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【 オスプレイは危ないか? 】 [航空]

【 オスプレイは危ないか? 】 

沖縄の普天間飛行場(基地)の移転問題がいまだに揺れています。ご承知の通り、どの候補地案にもメリット・デメリットがあります。

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最終的には、あらゆる点を考慮し、最もマイナス点が少ない場所を選ぶのでしょうが、そもそも数値化困難な因子ばかりですから、これは難しい作業でしょう。

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ここで気になるのは、純技術的な事、或いは軍事的な事に誰も言及しない事です。 自民党政権下で辺野古沖の海上埋立て案ができた時は滑走路の延長上の地域の騒音問題や墜落の危険性が検討されてV字滑走路が提案されました。 それが現政権では、この美しいサンゴ礁を埋め立てるのか?という一言で、埋立て案が白紙になり、陸上案が浮上したりしています。 陸上案は勿論ずっと前に検討され、地域住民の負担と危険が大きいから・・・という理由で却下されたものです。その時の議論を今なぜ無視するのか分かりません(確かにサンゴ礁は大切ですが)。

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一般に航空機の騒音の評価にはWECPNLという、加重平均型の騒音指数が使われます。 これは、機種やエンジンによって異なる騒音の大きさ(デシベル値)や音のカン高さ(耳障り度とでも言いましょうか)に、飛行頻度などを乗じたもので、固定翼機(特にジェット機)が飛行する民間空港での騒音評価に用いられます。

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しかし、軍用飛行場では民間空港と騒音の種類が違います。WECPNLはそのまま使えません。 軍用機の場合、戦闘で生き残る事が最大の目標ですから、環境対策や騒音対策は民間機より優先度が低くなります。したがって、軍用機は民間機よりやかましい可能性がありますが、それがそのままWECPNL値に反映されるかは不明です。

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一般論として、ターボファンよりターボジェットの方がやかましく、アフターバーナーを使用する離陸は、しない場合よりやかましい訳ですが、急角度で離陸し、高速で飛行場を離れる場合は、騒音被害は少なくなります。

それと、ヘリコプターの場合は、固定翼機と全く話が違います。ヘリコプターの場合は、エンジン音よりローターの風切音の方がよりやかましいと言えますし、垂直に離発着するので、騒音影響範囲は狭く、しかし速度は遅いので、騒音継続時間は長くなります。

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WECPNLに代わる軍用飛行場用の騒音評価基準が必要ですし、ヘリコプター用の騒音評価基準も必要です。 それらがないまま、普天間飛行場は騒音公害で近隣住民に多大な負担をかけている・・・といってもねぇ。

新しい騒音評価基準を設定して、普天間だけでなく、全ての候補地についてその数値を明確にし、さらに影響を受ける人々の数を明らかにすべきです。 その上で最適の候補地を判断すべきでしょう。

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そして、もう一つ政府の検討で欠落しているのは、航空機の安全性の議論です。 軍用機は民間機より危険だ・・・という考えが正しいかどうかは何とも言えません。 それなのに反基地運動をしている人は、ひたすら軍用機の危険性を訴え、不安感をあおります。

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先日もTV報道で、米軍のティルトローター機のV-22オスプレイは、大変危険な飛行機で、開発段階で何度も墜落し、多くの犠牲者を出している。こんな飛行機を海兵隊は沖縄で運用しようとしており、言語同断・・とコメントしていました。しかし、これは正しいでしょうか?

