのCMが入り、次にトヨタのCMが入りました。それを見て、オヒョウは報道ステーションでは決して携帯電話ゲームの怪しげなビジネスを追究する事はないだろうと確信しました。

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ついでに言えば、トヨタ車のクレーム・リコール問題が発生した時もマスコミは一様にトヨタに対して好意的でした。米国トヨタがクレームを隠そうとした事には触れず、多くの事故は運転者のアクセルとブレーキの踏み間違いだったとの説を強調し、さらには日本対アメリカの経済摩擦の問題に、論点をすり替えていきました。

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その少し前に経団連の会長(当時)の奥田碩が「マスコミが批判するならCMスポンサーを降りるぞ」と恫喝した事も影響しているかも知れません。

CMの量が、トヨタより遥かに少ない三菱自動車のクレーム隠しの時は極悪非道の会社として非難したマスコミは、トヨタに対しては好意的でした。

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古館がどのように格好をつけようと、地上波の民放は視聴者からはお金を取らず、彼のギャラも制作費も全てスポンサーが賄っています。その環境下で彼が求める正義の報道とは一体何でしょうか?

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私は無料で得られる情報には自ずと限界と問題があると思います。だから入手する時は、その限界と問題を意識した上で、上手に利用すればいいのだと思います。

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携帯電話ゲームが登場する前からインターネットの世界やパソコンの世界には、無料のサービスが溢れていました。

高価なアプリケーションソフトを買わなくても、気の利いたフリーウェアを利用すれば、事足りる場合が多くあります。

Officeだって、その気になれば無料のソフトがありますし、日本語変換ソフト(FEP)も無料のものがあります。 サンマイクロシステムズはJAVAを無料で公開していますし(その結果か経営不振でORACLEに吸収されましたが、トホホ)、ウィルス対策のワクチンソフトも無料、高額な有限要素法解析プログラムもCalculixなら無料です。 音声認識エンジンJuliusも無料です。・・・でもなぜ無料なのか?

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無料ソフト、つまりフリーウェアがお金を取らないのには複数の理由があります。

1. まだ完成前のβ版であり、支障が生じた時に責任が取れないから。

同時に、ユーザーの評価を無料で受け取り、製品化の参考にしたいから。

2. リーダーやビューアーなどの閲覧ソフトを無料で配り、Acrobat WriterやPowerPointという作成ソフトの方を高額で売りたいから。

3. ブラウザの様に、利用者が増える事で他の収入が期待できるから。

4.  非営利目的の研究などで製作したため、販売するとややこしくなるから。また実際に使うには、相当のカスタマイズが必要でユーザーフレンドリーではないため、有料にできないから。

5. 無料バージョンは、一部の機能を割愛しており、やがてユーザーが有料版を購入するようにしむけるため。

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ですから、無料ソフトを使用する場合は、なぜ無料なのかを疑って、納得してから使うべきであるとオヒョウは考えます。

以前、オヒョウが中国にいた頃、通信費の節約の為に無料電話Skypeの使用を提案した事があります。 しかし、本社のシステム担当の部長は、頑迷な人でした。

「そもそも無料で電話サービスが成立するはずがない。何か罠があるに違いない・・」と奇妙な事を言います。 オヒョウがSkypeが通話料無料でも成立するビジネスモデルである事を説明しても、哀しいかな理解できないようです。                 「俺の友人でNTTにいた男が、Skypeなんて怪しげなサービスは止めておけと言った。オヒョウ君の言う事よりも信用できる・・」なんて無茶な事を言って反対します。

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「無料電話サービスなのだから、NTTにとっては脅威な訳で、彼等は悪口言うに決まっているではないですか。そんな事も分からないのですか?」とオヒョウも喧嘩腰になってしまいました。

今、競争の激しい携帯電話業界では、不倶戴天の敵であったSkypeを取り込むことで通話無料化を実現した電話会社が現れました。K部長が聞いたら目をシロクロさせるかも知れません。

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それはともかく、インターネットの無料サービスやパソコンのフリーウェアは普通、大々的な宣伝をしません。薄利多売だったり非営利だったりするので、CM費用は捻出できませんし、CMの必要もないからです。

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それなのに、(無料と称する)携帯電話ゲームのCMはうるさいくらい、多く流れます。

「これは相当胡散臭いという事ではないか?」とまともな人なら思います。

それに紹介するゲームが奇妙です。 魚釣りやクロスワードパスルなら普通ですが、なかには、憧れのキャバクラ嬢になって、ナンバーワンになるのを競う・・なんていう下品なゲームがあります。

ご存じない方に言えば、キャバクラ嬢とは、キャバレー・クラブに勤務する水商売の女性の事で、ゲームでは高価なコスチュームや濃いお化粧をして、お客を何人獲得し、幾ら稼ぐかを競うのです。

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職業に貴賎はないし、水商売もかなり認知されてきたこの頃ですが、キャバクラ嬢という職業が憧れ・・というのは理解できません。そもそもこの言葉自体が下品です。

しかも、それを詐欺まがいの方法で売るというのですから、このビジネスモデルはある意味で反社会的です。

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パソコンのフリーウェアの世界は、長年にわたって善意の開発者によって築かれてきました。金儲けとは違う価値観に基づき、多くのパソコンユーザーが楽になるようにと提供されてきたソフトウェアの宝庫です。

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それなのに、その対極にある金儲けの為のビジネスが「無料」を騙り、法外な利益を上げているとしたら、糾弾すべきでしょう。                           しかし民放の報道にそれを期待する事はできません。 なぜなら所詮無料の地上波TVだからです。








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tombow

グリーやモバゲーに感じていた胡散臭について、的確に表現されていて、溜飲の下がるおもいです。
サラ金やパチンコのCMが増えたのは、不景気な時代の仇花とも言えるし、一応合法な企業のCMです。しかし、グリーやモバゲーはまともな企業とは思えません。
特に、子供をメインのターゲットにして数百億もの利益を得ていることは、子を持つ親の立場からは許しがたいことですし、そのような詐欺的サービスのCMを大量に流し続けるテレビ局も詐欺の片棒を担いでいるも同様で、許せません。
世の中には怪しい反社会的な物が沢山ありますが、親は子供に対してそれが如何に危険な存在であり、手を出してはいけないかと言うことを事あるごとに教えていくものです。しかしテレビで大々的にCMが流されると、子供はそれを疑いもせず簡単に洗脳されてしまいます。
親がいくら怪しいもののは近づくなといっても詐欺師の方から笛や太鼓を鳴らして近づいてくるのだからたまりません。
by tombow (2011-01-07 08:19) 

笑うオヒョウ

tombow様 コメントありがとうございます。

返信が遅くなり申し訳ありません。
たしか、コメントをいただくのは初めてですね?

私は、携帯電話とは、基本的に通話するもの、あるいはメールを送受信するもの・・と考えていますから、それでゲームをする事じたい馴染めません。

だから、ゲーム配信サービスについても距離をもって眺める事ができますが、私の子供たちはそうもいきません。困ったものです。
あまり道具が多機能化するのも考えものだと思ってしまいます。

またのコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2011-01-11 03:09) 

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