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【 遥かな尾瀬 その1 】 [新潟県]

【 遥かな尾瀬 その1 】 

いささか、旧聞ですが・・、この夏、オヒョウは10日間だけ、無職の日々を過ごしました。8月20日に前勤務先を退職し、9月1日に新勤務先に入社したからです。そして、オヒョウの他に、もう一人長い夏休みを過ごした人がいます。

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Mさんは、今年、S財閥のある企業の常務取締役を退任し、毎日が日曜日の日々を過ごしています。  

オヒョウはMさんに大変お世話になったことがあり「一度、新潟に遊びに来て下さい・・」とかねてから、お願いしていました。 

そのMさんに時間ができた一方、私は新潟を去る事になったので、一緒に新潟を旅行するとしたら、8月下旬しかありません。

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オヒョウは、新潟県への観光客には、まず佐渡島の旅行をお薦めしますが、Mさんは既に佐渡島を訪問した事があります。 ではどこをご案内しようか?とうだるような暑さの中で考えました。

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これは新潟県で一番涼しいところへご案内するのがよろしかろう・・と考えたオヒョウは、奥只見を提案する事にしました。新潟県と福島県の県境にある奥只見ダムとその人造湖は、万年雪の雪渓が近くにある、夏でも涼しい場所だと聞いていたからです。 そして、もう一つの理由は、オヒョウ自身も、奥只見をよく知らないので、行ってみたかったからです。

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そこで、Eメールで、奥只見などはいかがでしょうか?とMさんにお尋ねしたのですが、返事は意外なものでした。

「奥只見は尾瀬に近いですね。 尾瀬には行けますか?」

これはオヒョウが思いつかなかった事です。ご存知の様に、本州で最も奥深い場所にある尾瀬沼と尾瀬ヶ原は、福島県、群馬県、新潟県の3県からアプローチできます。そして多くの人が一度は行ってみたいと思う、憧れの高層湿原です。

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オヒョウは昔、群馬県から入り、鳩待峠経由で尾瀬ヶ原に行った事があります。確かにすばらしい景色で、しばらく下界の事を忘れました。ああ、やっぱり尾瀬は素晴らしい・・という印象でした。その分、日常の日々に戻る帰路が憂鬱でしたが・・・。 

だからMさんが「尾瀬に行きたい」と言われたのは、全く無理からぬことで、よく理解できるのですが・・・。

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私の経験から、尾瀬とは群馬県から入るものとばかり思っていたのですが、それは迂闊な思い込みでした。確かに、地図を見ると新潟県経由で、奥只見から尾瀬沼に行くルートもあります。

しかし、手元の地図には、奥只見湖の湖岸の道路は書かれておらず、奥只見から尾瀬に向かうルートは複雑です。

銀山平から尾瀬口まで船で奥只見湖を渡り、その後、バスか徒歩で峠を越えて御池まで行き、さらに東北地方一の高峰、燧ケ岳をまく形で沼山峠まで行き、最後の沼山峠から尾瀬沼までは徒歩・・というかなり複雑なコースが示されています。

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Mさんを朝、新潟空港へ迎え、そして翌日の夕方に新潟空港へ送る1泊2日の小旅行では、ちょっと無理ではないか・・・? 何かいい方法はないだろうか?

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暫く考えましたが、名案は浮かびませんでした。なぜなら、尾瀬沼もしくは尾瀬ヶ原へのアプローチは、どのルートも最後は徒歩の区間が入ります。車を降りたらすぐに尾瀬という訳ではありません。つまり登山やトレッキングの用意なしで気軽に行ける訳ではありません。

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車で直接尾瀬に入れないというのは、自然保護上、やむを得ない措置です。しかし、そこには、山登りやトレッキングをたしなむ人達の「安易な気持ちの一般の観光客には、尾瀬の自然を愛でる資格はない。それなりの対価を支払った者だけが、美しい景色を見る資格があるのだ」という優越感もうかがえて、オヒョウはすなおに頷けません。

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歩くのを億劫に思うのは確かにほめられた事ではありませんが、世の中には足の不自由な人もいれば、時間の無い人もいます。彼等に尾瀬に行く資格はないのか?  それはいいとして、さて困ったな・・。

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私自身は、このうだるような暑さから逃避できれば、尾瀬でも奥只見でも南極でもいいや・・というのが本音です。 尾瀬でなく奥只見湖のような人造湖であっても、大自然の中で、1日ノンビリできれば、上等な夏休みだという考えです。

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では、とりあえず、自動車で近づけるところまで近づき、尾瀬までたどり着けなければ、残りはまた次回・・という事にしようか・・という甚だ行き当たりばったりの計画で、奥只見行きを決行する事にしました。

尾瀬に期待するMさんには、その旨を了解していただき、8月25日の朝、オヒョウは新潟空港へ向かいました。 

以下、次号

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コメント 4

上野まり子

こんにちは 上野まり子です。

私も群馬県というイメージを持っていました。

記事中の足の不自由な方のお話ですが、
足の不自由な方の中にはお年を召した方もいらっしゃいます。
東京・国立劇場に最も近い駅の一つは半蔵門1番、2番出口です。
この出口には階段です。
しかも半蔵門線は比較的あとに完成したために
地中深く走っており、この階段が長~いのです。
まだ老人とは言えない私でも途中の踊り場で人休みしないと
一気には登れません。
ところが国立劇場はお年を召した方の来場が多い劇場です。
つまりその方々は大変な思いをして階段を上がらなければなりません。
どうにか改善の方法はないものか、行政はこの事実を知っているのかと。

これからどんどん高齢化が進む日本、あらゆる手続きはPCになり、
お年を召した方には生きづらくなって来るでしょう。
私もまもなくついていけなくなるかもしれないと日々不安に思います。

またお邪魔します。
by 上野まり子 (2010-09-08 13:39) 

笑うオヒョウ

上野まり子様 コメントありがとうございます。

確かに半蔵門線は深いですね。 私などは、地下鉄の駅はとにかくエスカレーターを探してしまいます。軟弱な話でお恥ずかしい限りです。
でも駅によっては階段を歩かざるをえないところも多いですね。

昔、田舎から上京して都会暮らしを始めた頃、新お茶の水駅のエスカレーターが長いのに驚いた事があります。(最近の深い地下鉄に比べたら大した事はありませんでしたが)。 興奮して友人に話したのを覚えています。
「いやあ、新お茶の水駅のエスカレーターは長いね。ちょっと恐怖感を覚えたくらいだ」 しかし、それを聞いた川崎のご隠居は「いや本当に怖いのは四ツ谷駅の方だ。あの駅では地下鉄は地上に顔を出すが、階段はとても怖い。 何と言っても四谷階段と言うくらいだ」 というダジャレで周囲を涼しくしました。 30年以上前の話しです。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-09-09 01:46) 

上野まり子

こんばんは 上野まり子です。

四谷階段、いや怪談のお話は最近のタレント化した噺家より
遥かに上手い噺でした。
by 上野まり子 (2010-09-11 02:31) 

笑うオヒョウ

上野まり子様

お返事が遅くなり、申し訳ありません。

私のブログでは、自分自身が忙しくなると、

1 ブログ更新頻度が低下する。
2 頂いたコメントへのお返事が遅くなる。
3 ブログの最後に書くオチのダジャレの質が低下する。

の3つの弊害がでます。 3のオチだけでも質を維持しよう・・と
思っているのですが・・

またのコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-09-25 22:27) 

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