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【 ミツバチはなぜ姿を消したか 】 [雑学]

【 ミツバチはなぜ姿を消したか 】 

何でも、各地で養蜂家が飼うミツバチの失踪が相次いでいるそうです。ハチがいなくなると蜂蜜の生産に支障をきたすのかな?なんて、ぼんやりと考えていたら、それ以前に、ミツバチに受粉を委ねていた果樹園農家が悲鳴をあげているそうです。

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そう言えば、春先に観光イチゴ園に行けば、ビニールハウスの中でミツバチが飛び交っているのを目にしますし、バラ科の果樹の花が咲く春にはミツバチがいないと受粉できません。モモやリンゴの収穫に大きな影響があるかも知れません。 農家の説明では、人間が筆を用いて受粉しても、果実が奇形になったり、うまく実らなかったりして具合が悪いそうです。

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だから、受粉の季節には養蜂業者からミツバチをレンタルして、果樹園に放つのだそうですが・・・、今年はどうしようかと嘆いているとか。ミツバチのレンタルは養蜂業者にもメリットがあります。養蜂業者は、果樹園にハチを貸し出す事で、レンタル料が入る上に、単一の花から採取したハチミツが手に入ります。それで製品のハチミツを高級品にできます。

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今、スーパーに行くと、ハチミツの瓶には生産者名が書かれ、レンゲの花から採取したとかミカンの花から採取したとか書いてあります。値段は高いのですが、蓋を開けると確かに柑橘類の香りがしたりして、ちょっと上等なハチミツだな・・と理解できます。

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そのミツバチが大量にいなくなったり、大量死して数が足りなくなった訳で、一部ではミツバチの盗難事件が発生しているそうです。

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でも、なんだか、ミツバチの姿を見ていると、働く人間を重ねあわせてしまいます。派遣業に従事して派遣先からも、派遣元からも搾取されている労働者の姿を思い浮かべます。そして失踪したミツバチの気持ちを勝手に思いやれば、人間と同じ様に過労死したり、過酷な労働で燃え尽き症候群になり、職場を放棄したのではないか?なんて思ったりします。

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実は、ミツバチの大量死と大量失踪は、日本で問題化する前に、米国で大問題になり、今や全世界的な問題だそうです。原因としては、西洋ミツバチの免疫力が低下したとか、ハチにストレスが溜まったのではないか?という説もあるそうです。ストレスなどと聞くと、ますます働きバチをサラリーマンに例えたくなります。

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個人的には・・・・、全く根拠なしですが、単一の種類である西洋ミツバチを長期間交配していけば、遺伝的に何かカタストロフィックな事が起こる可能性はないか?と思います。 昆虫の世界で、単一の種だけが人に飼われて、膨大な数に増え、長い期間交配を重ねているというのは、やはり不自然な事なのではないか・・?とオヒョウは思うのです。(これが植物であれば、例えばイネとかムギであれば当たり前ですが)。

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しかも、ミツバチはアリなどと並び、高度な社会性を持ち、集団で暮らす種です。集団で生活し、生き延びるための情報はおそらく遺伝子に書き込まれているはずで、もし突然変異的な現象で遺伝子が変化すれば、ミツバチの群れの崩壊というのもありうるのではないか?

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ではミツバチの群れの変化が最近になって、突然発生したのはなぜか?これはオヒョウには分かりません。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」の様に、化学物質汚染が原因かも知れません。でもそれなら、環境汚染はかなり昔からあり、ここ数年の現象ではありません。それに今発生するなら北米より先に、汚染の程度がひどい中国で起こっているはずです。

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オヒョウはチェルノブイリ事故の後、ヨーロッパ産のハチミツを食べるのを止めましたが、もし放射能汚染が原因なら、もっと別の場所で別の時期にミツバチの失踪が発生したはずです。

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どうも、オヒョウにはミツバチの失踪の原因が分かりません。でもひとつだけ提言できる事があります。犬の世界では純血種よりも雑種の方が、丈夫で病気に強いとされますミツバチにも多くの品種を残し、雑種を作るのもいいのではないでしょうか? 今、日本では西洋ミツバチが増え、昔からの日本ミツバチは減っているそうです。それを復活させ、さらに西洋ミツバチと日本ミツバチを交配させて、病気やストレスに強い種を生み出してはどうでしょうか?

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多様なミツバチの種を保存するためには、効率を重視したプロフェッショナルの養蜂業者だけでなく、アマチュアの人々が趣味としてミツバチを飼う環境があった方がいいと思います。欧州にはその環境があります。都市にも農村にもミツバチを飼う人々のサークルがあるそうです。

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ギリシャ映画「蜂の旅人」では主人公が教師のかたわら養蜂をしていますし、シャーロック・ホームズは探偵業を引退したあと、ミツバチを飼っているという事になっています。

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同じように、日本にもミツバチ同好会がたくさんできて、そこで種の保存“やミツバチの品種改良ができれば、問題の幾つかは解決するかも知れません。でも、サラリーマンが、ペットとしてミツバチを飼ったら、身につまされるかも知れません。

そして集団脱走したミツバチの気持ちが分かる・・・かも。


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コメント 4

夏炉冬扇

こんばんは。
養蜂業者がミツバチを箱ごと盗まれるそうです。近所のお話。果樹栽培の人が盗るのか、そこに売りつける人が盗るのか、というのは不明。
畑では減ったと実感しないのですが。
by 夏炉冬扇 (2010-04-30 21:14) 

おじゃまま

私もミツバチのこの大事件は気になっていて、
時々耳に入る「原因推理」を興味深く思っています。
最近では「電波説」が有力、だと聞きました、特に、携帯電話の…。真偽やいかに、ですが…。
それだと、「アメリカ」というのもなんだか頷けますよね。

わが家の庭にはわんさとニホンミツバチがいますが、
最近ではミツバチではない国産の蜂(名前忘れましたが)に
授粉を手伝ってもらう試みもなされているようです。
by おじゃまま (2010-04-30 22:13) 

笑うオヒョウ

夏炉冬扇様 コメントありがとうございます。

ミツバチを盗むというのは、私にはとても理解できません。
巣箱一箱分で、金銭に換算したら幾らくらいの価値なのか?と考えてしまうあたり、私は発想が貧困なのかも知れません。
農村の盗み・・については、本日書きました、長塚節の「土」に関する駄文でも
触れております。

またのコメントをお待ちします。


by 笑うオヒョウ (2010-05-06 00:30) 

笑うオヒョウ

おじゃまま様 コメントありがとうございます。

ミツバチの失踪に電磁波が関与しているという説には驚きました。確かに、最近の携帯電話の普及と、ハチが失踪した事を関連づけて考える事はできますが、証明は困難でしょうね。 世の中には、携帯電話の普及をいまいましく思っている人達が確かにいて、携帯電話は脳腫瘍の原因だとか、電磁波で白血病になるとか、携帯電話の電磁波で心臓ペースメーカーが故障する・・といった根拠の無い主張をする人がいます(いわゆる風説の流布かも)。
それだけに、ミツバチ失踪の原因を携帯電話にするには、より慎重な調査が必要かも知れませんね。 またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-05-06 00:37) 

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