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【 ジャンケンより先に殴り合え その1 】 [航空]

【 ジャンケンより先に殴り合え その1 】

 関空、伊丹、神戸の3空港の扱いについて、いまだに揉めています。現状のまま、3空港を維持しようとすると、明らかにオーバーキャパシティになり、共倒れになります(もうなっています)。関空は1兆円を超える負債を抱えているのです。

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そこで、3空港の内、どれかをリストラしようという事で、懇談会を開いていますが、大阪府知事と兵庫県知事が、大喧嘩しています。まとめ役の関経連会長の下妻氏が呆れて「ジャンケンで決めたらどうだ」と言った場面がマスコミで取り上げられています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100412-00000474-yom-soci 

一見微笑ましい話ですが、1兆円を超えるような巨額の支出や債務処理、或いは騒音や安全も絡む空港の問題について、ほんの数人が話しあって決めるというのは、考えてみれば恐ろしい話です。ましてジャンケンで決められてはかないません。

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下妻氏はしばしば冗談の形で本音やシリアスな事を語る癖があるので、彼の発言を真に受けるべきか、しばしば悩みますが、頭に血の上った両知事には、下妻氏の言葉を吟味する余裕はなかったはずです。そして、オヒョウに言える事は、下記の3点です。

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1.橋下大阪府知事も、井戸兵庫県知事も、下妻博氏も、航空行政や航空工学について、無知の素人であり、深く掘り下げた議論はできない。奇妙なたとえですが、群馬県の人と長野県の人と山梨県の人が、津波の災害について議論するようなものです。

2.両知事とも、本当の意味で日本の航空行政の将来を憂いている訳ではなく、また関西地方全体を心配している訳ではなく、自分の府県の利益だけを考えており、両方が納得する合意点など無い。

3.関経連の下妻博氏は、住友金属工業の役員時代に、関西新空港の建設に深く関与しており、真の意味で中立的な立場にはなりえない。

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つまり、3人の懇談会など茶番で、一種のパフォーマンスである・・とオヒョウは言いたい訳ですが、これは今に始まった事ではないのです。伊丹はともかく、関空を作った時も神戸空港を作った時も、本当に空港の必要性や日本の航空の将来を考えて作った訳ではないのです。茶番劇は、何十年も前から続き、莫大な税金が使われています。

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この問題を議論するには、歴史的経緯を考える必要があります。

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関西圈に限った話ではありませんが、日本の場合、空港建設賛成派も反対派も、ひとくせ・ふたくせあります。

1.空港賛成派

A) 本当に空港の必要性を信じ、将来の交通需要の見通しから空港建設が必要だと考える人々。  

B) 空港建設に付随する土木工事や建設工事、インフラ整備に関係する利権や、空港運営開始後の種々の利権に魅力を感じ、建設推進を唱える人々。

2.空港反対派

C) 本当に空港が不必要だと考えたり、騒音や安全性の懸念から空港建設に反対する人々。  

D) 政治的イデオロギーに基づき、日本政府という権力の執行に何が何でも反対する人々。

E) 反対する事によって、補償額が上乗せされる、いわゆるゴネ得を期待する人々。

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本来、空港建設の是非や空港存廃の議論は、A)C)の人だけで行われるべきですが、現実にはそうはいきません。空港建設問題で、声をあげるのはB)D)E)がほとんどです。だから、どの空港も建設段階で紛糾し、反対運動は特定のセクトにふりまわされ、建設費は常に予定を上回り、完成後の空港経営は、必ず当初予定より厳しくなるのです。

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成田空港が建設されたのと同じ頃、ロンドンガトウィック空港でも滑走路の増設や拡張が計画され、やはり反対運動がありましたが、日本よりはもっと大人の対応をして解決しています。

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日本の空港建設で、最も見苦しい例は、成田空港の建設時のドタバタですが、関西新空港と神戸空港も、かなりスキャンダラスなエピソードを持っています。 それについては次号で紹介致します。


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