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【 飛ぶかMRJ 】 [航空]

【 飛ぶかMRJ 】 

以前、受注機数が100機に満たない、三菱のジェット旅客機MRJの実現を危ぶむコメントをこのブログに載せましたが、昨年秋に受注残が100機を超え、様々な困難を乗り越えて製造に着手できるところまでこぎつけられそうです。 ご同慶の至りです。 オヒョウの見方は悲観に過ぎたかも知れません。

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先日、アイルランドでの記者会見で、三菱は確定受注65機、オプションも含めると125機の注文を得たと発表しています。120日付のBloombergの記事は下記の通りです。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601101&sid=aqCKMNSjyx_M 

ちなみに日本語版は、下記の通りです。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aie5j3wLsgXk 

でも理解できない事があります。 米国のリース会社から100機を超える受注があったのは、かなり前で、去年の10月には発表されています。この種類の情報に関しては、西川渉氏の「航空の現代」の情報が迅速で、そのURLは下記の通りです

http://www2g.biglobe.ne.jp/aviation/%82%8D%82%92%82%8A0910.html

ではなぜ、今頃、外国での発表となったのでしょうか?これは日航の経営破綻と関係があると、オヒョウは思います。

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日航は新しい社長(COO)に大西賢氏を選んでいます。そして、彼がこれまで社長をしていたJAC(日本エアコミューター)は、あの悪名高きボンバルディアDHC-8-Q400で、さんざんインシデントを発生させています。

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幸か不幸か、人々が注目した胴体着陸は全日空系の会社で発生しましたが、JACも離陸滑走中にエンジンが破損するという重大な事故を経験しています。整備畑出身の大西氏としては責任を感じているでしょうし、できればボンバルディアから他の機種に転換したいと思っているかも知れません。

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(個人的には、JACのボンアルディアで事故が多発した以上、同社の社長で整備畑の大西氏の責任は免れず、新生JALCOO就任はないと思っていました。 それなのに稲盛氏に採用されたのは、JACのストライキでの対応を評価されたからか、子会社の社長で、JAL本体と距離があったので、経営責任をまぬがれたからでしょう。或いは、JACの本社が鹿児島で、稲盛氏の地元だからか?)

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JALの再建にはいろいろな事が必要ですが、運用する機材の変更も必要です。 多すぎる機種を整理統合し、非効率な大型機ジャンボジェットを引退させて、運行経費が安いより小型の新型機に切り替える必要があります。 だから路線を縮小して撤退する一方で新しい飛行機を購入する必要があります。

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経営破綻した会社を再建するのに、新たなコストが発生するというのは矛盾しているようですが、多くの企業で見られる現象です。リストラにも費用はかかりますし、設備投資をしなければ、採算も向上せず、ジリ貧状態が続き、最後は野垂れ死にになります。だから、経営再建をするJALは、新型機を導入する必要があります。

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ジャンボ(B-747)の代わりは、B-777B-787になるのでしょうが、小型機の更新も必要です。前述の通り、ボンバルディア(DHC)機も更新したいかも知れませんが、代替となる、ドルニエやフェアチャイルド、フォッカーなどのターボプロップ機メーカーは消滅しており、プロペラ機の候補は少ない状態です。 それなら離島の1800m以下の滑走路でも離着陸可能なジェット機のMRJを採用してもいいではないか?という事になります。

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JALグループでは既にMRJと競合するエンブラエル社のジェット機ERJ170を導入して、JACではないJ-Airで飛ばしていますが、当時はMRJの完成が間に合わなかったという事情もあります。もしMRJの運用コストが、ERJ170より格段に安いのなら、ボンバルディアの後継としてMRJを選択する可能性がでてきます。

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JALグループには多くの子会社があり、飛ばすジェット機もバラバラです。JEXCRJシリーズ(ボンバルディアの小型ジェット機)を、J-AirERJ170を飛ばし、JTAはボーイングの737767を飛ばしています。そしてJACはジェット機を持っていませんでした。

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会社再建の一環として、子会社の整理統合と、そこでの使用機材の統一は、重要な課題です。 ジェット機だけでも統一するとなった場合、ERJでもCRJでもボーイングでもなく、新たにMRJを採用して統一する可能性もでてきます。それに加えて、前述の通り、評判の悪いDHC-8をジェット機に更新する際、MRJを採用する可能性もあります。

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この時期に、JALの経営が破綻し、再建がスタートする事は、遅れてきた“リージョナルジェットであるMRJにはむしろ好都合かも知れません。

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日本が開発した国産機なのに、日本を代表する航空会社が採用していない・・というのは、海外で拡販する上でいかにも具合が悪いだろうと、オヒョウは思います。 だから三菱としては何としてもJALに買ってもらいたいはずで、JALの経営破綻はひとつのチャンスかも知れません。

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勿論、JALが会社更生法の適用を受けて良かったなどとは、決して口にはしませんが、エンブラエルに負けた商談で仕切り直しができる事を期待しているのは事実でしょう。ダブリンでの発表はそれを意味するとオヒョウは思います。


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コメント 2

Aqua

ご訪問&nice!ありがとうございました^^
by Aqua (2010-01-31 14:10) 

笑うオヒョウ

Aqua様 コメントありがとうございます。
これからも、ちょくちょくおじゃまします。

Aqua様も、笑うオヒョウを時々ごらんいただければ幸いです。

by 笑うオヒョウ (2010-01-31 16:15) 

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