【 NHKの不可解な番組 】 [雑学]
【 NHKの不可解な番組 】
年末年始のNHK ETV特集『シリーズ 日本と朝鮮半島2000年』を見たのですが、どの回も内容があまりに奇妙で首をかしげる事ばかりでした。
全てに共通して感じられる、番組の一貫した主張は、下記の2点です。
1.常に朝鮮・韓国は日本より文化的に優れた先進国であり、日本は韓国から文化・芸術を学んできた。
2.日本はしばしば野蛮で朝鮮半島や中国を侵略して、多大の被害を与えた。しかし、朝鮮の英雄の活躍により、侵略が失敗した後は、朝鮮は常に寛恕の姿勢で日本に接し、日本を許すのであった。
3.韓国・朝鮮は、外国に対しては常に平和的に接するが、日本や中国から侵略を受けた場合は果敢に戦う。しかし、しばしば蹂躙される。
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逆に言うと、その3つの項目に当てはまらない、内容はどんなに重要な項目でも完全に無視されます。具体的にどんな項目が無視されているかと言えば、
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1.朝鮮半島に於いて、独立した文化を持ち、かつ親日的な存在であった百済をほとんど無視している。百済固有の仏教文化に触れていない。
2.朝鮮半島に於ける、日本の足がかりであった、任邦日本府の存在を完全に無視している。 (だいたい、新しいGoogleの日本語変換システムでは「みまな」が漢字変換されません。けしからんことです)。
3.前方後円墳など、明らかに日本から朝鮮半島に伝わった文化や様式が完全に無視されている。
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つまり、文化は常に半島から日本列島へ一方向に伝わったと言いたい訳です。 しかし、それらは、意図的にある事柄を無視したり隠蔽するだけですが、事実の曲解や誤解釈もあります。
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倭寇に関する説明では、(日本の)倭寇が、黄海沿岸に1500騎もの騎馬軍団を上陸させ、内陸深くまで攻め込んだが、朝鮮の智将が率いる軍勢に破れて撤退したとなっています。 しかし、それまで日本の騎馬軍団が活躍した例はあまりありません。強いて挙げれば、源の義経が鵯越で平家を攻めた時、或いは木曽義仲が倶利伽羅で平家を攻めた時に騎馬軍団を率いていますが、例外的です。
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総じて日本の軍馬は体格も貧弱で、速度も遅く、半島や大陸で活躍できるものではありません。まして船に乗せて海を渡るという事は容易ではありません。 世界を制覇した騎馬軍団である蒙古も元寇の際、馬を連れて来れませんでした。
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だから、どう考えても、日本の騎馬軍団が朝鮮半島の内陸深くまで侵攻したとは考えられません。さすがに番組制作者も後ろめたかったのか、おしまいの方に少しだけ済州島にいた、旧蒙古の残存勢力だった可能性もある・・などと逃げを打っています。
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更に鋭い突っ込みをするのは、オヒョウの長男です。
「後期倭寇は、日本人ではなく、福建省の人達だった可能性が指摘されているのに、それに全く触れていないのは不可解 」
悪いヤツラは都鳥・・・ではないけれど、悪いのは全て日本人・・・という事で統一したいのでしょうか?