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確かにオスプレイは開発段階や、運用開始後に何度か墜落事故をおこし、多くの犠牲者をだしています。そのあたりは、西川渉氏のホームページ「航空の現代」に紹介されています。 

http://helicopt.hp.infoseek.co.jp/v22021007.html 

ティルトローター機はヘリコプターと飛行機の中間の存在で垂直に離着陸できる上、航続距離や速度は固定翼機と同じ性能となります。もし、普天間飛行場を沖縄から遠い場所にする移設する場合、有事対応には、好都合の機体です。 場合によってはティルトローター機の配備は普天間移設の必要条件かも知れません。

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ティルトローター機の墜落原因は全てが明らかになった訳ではありませんが、一説にはボルテックスリングにローターが巻き込まれて失速したとの事です。ヘリコプターは常に下向きに強い風(ダウンウォッシュ)を起こし、その反力で空中に浮かんでいます。しかし、機体が下降する際、降下速度が速すぎると、自分が作った下向きの風の中にローターが入ってしまいます。そうするとローター表面が失速して浮力とコントロールを失うのだそうです。 

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ヘリコプターで古くから知られているこの現象が、ティルトローター機の開発過程でも発生して事故を起こしたものですが、もともと、ヘリコプターのローターと飛行機のプロペラという全く違ったものを兼用させたのですから、初期段階での事故はやむをえないという考えもあります。 そのV-22オスプレイは、最近は事故を起こしていません。 降下速度を速くしすぎない事で、この種の事故は防止できるのです。

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過去に何度も墜落事故を起こしたのだから危険だ。ティルトローター機を認めるべきでない・・と言うのであれば、50年以上前にコメット機が何度も墜落したからジェット旅客機も危険だという事になり、利用できなくなります。

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理屈ではなく、とにかくアメリカ軍基地に反対だ・・というなら、そのとおり主張すればいいので、数値的な裏付けなしに騒音被害を弁じたり、技術的な議論なしに航空機の危険性を主張したりしては、却ってアメリカに対する説得力をなくす事になります。

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それにしても自分が発生させた下降気流に巻き込まれて失速するなど、なんだか間抜けなような気もします。 

既に決着していた普天間移設問題をわざわざ混ぜっ返して、混乱と不信を招き、あげくに解決策が見いだせず、自分の内閣の首を絞める、どこかの首相の振る舞いのようです。


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白熊パパ

自分は辺野古沖の海上埋立てV字滑走路(現行案)が妥当と考えてます。
沖縄県民の痛みを考えるならば、軍事演習など沖縄県以外でも可能な事柄は
他都道府県が受け入れるのが当然です。
在日米軍の軍事力を自衛隊が代行できるまで増強するのが理想ですが、
こういう主張には平和憲法護持を朝日毎日(脱日本マスコミ)が声高に
叫び世論に訴えるのでしょうね。
by 白熊パパ (2010-03-26 02:19) 

笑うオヒョウ

白熊パパ様 コメントありがとうございます。

私も基本的に白熊パパ様と全く同じ考えです。今、議論がもめている理由の一つは、本音として(中国や北朝鮮の為に)沖縄の米軍を追い払いたい、あるいは在日米軍の戦力を減らしたいと考えている人達が、沖縄県の人の為にと偽って、行動している事だと思います。 私自身の素朴な考えでは、本来は沖縄や日本は、日本人自身の手で(自衛隊で)守りたい。 台湾海峡の有事対応の為に、同盟国のアメリカにも便宜を図るけれど、防衛力の主体は日本人でまかないたいというものです。 その際、沖縄県民の負担については、何らかの形で補償したいと考えます。 しかし今の政府には、このような素朴な原則論を考える人はいないみたいですね。
またのコメントをお待ちします。

by 笑うオヒョウ (2010-03-26 08:09) 

北のほたる

nice!
http://kitanohotaru.blog.so-net.ne.jp/
by 北のほたる (2010-03-26 16:36) 

笑うオヒョウ

北のほたる様 ご訪問とコメントをありがとうございます。

私も今後、北のほたる様のブログにちょくちょくお邪魔させていただきます。



by 笑うオヒョウ (2010-03-29 01:56) 

yoyo0001

すばらしい意見ですね
民スが消えれば、池田大作先生を始めとする創価と公明も大喜びするでしょう
真の愛国者マンセー!!
by yoyo0001 (2011-06-08 23:54) 

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