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【 野球賭博と相撲取り 】

【 野球賭博と相撲取り 】 

日本相撲協会についてのスキャンダル報道が止まりません。今から10年以上前にも、八百長疑惑など、相撲協会の暗部を抉る報道が、週刊ポストなどから流れたのですが、新聞の全国紙やテレビのキー局などのマスコミ主流派からは無視されていました。

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しかし、序の口力士の暴行致死事件や、横綱朝青龍の乱暴狼藉、チケットの暴力団横流し、野球賭博などが連続し、ついに主流派のマスコミもスキャンダルを無視できなくなった・・・というか、隠し通せなくなったというのが、真相でしょう。

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同じようなパターンは他にもあります。 かつて北朝鮮の悲惨な国内事情や拉致問題は、早くから一部のマスコミで報道されていましたが、主流派のマスコミからは無視されていました。同国に関する悪い報道は、全て北朝鮮を貶めるための捏造とされ、北朝鮮が関与した国際テロ事件の報道も最小限でした。あまつさえ、マスコミは北朝鮮と略称で呼ぶ事さえ憚り、長ったらしい正式国名を毎回連呼していました。

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ちなみに、北朝鮮の悪行が明らかになった後、さすがに北朝鮮という略称を使う様になりましたが、その代わりに朝鮮総連については、必ず正式名称で一度紹介するという奇妙なしきたりを守っています。

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上記の通り、北朝鮮に関する悪い報道は、ことごとく無視するか矮小化して報道していたのに、ついに拉致事件が否定できない事実として示されると、もうさすがにかばえないと思ったのか、突然180度方針変換し、北朝鮮は悪の帝国として報道される事になりました。それまで決して悪く書かれなかった金正日は、一晩にしてテロリストの親分という事になりました。

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実に見事な変節漢ぶりですが、これに類似した現象が、これから日本相撲協会に関する報道で見られる事になります。NHKがこれまで独占に近い形で生中継してきた大相撲では、アナウンサーが力士の悪口を言う事はありえません。 解説者の方は若い力士に対して辛口のコメントをする事もありますが、アナウンサーの口からは、全ての力士に対する賞賛と暖かい応援のコメントしかでません。まじめで優しく、朴訥な好青年としてしか紹介されません。

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NHKは相撲協会のご機嫌を損ねたくなかったのか、或いは神事とも言える日本の国技に対して敬意を払うべきと思ったのか、とにかく三流の太鼓持ちの様に、相撲取りを持ち上げていたのです。それがこれから変わるかも知れません。

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他にマスコミが決して非難しない世界はないでしょうか?実はたくさんあります・・・・。

例えば高校野球があります。 高校野球の甲子園大会も、NHKによって中継されますが、アナウンサーが選手やチームを批判的に言う事は許されません。全ての高校球児は品行方正、刻苦勉励して勉強とスポーツの両方に秀でた少年で、性格は爽やかで後輩思い・・・という事になっています。

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しかし、実態はどうか?全国の野球少年が全て模範生徒である・・なんて事はありえません。むしろ、体育偏重の指導方針のもと、高校生の本分である学力の向上をないがしろにした少年の方が多いのではないでしょうか?そして多くの野球部では、スパルタンな指導方針・・と言えば聞こえはいいですが、不毛な肉体的シゴキや陰湿な後輩イジメが存在します。

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しかし、その様な実態が、NHKのアナウンサーから語られる事はないのです。 なにかの弾みで、甲子園参加校の不祥事や刑事事件が発覚すると、当事者のチームは参加を辞退し、あくまで甲子園には瑕がつかないようにします。つまりNHKなどのマスコミが高校球児を賛美する事を妨げない様にします。

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かつて、日本の新聞は、日本の軍国主義を賛美し、軍隊に都合の良いニュースだけを報道しました。 ヒットラーを賛美し、ヒットラーユーゲントという少年使節が朝日新聞社を訪問すれば、彼らを褒めたたえました。

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その同じ口で、同じペンで、彼らは北朝鮮を賛美し、大相撲を讃え、高校野球を褒めています。 しかし虚飾の報道は長続きせず、真実は何時か露見します。

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オヒョウは懲役囚になった事がないので、詳しくは知りませんが、刑務所では、受刑者に更正教育の一環として、大相撲中継と高校野球中継のTV番組を見させるのだそうです。 受刑者の側からみれば、本来勤労作業の時間帯にTVを観て時間を過ごせるのだから大歓迎です。(その習慣が、暴力団に相撲の向正面の席を与える事になったのですが・・)。

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どうして刑務所では、この2つの番組を選ぶのでしょうか?多分、登場するスポーツマンが、品行方正なまじめな努力家として紹介されるので、彼らを手本として見習え・・という事なのでしょう。 しかし受刑者の多くは、それが虚構である事を知っているかも知れません。

