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【 占領軍、進駐軍、駐留軍 】

【 占領軍、進駐軍、駐留軍 】

日本最大の建設機械メーカーK社は、世界中に製造拠点を持ちます。そして中国では、江蘇省常州と山東省山堆の2箇所に工場を持ちます。日本人社員が、中国勤務を命じられた時、赴任先が常州であれば「おめでとう」と周囲から祝福され、山堆だったら慰められるそうです。

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これは常州の方が都会で快適な暮らしを営めるのに対し、山堆は田舎で生活が不便だからですが、似たような話は、海外駐在先を持つどの会社にもあります。そして世界中に駐留軍部隊を展開する(自称)世界の警察官である、米国の軍隊の場合も同様です。

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赴任先がオキナワだと告げられると、兵士は大喜びで、シャンパンの栓を抜くのだそうです。 逆に韓国だと聞くと、おおいにがっかりし、

「まあ、イラクやアフガニスタンよりはましさ」と慰められる訳ですが、イラクやアフガンは戦闘地域であり、普通に駐在するドイツや日本、韓国とは違います。 

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では、なぜ沖縄赴任は喜ばれ、韓国赴任は、いやがられるのか?兵士たちが、赴任地を喜ぶか否かには、下記のポイントがあります。

1. 気候温暖・風光明媚など、暮らす上での快適性はどうか?

2. 生活水準が高く、文化的で衛生的な生活ができるか?

3. 現地の人々のホスピタリティはどうか?  親米的か反米的か・・・?

4. 戦闘に巻き込まれる可能性はどうか?戦地との距離は?

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上記の4点の全てで沖縄、及び日本本土の赴任は最高点となります。一方、韓国はそうではありません。 沖縄ほど温暖ではなく、反米感情も一部にあります。38度線は近くにあり、休戦状態とはいえ交戦国が隣接します。 だから韓国は嫌われます。

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そして、3.の住民感情を考えた場合、更にもう一つの点を考慮する必要があります。 それは、米軍駐留に至った経緯です。

5. かつて戦争した敵国に占領軍として進駐し、そのまま駐屯する。

6. 戦争当事国の片方を支援し、その同盟軍として駐屯する。

7. 戦争はないが、NATOなどの条約に基づいて、同盟軍として駐屯する。

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当然ながら、沖縄やドイツ、イラク、アフガンの場合は5.で、韓国の場合は6.スペインやトルコは7.です。本来なら、5.の場合に最も反米感情が高く、米軍兵士にとってはコンフォータブルではないはずですが、第二次大戦の交戦国の場合は、微妙に違うようです。それは終戦後に東西冷戦があった事や、60年以上の時間が経過した事が理由でしょうが、それでも沖縄の人たちが、本当にアメリカ軍を歓迎しているとはオヒョウには思えません。 言わば大人の対応をしているに過ぎません。

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もうひとつ考えなくてはならないのはアコモデーション、つまり住宅の事です。 アメリカ軍が駐屯する場合、2.3.の条件を重視し、米軍兵士とその家族が快適に暮らせる環境なら、地元の一般市民と一緒に暮らすようにします。 一方、そうでなければ、隔離した場所に米軍住宅を建設します。

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例えば、ドイツの場合は、普通のドイツ人の住宅街に混じって、米軍兵士が暮らします。 日本の場合は、沖縄でも本土でも、米軍住宅は独立した居住区域に設置されます。

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かつて日本がまだ貧しかった頃、米軍住宅の中だけは、緑の芝生が敷き詰められ、広い住宅と自家用車、冷蔵庫の中にはごちそうがふんだんにある・・・という状況があり、日本人はコンプレックスを持った・・という事がありました。 確かにその時代なら、米軍住宅は隔離せざるを得なかったのです。 しかし高度成長を経た後はその格差は縮小しました。そして1ドル360円の為替レートが変動相場制になり、アメリカ=お金持ちという状況ではなくなりました。もはや米軍住宅を隔離する必要はありません。

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逗子の池子弾薬庫の跡地に米軍住宅を建設する時、大きな問題となりました。問題の発端は、跡地は貴重なタカの営巣地であり、環境を破壊したくない・・という事情からでしたが、オヒョウは「もはや米軍住宅を隔離すべきではなく、彼らの為に集合住宅を建設する必要はない」と考えていました。

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同じ様に、第二次大戦の敗戦国で、冷戦時代に米軍が駐留していたドイツ(旧西ドイツ)は早くから、米軍住宅を隔離していません。

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この違いは何なのか?オヒョウには本当のところは分かりませんが、人種・民族・文化の違いかも知れません。 ドイツは敵国で敗戦国でしたが、民族的にはアメリカの人々に近い存在です。米国にはドイツ系の人も数多く住んでいます。生活習慣にも違和感はなく、米軍住宅を隔離する必要などなかったのでしょう。

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占領軍や進駐軍の時代はともかく、今海外に展開する米軍は、その国の人々を守る為に、駐屯していると(自分たちは)思っているはずです。それなのに、現地では反発され、出て行けと言われるのは、ある意味、気の毒です。普天間の問題は、単にヘリコプターが危険だからというのではなく、反米感情や反米軍感情も根底にあります。

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それを解消する方策を講じなければ、たとえ普天間がグァムに移転しても、基地問題は解決しません。オヒョウなら、米軍住宅を隔離したものにせず、米軍専用のビーチやゴルフ場などという、くだらないものを無くす事から始めます。

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それができないなら「ヤンキー・ゴー・ホーム」のプラカードは無くならないでしょう。 もっとも、昔あるアメリカ軍の将軍はニヤリと笑って、「ヤンキー・ゴー・ホーム、おおいに賛成だ。俺はサザナーだからな」と答えたそうですが。

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夏炉冬扇

こんばんは。
子どもの頃、進駐軍にマッカサーでした。
サザナー?
by 夏炉冬扇 (2010-02-05 22:13) 

笑うオヒョウ

夏炉冬扇様 コメントをありがとうございます。

最後にわかりにくい落ちを入れ、大変失礼しました。

ご承知の通り、サザナーはアメリカの南部の人の事です。対するヤンキーは北部の人達の事であり、南部の人達は自分達をヤンキーとは思っていません。 そしてヤンキーとサザナーは、南北戦争以来の遺恨の仲です。

日本への進駐軍の将軍に南部出身者がいた事は事実で、その事に関する私のブログ( 昔、ブッシュ大統領時代にCURURUに書いたものです )を転載しますので、お読みいただければ幸甚に思います。 またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-02-05 23:58) 

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