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更に偏向した説明は続きます。朝鮮通信使の紹介では、秀吉の朝鮮出兵の後、家康が和睦を求め、友好関係を築く為に、日本が招いた事になっています。
通信使は日本に拉致された同胞の救済と帰国を日本に求めますが、あまり成功しなかった事を紹介し(これは今の北朝鮮による拉致と同じ事を日本もしたと言いたいのか)、一方で優れた文化・芸術を積極的に日本に紹介したので、日本中で大歓迎された・・と説明しています。
朝鮮に留学して、その文化・学問を学んだ役人が接待にあたり、通信使と友情を結んだと・・・いい事ずくめで解説していますが、前提条件は、
・悪いことをしたのは日本。
・文化的に優れていたのは朝鮮で、それを尊敬した日本に歓迎された。
の2点です。 でも待てよ・・・。
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当時の知識人だった新井白石などは、朝鮮通信使の事を苦々しく思っていました。 白石は「彼らは尊大で傲慢である。 訪問先での接待は地元負担になるので実は迷惑だった。 そのご馳走の準備だけで大変で、朝鮮通信使の訪問は貧しい地方を一層疲弊させた・・」としています。白石の資料には、通信使の為に、毎日用意した鶏卵の数まで記載されています。
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一方、NHKの番組では、日本人は通信使を歓迎するあまり、山盛りにした食べきれないほどのミカンをもって、集まってきた・・・となっています。
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いったい、どちらが正しいのか?韓国・朝鮮に阿ったり、ある思想や主張を持つ事は結構ですが、客観的でない説明を公共放送の番組で行うのは、禍根を残す事になります。
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外交関係にも悪影響を与えますし、日本の歴史教育にも矛盾をきたす事になります。
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例えば、日本人が大好きな西郷隆盛が唱えた征韓論の根拠を誰も語れません。 彼は任邦の存在を根拠に、日本が半島の一部を治める権利があると・・・考えていたようですが、任邦の存在そのものを今の日本史がネグレクトしてしまっては、征韓論の説明ができなくなります。この辺りの問題を指摘する人はいないのか?と思っていたら、ちゃんとブログ仲間にはNHKの番組を憂慮する人がいるようです。
http://ameblo.jp/campanera/entry-10250368497.html
やはり、NHKの番組制作に偏向の匂いを感じている人は他にもいるのです。オヒョウの「純粋NHK批判」はこれからも続きます。
朝鮮通信使は城下で百姓のニワトリを盗みボコボコにされた。
そういった特使を正門から入れるわけにはいかず、裏門から入城させた
という話もありますね。
by 釣られクマ (2010-01-13 12:55)
釣られクマさんコメントありがとうございます。
歴史を詳しく見れば、何事にも光と陰があるはずなのに、いい面だけを取り上げて褒め称えるような報道姿勢には問題があります。
昔の事ではあるけれど、朝鮮通信使について悪い事には全く言わないというのは
やっぱりおかしいですよね。日本のマスコミは、韓国や朝鮮にとって都合の悪い事を、いったい何時から言えなくなってしまったのでしょうか? 民主党政権になってますます、その傾向が強まるのではないか?と私は心配しております。
またのコメントをお願いします。
by 笑うオヒョウ (2010-01-13 16:00)
今回の記事は大変参考になりました。
チャンネル桜という保守系のCS番組があります。
http://www.ch-sakura.jp/index.html
参考までに。
by 白熊パパ (2010-01-14 03:25)
ウィキには“左派系学者による説”とかわざわざ付記してあるのですが、最近は任那日本府の存在を認めない説が有力みたいですね。
もう20年近く前、環日本海文化交流みたいなテーマで若干の研究費をもらった時、新羅仏教とかそういう関係の文献をいくつか買ってニワカ勉強したことがありました。その時に読んだ中で、井上秀雄という学者(左派かどうかは不明)が、そういうものはなかったと明言していました。
(追伸)この前の居酒屋、お魚は美味だったのだけれど、おでんが今ひとつだったのでは?
by Dr.Y. (2010-01-15 10:01)
白熊パパさん。コメントありがとうございます。
チャンネル桜は、何回か見た事があります。たしかに見る価値のある放送だと思いました。 しかし、残念ながら私のアパートではCSを見られません。 非常に面白いと思ったのは、地上波の大手のTV局が左派で、マイナーなTV局が中道または右派ということです。これは日本だけの現象なのでしょうか? このあたりご意見があれば、ご教示頂きたく思います。
by 笑うオヒョウ (2010-01-15 13:22)
Y博士との、コメントありがとうございます。
任邦日本府があったかなかったか、実際に韓国に行った事のない私には分かりませんが、かりに私が今から行ったとしても、歴史の証拠の確認は難しいと思います。
日本でもそうですが、世界中で現在の政権に都合のよい様に歴史は改竄されます。現在、その土地を実効支配する勢力に都合のよい証拠は捏造され、都合の悪い証拠は隠滅されます。
だから、日本と韓国で見解が異なる任邦の存在について、韓国が証拠を保全しているとは思えないからです。任邦があったという証拠もないし、無かったとする証拠も無いわけです。
オヒョウはかつて、歴史の授業で日本が好太王の碑文を改竄したことについて、歴史を歪曲するなんて、(戦前の)日本はなんて破廉恥なんだ・・・石野先生という教師から教わった事があります。しかし考えてみれば、どの国も同じような事をしています。
好太王碑文だって、何が本当かわかりません。 確実に言える事は居酒屋に料理の味については、貴兄のご意見に賛成だ・・・という事だけです。
またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-01-15 13:24)