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批判する事が商売であるはずのマスコミが、決して批判しない存在、神聖にして犯すべからざる存在として扱っているのは、団体だけではありません。個人もそうです。

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かつて、新聞では美濃部亮吉と市川房枝は、その批判を許さない存在でした。 行政能力的には全く無能で、女性関係のスキャンダルを持った美濃部都知事は聖人の様に扱われました。 女性の開放に活躍した市川房枝も、その奔放な男性関係は語られず、ジャンヌ・ダルクの様に扱われました。 しかし、批判されない存在を我々は信用すべきか? オヒョウは政治家がマスコミから批判されない事の危うさを思います。

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ところで、どうでもいい事ですが、その市川房枝を担ぐことで、自らの政界への足がかりを築いたのが、菅直人である事も、一部のマスコミでは好意的に報道されています。


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Dr.Y.

この件、主に力士の野球賭博の件ですが、匿名掲示板を見ると意外に同情的?な書き込みが多いのに驚きます。曰く、競馬やパチンコは?、とか、自分も同僚と賭け麻雀をやるとか....
この問題のポイントは、1)賭け金が胴元を通じて反社会的な組織に流れている、2)大相撲が公益法人である、3)中継しているNHKが受信料をとっており、下手をすると我々の収めた受信料も回り回って反社会的組織に渡っていた可能性がある、といった所かと。こういった単純な図式も理解できないほど多くの日本国民?が大相撲に同情的なことも、メディアによる洗脳なのでしょうかね?
by Dr.Y. (2010-06-23 08:48) 

笑うオヒョウ

Dr.Y様 コメントありがとうございます。
この件に関し、匿名掲示板は見ておりませんが、反社会的勢力(つまり暴力団)に対して人々が寛容すぎるな・・という感覚は、一連の報道を見て私も感じております。
ひとつには、野球賭博というものが一般にはそれほど知られていないので、その凶悪性と反社会性が理解されていない事が理由だと思います。 賭けゴルフにしても、賭け麻雀にしても、善良な市民(というのが本当に存在するのか?)が仲間内で行うささやかなものと、暴力団や芸能人、相撲関係者が関わるものとは、全く性格が違うのだそうです。
マスコミの報道はその説明が不十分です。

あと、相撲協会に自浄能力は無いでしょう。今の理事長だって兄弟がヤクザで服役していた事は知られています。刑務所で相撲中継を見ながら「あの横綱三重ノ海は俺の弟だぜ」と自慢したところ、刑務官から「その兄弟がお前のためにどれだけ迷惑しているか考えろ。弟を自慢する前に、自分を反省しろ」とたしなめられた・・という話をヨネキンから聞いた事があります。理事長本人の話ではありませんが、ヤクザとの縁を完全に断ち切る事は不可能だと、私は考えます。
次のコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-06-23 11:46) 

洋カツ

初めまして、洋カツと申します。

>スパルタンな指導方針・・と言えば聞こえはいいですが、不毛な肉体的シゴキや陰湿な後輩イジメが存在します。

欺瞞に満ちた「熱血指導神話」を生み出しているのは、マスゴミによる醜悪なサドマゾ趣味に他なりません。

>ヒットラーを賛美し、ヒットラーユーゲントという少年使節が朝日新聞社を訪問すれば、彼らを褒めたたえました。

おめでたさの極みですね・・・

シンガポール陥落当時、前年九月に締結された日独伊三国軍事同盟によってドイツは日本の同盟国であった。しかしこのニュースを聞いたヒトラーは、折から訪独中のルーマニア首相に向かって、「これはすばらしい。しかし悲しむべきニュースだ」と語って複雑な心境をのぞかせている。さらにある側近の日記によれば、「黄色い連中を追いはらうため、喜んで二〇個師団を英国に送ってやりたい」とも語っている。
(ビジュアル版世界の歴史19『第二次世界大戦』 荒井信一 講談社 1984)

「わが闘争」の戦前翻訳版では、日本人を軽蔑した箇所が、きれいにカットされていたそうです。

by 洋カツ (2010-09-23 00:01) 

笑うオヒョウ

洋カツ様 初めまして コメントありがとうございます。

わが闘争の日本語版では、ヒットラーが日本人を貶している箇所がカットされている・・という話は私も耳にした事があります。 その工作を行った人は人には日本人としての誇りはなかったのでしょうかね? 松岡洋右や東條英機は、ヒットラーは日本を本当の友人と考えているだとか、我々を「黄色いアーリア人」だとみていると語ったそうですが、それ自体デタラメなうえに、アジア人の自分たちが白人優位の人種差別主義に賛同してどうする・・という思いにかられます。 政治家が愚かだったのは今に始まったことではないわけですが・・その尻馬にのったマスコミ人こそ唾棄すべき人種だったと、私は思います。

NHKの大相撲中継は再開し、相変わらず、力士を賛美・応援するアナウンサーが帰ってきましたね。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-09-23 00:29) 

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