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【 ポツダム宣言受諾と無条件降伏の矛盾 その2 】 [政治]

【 ポツダム宣言受諾と無条件降伏の矛盾 その2 】 

トルーマンは原爆投下にあたって「ポツダム宣言で降伏の道筋を用意したにも拘わらず、日本はそれを無視する。だから投下する」と語っています。 教養ある米国人に、原爆投下の非人道性を訴えると、「米国はポツダム宣言を用意したのに、なぜ日本政府は応じなかったのだ?早期に受諾していれば、原爆投下は無かったのだ」と反論してきます。

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一部の日本人は、真珠湾攻撃に対する米国の際限ない報復行為の連続が太平洋戦争であり、坂を転がり落ちるように、事態が悪化した挙句、原爆投下がその最終行為であったと考えます。その間、日本側には戦争を止める選択肢がなかったと考えますが、米国の言い分は違います。「原爆投下の前に日本には判断の機会を与えたのに日本はそれを無視した。悲劇の責任の一端は日本にある」というのです。

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これは、ひたすら米国は悪であり、悪魔の仕業とも言うべき原爆投下は米国の責任だ・・・と訴える人々には都合の悪い事実です。

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ポツダム宣言と原爆投下を関連付けて議論する評論をあまり見かけません。悲惨な原爆の被害を、米国攻撃に使用したい人にとってポツダム宣言は都合の悪い問題なのです。

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日本政府の怠慢と無能を批判されたくない人々、そして、日ソ不可侵条約を一方的に破棄し、旧満州や樺太、千島に侵攻し、ポツダム宣言受諾後も侵攻を続けたソ連を擁護したい人々、敗戦後の日本の権利をことさら少なめに評価したい人、原爆投下を米国非難に利用したい人には、日本の降伏はポツダム宣言受諾ではなく無条件降伏であって欲しいのです。 でも実際は違うのです。

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無条件降伏の場合、戦勝国は敗戦国を、煮て食おうと焼いて食おうと構わないという事になります。国家自体を消滅させても構いません。実際、無条件降伏したドイツは東西に分割されました。しかし日本は分割を免れました。 

日本が分割を免れた理由は、いろいろ議論されています。

1.マッカーサーがリーダーシップを発揮して、分割に反対した。

2.ソ連には対日戦の勝利に貢献した実績がないので、占領管理する資格がないとされた。

3.ポツダム宣言で、戦後の日本のあり方を事前に規定していた。

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オヒョウは3番目の理由が大きいと思います。実は、戦争の敗北が決定的で、国家の消滅さえ危惧された状況で、日本を救ったのはポツダム宣言であるとオヒョウは思います。連合国が敢えてポツダム宣言を用意したのは、日本軍の抵抗が頑強でこれ以上の戦争継続が全ての人々にとって不幸であるとの認識があったからだと思います。戦争の悲惨さに基づく厭戦思想の産物がポツダム宣言であるというのは・・・いささか牽強付会かも知れませんが。

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第二次大戦後、戦争終結の為の宣言が用意された事はありません。イラク戦争では、サダム・フセインを絞首刑にするまで鉾を納めないというのがブッシュ(息子)大統領の考えでした。アフガンでもビン・ラディンの首を取るまで、戦闘を止めない覚悟でしょう。しかし、その結果、戦争は何時までも終わらず、ベトナム戦争の様な泥沼化の可能性があります。 人々は戦争を遂行するために努力し、智恵を絞ります。 しかし、戦争を終わらせる為に努力したり、智恵を絞る事をしません。 

オヒョウは815日を単なる鎮魂と贖罪の日にするのではなく、今行われている戦争に思いをいたす日にするべき・・と思うのですが、そう考える人は少ないようです。ポツダム宣言という言葉も、ごくまれにしか耳にしません。

オヒョウにはちょっと物足りません。


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wolfy

オヒョウ様へ
たいへん勉強になりました。
ブログの再開を、楽しみにしております。
by wolfy (2010-08-24 09:03) 

笑うオヒョウ

Wolfy様 コメントありがとうございます。

昨日から、ブログを再開しましたので、引き続きお読みいただければ幸いです。 ところでWolfyという名前は面白いですね。

アマデウスという映画で、妻がモーツァルトの事をウルフィと呼んでいましたが、それにちなんだものでしょうか? またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-08-30 13:50) 

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